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神様の手違いで異世界転移させられた俺はハーレム生活充実になりました  作者: 桐ヶ谷スバル
第二部 黒い魔剣と日本人 第一章 オタク日本人は気ままに生きたい
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第14話 ホワイトブラッド騎士団団長現れる

 ホワイトブラッド騎士団員達はリサ、ジンジャー、ケイトが発動した”スパーク”により体に麻痺が生じ力加減を間違えたからなのか泡を吹き白目を向けていた。


 「あっ、”スパーク”の威力少し間違えちゃった…………」


 「私も間違えてしまいました…………」


 「リサさんとジンジャーさんもですか!じっ、実は私も…………」


 三人は魔力をコント―ロールすることの難しさを改めて思い知り、騎士団員達が悶え苦しんでいることに罪悪感を抱きつつも向こうは本気で命を奪うつもりで来たため正当防衛は成立するのだろうが和泉や裕二の目からは明らかに過剰防衛に見えていた。


 「ジョセフ、あの三人あんなに可愛いのに結構強いな……」


 「……んっ、まぁジンジャーは俺と出会う前は行商とかしてたみたいだしそれなりに鍛えてたらしいしね。ケイトも冒険者で実戦経験積んでるし、リサに関しては俺と一緒に修行の旅で強くなっているからそこいらの女子とは比較にならないぞ?それとリサに関しては剣の技術は俺以上だからな」


 「いやいや、ジンジャーに関しては女子アスリートみたいに腹筋われてて強そうな感じするから分かるけどリサとケイトみたいにあんなに小柄で華奢だと正直あんなに強いとビビるって……」


