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作品2-6
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安乃澤 真平
□□は笑っていた。□□の母も笑っていた。とても楽しそうだった。□□の心からの笑顔など、その時に初めて見た気もする。その時、 あぁそうか と思った。なんだか□□が散らされた花房のように見えたのである。地面の硬さを知って二度と香らず、雨の冷たさを感じていることだろう。そう感じると、自分で摘んでおきながら、元の枝へ戻してやりたいなどと今更のように思うのであった。
休み時間が済んで、皆が自分の席に戻ってからも□□は自席で嬉しそうな顔をしていた。一度開花した花をまた摘もうとはどうしても思えなかった。その日、親達が帰った後であっても□□に話しかけることさせ出来なかった。
つづく。