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4/10

旦那選び?ご冗談を!

可愛いメイドちゃんに気を失ってるところを発見された私は今、身支度を整えられて、正式な式典用と思われる可愛いドレスを着せられている。


転生前の自分じゃ絶対に合わないふわふわキラキラの上品かつ気高い雰囲気のドレスとクラウン。

けどそんな綺麗なものに包まれてなお1番輝いている私……レイチェルの顔面。


鏡を見る度に尊すぎて私が泣き出すのでメイドちゃんにめちゃくちゃ引かれた顔をされた。

ごめん、でも許してくれ。

だって私の推しがこんなにも可愛いんだ。


だけどそんなことも言ってられない……まさかの国王選択イベント、つまりはエンディング当日に転生って!

ツイてないにもほどがある!!


そもそも私がなりかわる前のレイチェルは誰とどの程度親密なの?

今誰ルート優勢なの?!


それによってレイチェルの………あと中身の私の人生が大きく違ってきちゃう!


しかも当然の事ながらエンディング後のシナリオなんてゲームには無いわけで。


やばい。

できる限りマシな男を……選ばなきゃ……


「マシな、男………?ンなもんいるわけねぇだろクソが!!!」


「よお、レイチェル」


イケボに振り向くと……そこにはキラキラ顔面の男が5人。

悪魔の攻略キャラクターどもが立っていた。

流石乙女ゲームの男……顔も声もイケメンすぎる。


けど私は騙されねぇ、こいつら全員ゲームじゃなかったら許されないぐらいのド地雷最悪男どもなんだから!


まず近づいてきたのは、初めに声を掛けてきた赤髪でピアスジャラジャラのバンドマンみたいなやつ。


第一王子のアレンだ。


そいつが強気な顔で笑ったあと顎をグイッと掴んでくる。

やめろ、触るなレイチェルが穢れる。


「いよいよ国王発表だな。まあお前は俺を選ぶに決まってるがな」


うーわ。早速の上から目線。無理なんですけどぉ。


とにかくオレサマ、ドSというまあ乙女ゲームには絶対いるタイプなんだけども、自分の地位を笠に着て好き勝手振舞い、自分の思い通りにならないと怒るという最悪態度。


こやつがファン投票一位ってどゆことなの。


攻略後も上から目線の告白ばっかでレイチェルオタクからすると何様だコノヤロウなのでこいつは旦那却下。


「兄さんなわけが無いでしょう?この1ヶ月、誰が国王にふさわしいか猿でもわかるように教えたんです。もちろん私ですよね?」


そう言ってアレンを引き剥がしたのは青髪のメガネ。

第二王子のルシウス。


こいつは頭は良くて能力だけなら国王に向いてるんだけど性格がクソ。

めちゃくちゃ皮肉屋。いちいち癇に障る言い方と一言多い物言いがウザイ。


僕がいなきゃだめなんだからとか、君のためを思ってとかセリフでめちゃくちゃ言ってくるけど絶対モラハラ夫やん。

イケボと美麗ビジュアルでも騙されんからな?


そんなクズにレイチェルはやらん。却下。


「そうかなぁ?僕、結構望みあるんじゃねって思ってるんだけど?だってぇ、レイちゃんのために他の女の子と遊ぶのやめたし?」


黙れ金髪ロン毛。

どうせ目の下の泣きぼくろが本体のくせに!


この第三王子のルナードはめちゃくちゃナンパ。というか超がつく女好き。……これで乙ゲーあるある重い過去とかがあればまだ同情するんだが、こやつはなんと何も無い!つまりただの下半身野郎だ!!


ルート攻略で主人公一筋になるけど私は信用しない。1度女遊びしたやつはまた絶対する。こいつと結婚したら最後、絶対浮気する。

レイチェルにおまえはもったいねぇ、散れ。却下だ馬鹿野郎。


「うわぁあ〜〜今日のレイレイはふわふわ綿菓子〜」


ゆるふわイケボと共に胸に飛び込んできた黄緑色の髪の毛の長身ボーイ。

顔は胸に隠れて見えないけど、多分こいつが第四王子のマーリン。


おいてめえ、レイチェルの胸に顔突っ込むとはどういう事だ?

私だって自分の体じゃなかったら埋まりてぇわちくしょう。


「綿菓子レイレイ〜まーくんお腹すいたァ。ねぇ〜まーくんだけの綿菓子になってぇ」


うん、見ての通り不思議くん。マジで世界観独特だし子供すぎて、正直振り回されに振り回されて精神疲弊すること間違いなし。紛うことなき却下。


「え〜?ぜーったい僕だよぉ?じゃないと……わかる、よね?」


後ろから肩口に顔を乗せてきたピンクのふわふわ髪のクソガキ。第五王子のユーリ。


見た目は女の子みたいに可愛いけど性格は腹黒。


こいつはほんっっっとうに却下。というか論外だ。

散々うちの可愛い推しに迷惑ばっかかけよって!!


攻略して好感度MAXでもレイチェルをおもちゃ呼びした恨み絶対忘れねぇ。


目の前に五人の王子が揃った。

揃って……しまった。


ってことは。


「それでは王妃様、王子様方。そろそろ国民に発表を致しますのでバルコニーの方へ。」


やばい。

いよいよイベントが始まっちゃう……!

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