 ジョセフは軽く笑い飛ばしながら和泉に説明をすると和泉は肩を竦めながら苦笑していた。


 「僕も和泉の言う通りだと思うよ……あんなに可愛いくて上品さがあるのに強いなんてギャップ萌えにも程があるよ」


 「……んっ、裕二の言っていることよく分からないんだけど?」


 裕二は和泉の意見には賛成のようでジョセフは裕二の言っていることが分からず煙草を口に咥え呆れ果てていた。


 「裕二とジョセフの言っていることは正直よく分からないのは確かだな」


 夏樹は裕二とジョセフに皮肉を言う。


 「「「「お前が言うな……」」」」


 ジョセフと裕二、和泉と何故かテレサも一緒に夏樹にツッコミを入れる。


 「ホントに十代の若者って元気がいいわね」


 「……んっ、ブーディカ。あなたまだ二十代でしょ?」


 「ジョセフ、二十代になればわかるけど十代のように勢いがなくなるから高揚感もその分減っちゃうから羨ましく思うのよ?」


 「なるほど、そういうものなんだ……」


 ブーディカは十代と二十代の違いを語り、ジョセフは首を傾げながら頷く。


 「あなた達、これに懲りたらもう街の人にあんな横暴はしないと誓いなさい!」


 「………………ぐっがががががが………………」


 リサはホワイトブラッド騎士団員達は声を唸らせながら泡を吹いていたためリサの言っていることが耳に伝わっていなかった。


 「リサ、どうやらあの人達には聞こえてないみたいだけど?」


 「そうですよ!リサさんが調子に乗ってジョセフさんの真似なんかするからです!」


 ジンジャーはリサに聞こえてないことを教え、ケイトは自分のやったことを棚に上げ注意を促す。


 するとその時、石畳をズカズカと足音を立てながらリサ達の方へと騎士風の少女が鬼気迫る表情で駆け付けてきたのだ。


 「ちょっと、これはどういうことなの?」


 少女はジョセフの”スパーク”で全身麻痺状態になっていたクーデルに近づき尋ねるとクーデルは残っている力を振り絞り説明をする。


 「あ……の、れんっ……ちゅう、がっ……わた……したち……に、ふい……うちをっ……」


 クーデルは呂律の回らない口でデタラメを並べる。


 「そうですか。あの人達がこのホワイトブラッド騎士団に不意打ちを仕掛けたということですか……」


 少女はクーデルを見下ろしながら睨み、それはまさにゴミでも見るかのような目つきであった。


 「いいでしょう、それなら私が相手しましょう」


 鋭い目つきで細剣を鞘から抜き出した少女は機敏な動きでジョセフに突きを入れるもジョセフは深紅に輝く左の覇王眼で時を止め躱し、少女の技量を計っていた。


 「あんた、名はなんて言うんだ?」


 ジョセフは戦闘中だというのに少女に尋ねる。


 「戦闘中に名前を聞くなんて随分と余裕があるのね。いいわ、私はホワイトブラッド騎士団団長の戸谷彩香とだにあやか、チュードランド王国によって召喚されたものよ」


 「ジョセフ、ジョセフ・ジョーンズだ。ってことはあんたは日本から異世界召喚された日本人てことか?」


 「だったら何だっていうの?とち狂ってお友達になりにでも来たの?」


 彩香はジョセフに睥睨しながら細剣を突きつける。


 ジョセフの首元まで彩香の突きつけた細剣が近づき、ジョセフは時を止めてリサの傍らへと移動し彩香との距離を置いた。


 「あなた、魔法で私から距離を置いたつもりだろうけどそれで逃げられると思っているの?」


 「……んっ、別に俺は逃げたつもりはないけどどの道逃げたところで追いかけるつもりなんでしょ?」


 彩香は距離を置いたジョセフに対しどこまでも追い続ける旨を伝え、ジョセフは逃亡する気は毛頭なく寧ろそれを実行したとしても逃げ切れないことを察していた。


 「同胞をここまでしておいてただで返すつもりはないわ。あなた達にはそれなりの報復は受けてもらうから」


 「悪いが俺達はこれ以上君達の相手にしている暇はないんだ。それに先に仕掛けたのはそっちの騎士団員側なわけだし謝るのはそっちだと思うが?」


 「そうですよ!街の人にあんなひどいことをしておいて私達を一方的に悪者扱いするなんて理不尽すぎます!」


 ジョセフとリサは騎士団側に謝罪を要求するも彩香は知らないそぶりを見せる。


 「ホワイトブラッド騎士団が街の人間に危害を加えるなんて本気で思っているの?そうやって嘘ついて逃げたいだけなんじゃないの?」


 聞く耳持たずな彩香に説明しても無駄であることを悟ったのか、ジョセフは肩を竦めながら溜め息を吐き刀を鞘から抜こうとした瞬間、リサが手を出し引き留める。


 「ジョセフ様、私に任せてもらえませんか?あの一年間の修行の旅で私だってジョセフ様と一緒に肩を並べられるようになったつもりですので」


 「……んっ、分かった。ここはリサに任せるよ」


 ジョセフはリサの方をポンと手に乗せ、リサは「ジョセフ様ったら……」と頬を赤らめた。


 「あなたが私の相手をするつもりなの?見るからにあまり強くなさそうだけど」


 「だっ、団長……あの女、結構できます……」


 ジョセフの”スパーク”によって麻痺で悶え苦しんでいたクーデルは麻痺が少し治まっており、彩香に見くびってはいけないと忠告をする。


 「そう、元より手加減する気なんてないから。私」


 「私もジョセフ様の横にいるために負けないです!」


 リサと彩香はお互い睥睨しながら剣を鞘から抜き出し構え、二人は石畳を蹴り上げ急速で鍔迫り合いを開始する。


 彩香は連続で突きを繰り出すもリサの動体視力を以てすれば大した速度ではなく簡単に避けることができた。彩香は突き技に自身があったのにリサにすんなりと避けられたことにより自信を喪失しかけたがプライドのためにもここで戦いを辞めるわけにはいかなかった。


