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コント「呪いのビデオを再生したらデブのおっさんが井戸にはまった」

ボケ&ツッコミ「「よろしくお願いしまーす」」


ボケ「突然ですが、呪いのビデオって聞いたことあります?」


ツッコミ「今の人はビデオなんて聞いても、ピンとこないでしょうけどね」


ボケ「そうなんです。だから20年くらい前の話という設定でお願いします」


ツッコミ「はい。それで、呪いのビデオがどうしたんですか?」


ボケ「実はねぇ……実物を見たことがあるんですよ」


ツッコミ「へぇ、実物を」


ボケ「中古のビデオショップでね、エッチなビデオを買ったんですよ。そしたら中身が明らかに違う感じでして」


ツッコミ「ちなみに、どんなエッチビデオを借りようとしたんです?」


ボケ「それは聞くだけ野暮ってもんだよ、君。お母さんからどんなビデオ借りたのって聞かれたら、正直に言う?」


ツッコミ「なんでお母さん⁉ 普通、聞いてこないでしょ!」


ボケ「君のお母さんは聞くと思って」


ツッコミ「いやいや、聞かないです。聞かないです」


ボケ「そう言えば20年くらい前に再婚されたみたいですね」


ツッコミ「はい……僕には父親違いの弟が……って、どうでもいいでしょう!」


ボケ「ごめんなさい、ちょっと聞いてみたかったんです」


ツッコミ「まぁ、いいですけど」


ボケ「それでね、そのビデオを再生してみたんですよ。そしたら何もない場所に井戸が映し出されましてね」


ツッコミ「ああ、例のビデオとおんなじですね」


ボケ「しばらく待っても何も起こらないんで、止めようとしたんです。そしたら……」


ツッコミ「いよいよ、例の彼女が現れましたか」


ボケ「いえ、宅急便が来たんで慌てて服を着ようと思いました」


ツッコミ「え? 全裸だったんですか⁉」


ボケ「ええ、だって。そういうビデオ借りて来たんで」


ツッコミ「それでも全裸はないでしょう……その後、どうなったんですか?」


ボケ「宅急便のお兄さんに立派なものをお持ちですねって褒めてもらえました」


ツッコミ「結局、全裸で受け取りに行ってる!」


ボケ「お兄さん、ちょっと嬉しそうでした」


ツッコミ「話が変な方向に!」


ボケ「ちょっとくらいなら触らせてあげてもよかったんですけどね」


ツッコミ「何を⁉」


ボケ「ハンコ」


ツッコミ「……え?」


ボケ「僕の持ってるハンコ、すごく立派な奴だったんです。あの……何を想像したんですか?」


ツッコミ「いえ……ナニ、別に。それより話の続きを」


ボケ「テレビの前へ戻ったら、井戸にデブのおっさんがハマってたんです。どうもお腹がつっかえたみたいで」


ツッコミ「悪霊のくせに随分と間抜けですねぇ」


ボケ「そしたらね、おっさんが話かけて来たんですよ。今日中にあと三人呪い殺さないといけないから井戸から出るのを手伝ってくれって。さっさと僕を殺して次へ行きたいらしいんですね」


ツッコミ「呪い殺そうとしている相手に、よくそんなお願いできますねぇ」


ボケ「しばらく待っても抜けそうにないんで、ご飯を食べて寝ました」


ツッコミ「ビデオを再生したままですか⁉」


ボケ「ええ、明かりが無いと眠れないんで」


ツッコミ「呪いのビデオが電灯代わり!」


ボケ「翌朝もおっさんはそのままだったので仕事へ行きました」


ツッコミ「はまったままおっさん放置!」


ボケ「今思うと電気代がもったいなかったですね」


ツッコミ「心配するところはそこじゃない!」


ボケ「帰って来てもおっさんは井戸にはまったままでした」


ツッコミ「おっさん、よっぽど太ってたんですね」


ボケ「それから幾日も過ぎ、僕は職場の女性と結婚することになりました」


ツッコミ「いきなり時間が飛びましたね!」


ボケ「部屋を引き払うことになったんですけど、置いてけぼりはさすがに忍びないので、テレビごと焼却処分することにしました」


ツッコミ「全然、忍んでないですね」


ボケ「でも、おっさんが言うんです。後生だから殺さないでくれって」


ツッコミ「そりゃ、悪霊でも焼却炉に放り込まれるのは嫌でしょうからねぇ」


ボケ「仕方ないから引き取り手を探したんですよ。町中にポスターを貼って。そしたら沢山の人が引き取りたいと言って下さって」


ツッコミ「ええっ……本当ですか?」


ボケ「はい、みんな寂しくて話し相手が欲しいみたいで」


ツッコミ「呪いのビデオよりも、孤独な現代社会の方が怖いですね」


ボケ「何人も応募者が集まったんで、おっさんをどう飼育するのかレポートを書いてもらって、その内容で決めることにしました」


ツッコミ「完全にペット扱い!」


ボケ「それでピンとくるレポートを送ってきた人がいて譲ることにしました」


ツッコミ「へぇ、どんな人なんですか?」


ボケ「君のお母さんです」


ツッコミ「えっ……」


ボケ「君のお母さんに譲ったんですよ、おっさんを」


ツッコミ「えっ……嘘ん」


ボケ「嘘じゃないです。君のお母さん、再婚してましたよね?」


ツッコミ「まっ……まさか……」


ボケ「君の弟、おっさんの子供ですよ」


ツッコミ「嘘だあああああああああああああああああ!」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 話がテンポよく進み、最後は見事な伏線回収! 思わず『おお!』と叫びました。このまま漫才にできるのでは?
[良い点] まさかのオチ! 伏線回収!
[一言] オチがすごい! 面白かったです。
2022/03/29 16:42 退会済み
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