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[台本]そこにあるから~ギブミー〇〇〇

作者: ミッキー

かな「ねえ、チョコちょうだい!」

その一言に、周りの友人一同、フリーズ。

そして、それを聞いたあいつは、こう言う。

つとむ「・・・なんで?」

かな「だって、前作ってもらったチョコケーキおいしかったから。また食べたいなあって。」

つとむ「最近作ってないからなあ・・・。」

かな「お願い。食べたい。ギブミーチョコケーキ!」

つとむ「分かったよ。今度作って持ってきてやるよ。」

かなは、内心で『よしっ!』と思った・・・のだが。

次に放たれたつとむの言葉に、動揺する。

つとむ「それじゃあ、かなも一緒に作ってもらうからな。ちゃんと手伝えよ。」

かな「えっ?!私も!一緒に!?」

つとむ「当然だろ。食べたいなら一緒に作るぞ。」

周りの友人一同。フリーズからコールドに移行。

女子から男子に「チョコちょうだい。」も新鮮な驚きだったが、その流れで一緒にチョコケーキを作ることになるとは・・・予想外な展開だった。

つとむ「あと、みんなの分も作るから。」

その言葉に、周りの友人一同はホット。

一同「楽しみにしてます!」


2月12日(日)

 つとむの家に、かなの姿があった。しかもエプロン姿。

つとむ「よし、やるぞ。」

かな「はーい。」

つとむ「まずは、チョコスポンジからだな。」

かな「この前食べたときも、とにかくスポンジがおいしかったよね。」

つとむ「スポンジが大事だからな。ケーキは。」

つとむは、ボールに全卵とグラニュー糖を合わせて、湯せんしながら泡立てている。

かなは、薄力粉とココアパウダーを合わせて、ふるっていた。

かな「これでいい?」

つとむ「OK。それじゃあ、次は・・・・。」

先ほどの混ぜた生地にふるった粉を入れる。そして、よく混ぜ合わせる。

予熱しておいたオーブンで、ケーキを焼く。

かなは、ただ見とれていた。つとむがケーキを作る姿に。

つとむ「よしっ、できた。」

かな「すごい・・おいしそう。さすが、つとむ!」

つとむ「手伝ってくれたからだよ。ありがとう。」

そう言って、かなに笑いかける。

かな『なんだろう・・・この気持ち・・・。』


2月13日(月)

つとむとかなが作ったチョコレートケーキ。

学校にて、みんなに切り分ける。

一同「いただきまーす。」

それぞれ、ケーキを口に運んでは、

「おいしい!」

「さいこー!」

「天才!」などと称賛の声が上がった。

つとむ「いいもんだよな。」

かな「えっ?」

つとむ「自分たちで作ったケーキを、みんなが喜んで食べてくれるって。」

かなは満面の笑みで

かな「うん!」

相づちを打った。


2月14日(火)

放課後の学校。かなとつとむが教室にいる。

かな「昨日は、よかったね。」

つとむ「そうだな。・・・みんな喜んでくれた。」

かな「あの、ひとつ聞きたいんだけど。」

つとむ「ん?」

かな「何でケーキ焼いてくれたの?」

つとむ「食べたいって、言ったから。」

かな「・・・・ありがとう。」

つとむ「俺も聞いてもいいか。」

かな「うん。」

つとむ「何で、食べたかったんだ。」

かな「バレンタインだから。」

つとむ「そっか。ありがとう。」

・・・・・

・・・・

・・・

・・

かな「ちがうの。いや食べたいことはちがわないんだけど。・・・もうひとつ理由が。」

かなが必死につとむに伝える。

つとむ「落ち着いて。」

かなは、ひとつ呼吸をして、そして、ロッカーを指差す。


かな「そこにあるから。」


つとむはロッカーを開ける。

そこには、A4ほどの大きさのラッピングされたものが。

つとむ「開けていい?」

かな「いいよ。」

つとむが開けるとそこには、チョコ レート のレシピ本・・・

つとむ「これって。」

かな「本当はチョコを渡そうと思ってたんだけど、つとむ君に手作りチョコ渡すって、そう考えてたんだけど、だんだんと前食べたチョコレートケーキを思い出して食べたくなって・・・それでバレンタインに一緒に食べたいなって・・・。」

つとむは、かなをずっと見ていた。

かな「そしたら、つとむ君が『一緒に作ろう』と言ってくれて、『ええっ!?』ってなったけど、でもすごくうれしくて。一緒に作ってて本当に楽しくて。だから・・・。」

かなも、つとむを真っすぐ見る。

かな「もっと一緒に作って。」

ふたりがいる教室の外から物音が響いた。

一同『告白じゃ・・・ないのかい!』

その時、(なぜか)教室の外に隠れて見守っていた一同はそう思った。

つとむ「次は、何食べたい・・。」

かな「えっ?」

つとむ「いつでも作ってやるから。かなの絵が、見たいから。」

見つめ合うふたり。

かな「それじゃ、次はガトーショコラ!」

再度、教室の外で物音が鳴り響く。

一同『告白じゃ・・・ないんかい!』

つとむ「りょーかい。それじゃあ、俺からも、もうひとつだけ・・・。」

少し歩いて離れると


つとむ「ここにあるから。」


ロッカーを指差す。

かな「えっ?」

つとむ「いいから、今度はかなが開けてみて。」

かな「う・・うん。」

かながロッカーに、つとむに近づき開ける。

そこには、正方形のラッピングされたものがあった。

つとむ「開けて。」

かな「うん。」

かながラッピングを開けるとそこには、ハート形のチョコレート。

かな「ハートの・・・チョコだ。」

つとむ「割ってみて。」

かな「えっ?」


つとむ「そこに・・・あるから。」


かな「わかった。」

教室の外で一同、ツッコミたかった。

一同『ハートは、割ったら、ブロークン』

かなはそんな外からの視線には気づかず、ハートチョコレートブロークン。

かな「あっ・・・。」

中から丸められた紙片が出てきた。

つとむ「そこにあるから。俺の・・・。」

かなは紙を開くと・・そこには・・・


”かなのこと好きだから”

つとむ「気持ち。」

かな「言って。」

つとむ「えっ・・。」

かな「言ってよ。」

つとむ、顔は真っ赤・

かなも、顔真っ赤。


つとむ「かなのこと好きだから。」

かな「もっと。」

つとむ「かなのこと好きだから。」

かな「もっともっと。」

つとむ「かなのこと好きだから。」

かな「私もつとむ好き!!」

見つめ合って笑顔満開。

教室の外から拍手が鳴り響く。

一同『おめでとう』


それから数年後・・・

つとむとかなは教会の中にいた。

そして、そこには、たくさんの参列者。教室の外一同。

かな「ねえねえ、つとむ。」

つとむ「なんだよ。」

かな「ギブミーキッス!」



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