 リサは腕に自信を持っていた彩香の自尊心を失わせるかのように彩香の攻撃を一つ一つ避け、経験の差を見せつけていた。


 「どうしてよ!どうして私の攻撃が当たらないのよ!」


 「彩香さんと言いましたね?こんな戦いは無意味です!ですのでこの辺りで――」


 「バカにしないで!あなたはそう言ってるけど私のことを見下しているんでしょ!?」


 彩香は攻撃が当たらないことで精神が苛まれ癇癪を起す。リサはそんな彩香を見て宥めるように戦闘を辞めるように説得するも聞く耳持たずで彩香は手を止めることはなかった。


 感情を爆発させたからなのか彩香の剣捌きは次第に速くなるも正確性が欠如し、リサは心を読みにくくなり変則的な突きに反応が遅れかけるも気を取り直し(このまま反撃せずにいると私が危ないですわ)と内心思い反撃を仕掛ける。


 リサと彩香の剣が交錯し、火花を激しく飛び散らしていた。


 「……ふっ、やっとその気になったじゃない」


 「そうさせたのはあなたです……」


 剣の腕に自信のあるホワイトブラッド騎士団団長である戸谷彩香と拮抗し得るリサは、実力の差を見せつけるためにも負けるわけにもいかなかった。それは彩香も同様でホワイトブラッド騎士団団長としての意地もあって手加減はできなかった。


 「中々強いですね。ジョセフ様と同じ世界から来ただけあって日本という国に行きたくもなりますね」


 「そんなにいいこともないわよ。日本なんて虐めなんて当たり前にあるしネットで調べたら社会に出ると理不尽な虐めもあるしで行かない方がいいわよ」


 「彩香さん、あなたはジョセフ様以上に辛い思いをしているようですね……しかし、この世界に来てあなたはどうしてそんなに卑屈なままいるんですか?神様にこの世界に転移させてもらったのにどうしていい方向に事を考えないんですか?」


 「……くっ、それは……」


 リサ涙目になりながらは彩香に問い詰める。彩香は口を噤みながら苦虫を嚙み潰したような表情で手を一瞬止める。


 しかし、彩香は心に迷いを感じながらも戦いに負けることは許されないと意固地に暗示していた。


 そんなリサは彩香の心中を読みながら戦闘をしていることで胸中が痛み、このまま戦闘を続けていいものか?そもそも彩香と戦う必要性が分からなくなっていた。


 聞く耳を持たない彩香であるため、リサは戦闘せざるを得ないと割り切ってはいたもののいざ戦闘するとなると躊躇いはあるわけで魔物を相手にしているときは本領発揮して戦えるが殺さずに戦うという経験が浅いため、力加減を考えながらの戦闘はリサにとって限界が近づいていた。


 彩香は三連撃の突きを繰り出し、リサはそれを難なく躱しているも彩香は休む暇すら与えず次々と彩香からの攻撃がリサを襲う。


 「もう、限界なわけ?何もできずに私に負けるってあなた今どんな気持ち?少しは抵抗したら?」


 無抵抗なリサに煽りを入れる彩香はリサが彩香を怪我させないために手加減をしていることに気付かず、剣撃の速度を上げる。


 「彩香さん、あなた……これ以上調子に乗っていると痛い目に遭いますよ?」


 「はぁっ?今のこの状況考えたら七対三で私の方が勝っているんですが?」


 リサは彩香の剣撃を躱しながら肩を竦めながら溜め息を吐き、彩香に威圧をかける。その威圧はジョセフ達にも伝わる。


 「ジョセフ!リサは一体何をするんだ?」


 「……んっ、何って本気出すだけだよ?」


 和泉はリサから発せられる威圧について尋ねるとジョセフはただそれだけを言う。


 「《《本気を出す》》って……あんな威圧オーラ出せるとか異世界人はみんなああなのか?」


 「どうだろうな?リサの場合俺と修行の旅に出ていたわけだし場数は歴戦の勇者並みだから並の人間なら逃げ出すはず……」


 「………………はぁっ!」


 リサの剣は閃光の如く軌道を作り彩香に剣撃を繰り出す。


 彩香は攻撃を止め、何が起こったのか分からず佇んでいた。その瞬間、彩香の鎧に振動が走り小さく亀裂が入った。


 「何をしたの?あなたの剣撃が見えなかったんですけど!」


 「あなたがそうさせたんですよ?ですけどあなたは井の中の蛙大海を知らず状態ですので実力を見せつけることにします」


 小柄で華奢で妖艶な美貌を持ち合わせたリサの表情は険しく、今までにないほどに冷徹で人間では到底対処できない程にまで威圧はすさまじかった。


 「――”電光石火”プラス”残像”」


 リサは光属性魔法”電光石火”による高速移動と光属性魔法”残像”を組み合わせて発動した。”電光石火”によって電流が迸る高速移動で”残像”を作り、彩香は剣撃を繰り出しリサに当てたと思うとリサは消失し”残像”は質量を持っているようで、攻撃を当てた際手ごたえがあり誤認しやすく彩香の脳は上手く処理できず困惑していた。


 「そんな!?手ごたえはあったのに……」


 彩香は細剣でがむしゃらに三連撃、四連撃と剣撃を繰り出すもリサどころか残像にも当たることなく殆どが空振りになるほどに速く、人間の動体視力では捉えることすらできなかった。


 「さっきより速い!」


 リサの動きは人間にとっては殺人的な加速で移動し、止めを刺すべく彩香が握っていた細剣を加速により勢いの着いた剣捌きで弾き飛ばす。剣を鞘に納めたリサは光属性魔法”スパーク”を右拳に纏わせ、彩香の亀裂に入った鎧に殴りつける。


 彩香の体内にリサが発した”スパーク”が電流を迸らせ、勢いよく吹き飛び石畳は抉れていた。


 「だっ……団長が…………」


 ホワイトブラッド騎士団団長である彩香がどこの馬の骨かも分からない冒険者に敗北したことに騎士団員達は絶望し、自分達では勝てない存在であることを改めて再認識し、”スパーク”による麻痺が溶けた騎士団員達は全力疾走で逃げ出した。


 「くっ、このままでは……」


 どさくさに紛れて一緒に退散しようとしていたクーデルの眼前に一瞬の隙も与えずにジョセフは現れ、もう一度”スパーク”でクーデルを麻痺状態にする。


 「ぐっ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 断末魔となった悲鳴はまたもや街中に響き渡り、リサは石畳に横たわっていた彩香を”ホーリーヒール”で状態異常も含め治療していた。


 治療も無事に終え、リサの膝枕で彩香は声を唸らせていた。


 (私を置いて行かないで……お願い……)


 彩香は心の中で何かを追いかけているようで、リサは彩香の過去に何があったのかを読み取る。


 「大丈夫ですよ。誰もあなたを置いて行ったりしません……あなたはホワイトブラッド騎士団の団長でしょ?あなたほどの腕の持ち主でしたらきっと着いてきますよ」


 リサは微笑を浮かべながらうなされている彩香の頭を撫でながら励ましていた。その姿は二次元の美少女のように美しく綺麗で、三次元の女性では到達できないほどであり聖女そのものであった。


 「リサ、この子が目を覚ましたらこの男に今まで行ったこと悪行を自白させたいんだけどいい?」


 「はい、街の人に行った悪事は私としても許せませんからね」


 「この二人、鬼だな……」


 ジョセフとリサのやり取りを聞いていた和泉は溜め息を吐きながら苦言を呈する。


 「僕もそう思うよ、リサさんは仲間内とかには優しんだろうけどジョセフ同様命を狙う敵に関してはかなり冷徹なんだろうなと思うよ……」


 「ジョセフは元々が不良だからなのかやることがエグイ……俺が倒したクーデルを自白させるとかほぼ拷問だからね」


 裕二はジョセフとリサの人間性を把握し、和泉とそのことについて語り合う。


 ジョセフのやっていることは傍から見れば確かに拷問しているように思われても仕方のないことではあるのだろうが命を狙ってきた以上は情けをかけると自分自身を殺してしまうことになる恐れもあり、修行の旅をしていた経験からか命を狙う敵には一切容赦をしないことを徹底することになったのだろう。


 それを理解したうえでリサもジョセフと共に行動をし、婚約までしているわけでご都合主義のようにハーレムを築き仲間から慕われているジョセフには何かしらカリスマ性があるのかもしれない。それは神様から力を授かったラノベ主人公のような圧倒的な強さに惚れる女性が殆どだが、ジョセフの場合はラノベ主人公と違うのは神様から力を授からなくても日本にいた頃から舐められないようにするために体を鍛えてジョセフを虐めていた不良を返り討ちにしたりと実行していたり、他人にも思いやりを持てることがジョセフに惹かれる理由の一つなのかもしれない。


 「……んっ、こ……こは……?」


 「目が覚めましたか?」


 彩香はリサの膝で目を覚まし、何故自分がこうなったのかを理解していなかった。リサの顔を見た彩香はすぐさま起き上がり、距離を置きリサのことを警戒した。


 当然の反応ではあるのだがリサはそんな彩香を見て肩を竦めながら溜め息を吐き、事の経緯を説明していた。


 「何故っ、私を助けたの?私はあなた達の敵よ?」


 彩香は所々疑問形でリサに尋ねる。


 「助けるのに理由がありますか?強いて言うなら私はあなたを敵だとは思えなかったからです。それではいけませんか?」


 「……いえっ、そうなんだ……」


 リサの発言に対してポカーンと口を開けながら彩香は茫然と佇み、リサとの戦いで死を覚悟していたはずなのにこうして五体満足で石畳に立っていることに違和感を拭えずにいた。


 「敵じゃないというのならどうしてホワイトブラッド騎士団と戦いなんてしていたの?」


 「やっと聞く気になりましたね。ジョセフ様が今からそちらの騎士団員を連れてきますのでその方に聞いてください」


 彩香はリサに尋ねると、リサはクーデルを引きずりながら彩香の方へと向かっているジョセフへと視線を向ける。


 「……ぐわっ!」


 「クーデル!」


 ジョセフはクーデルを片手で彩香の方へと投げ、クーデルは宙を舞いながら石畳に尻持ちをつき、彩香は驚いた声を上げる。


 「ちっ……違うんです、団長。この男達が我々に喧嘩を――」


 「この手は使いたくなかったが自白してもらう……」


 左手に”スパーク”を纏わせ、人差し指と中指でクーデルの頸部を突き、クーデルは洗いざらい自分達が行ってきた悪行を団長である彩香に自白する。


 「私達は魔王軍を討伐しているホワイトブラッド騎士団であることをアピールしてタダで飲み食いをしたり街の人々に横柄な態度を取って多大な迷惑をかけていた所をこの男達に見られてしまい、あそこにいるガキに決闘を申し込んだのが事の発端です……」


 「……………………」


 全てを自白したクーデルに沈黙した彩香は腕を組み仁王立ちで殻中を震わせながら土下座していたクーデルを見下ろしていた。


 「クーデル」


 「はいっ!」


 クーデルは返事をした後顔を上げると、彩香はクーデルを睨んでいた。その姿はゴミを見るような目で、クーデルは彩香の目を見た途端街の人々に悪行を働いていた人間とは思えないほどに縮こまっていた。


 「あなたは魔王軍討伐の為に結成されたホワイトブラッド騎士団の名に泥を塗っただけでなく、他の騎士団員達を連れて街の人達に悪行を行っていたことは許されることではないわ。よって、あなたは今日からホワイトブラッド騎士団の名を名乗ることを禁じます」


 「そんな……今まで行ってきたことは全て償います。何でもしますから私にもう一度チャンスをお与えください!」


 クーデルは彩香の足に藁をもすがる思いで泣きじゃくりながら懇願していたが、彩香は細剣を鞘から抜きクーデルの首元に細剣を突きつける。


 「あなたのような人間は必要ありません、早く私の目の前から消えなさい。さもなくばあなたを団長として殺しますよ」


 「ひっ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」


 クーデルは全速力で悲鳴をあげながら走り去り、その姿は騎士団員というよりは異世界ファンタジーの主人公にやられる序盤の盗賊のようであった。

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