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神様の手違いで異世界転移させられた俺はハーレム生活充実になりました  作者: 桐ヶ谷スバル
第一部 愛を取り戻した転移者 第一章 転移者とワトソン王国
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第10話 日本からの転生者

 草凪誠くさなぎまことと言う男は、見た目はごく普通の優しい学生であったが父や祖父、親戚のコネを使って、暴走族を壊滅させたり不良を脅迫したりするなどの裏の顔を持ち合わせていた。


 それを見てサイコパスだの人間の屑、独裁者と称するものもいるが誠にとっては自分の正義を貫き通しているだけなのだ。


 勿論そういうコネを使った制裁は善良な一般人に加えることはなく、不良や暴走族等のチンピラ集団に限ったことだった。


 中学3年時には叔父と祖父が亡くなっており、「誠よ、どんなことがあっても自分の信念を貫け!そして、《《清く正しい人間》》になれ!」という教訓を守っているだけだったのだ。


 ただそれだけの理由でコネを使って不良達に過度な制裁を加えるのはどうかとは思うが、その不良達は友人の女性友達が暴行を受けてしまい、それの仕返しをしようと女性友達の彼氏がタイマン勝負を持ち掛けたのだが当然不良は約束なんて守る筈もなくその彼氏を集団でリンチにしたのだ。


 誠は静かに怒り、その不良達を当然ながらコネを使って制裁を加えたんだけどそのやり方がまた異常すぎた。


 不良達は全員全裸になっており気を失っている、これは草凪がやったのではない。

 

 これは全て誠の挑発に乗り勝手に特攻して自滅しただけなのだ。


 誠はリーダー格の不良のスマホを取り出し、写真を撮ったり写真フォルダを開き今まで行ってきた悪事の証拠となる写真と動画をSNSや学校、不良仲間のライングループに拡散していた。


 「僕を本気で怒らせたらどうなるか分かるよね?これに懲りたら僕の友達に一切手を出すんじゃない」


 「てっ、てめえ…それでも人間か?」


 「君だって今まで同じようなことをしているだろうによくそんなことが言えるもんだね。僕の友達は君よりもひどい仕打ちを受けているんだよ」


 誠は不良達をゴミでも見るかのような目で見降ろしながら去っていった。


 それからというものの、その不良達は拡散された画像のせいだからなのかどこか遠い町にでも引っ越してしまっていた。


 「ありがとう、草凪君…」


 不良の被害を受けた友人のカップルは草凪に何度もペコペコと謝り続けていた。


 「僕は何もしていないよ。あいつが勝手に自滅しただけで」


 そうだ、誠は何もやっていない、やったのは全てコネの力で呼んだ人たちがやってくれたのだ。誠の家は超絶金持ちで祖父は空手か少林寺拳法の道場なども開いておりそのお弟子さん達は素顔を隠し不良達に必要以上に制裁を加えたのだ。


 そして誠は《《自分の正義を執行》》しただけだ。


 そんなこんなで高校生になった誠は神の手違いにより、雷を落とされ死んでしまったのだ。なんとあっけない人生だ。これも草凪誠の今まで行った行為への報いなのか、それは神様でないと分からない。


 またこのテンプレ展開かよ!と思う方も沢山いるだろうがこの神様は手違いで雷落としたり異世界に転移させたりとかなりいい加減な一面が伺える。それを考えたら異世界ファンタジーを満喫したいなんて思えないだろうなあ。


 「すまないがワシの手違いで死なせてしまったためお詫びに向こうの世界ですぐに死なないでいいようにお主の身体能力などを諸々底上げしておくから許して…」


 「はぁ?別に貰えるものでしたらありがたくいただきます」


 誠は物静かな態度で達観としており神様からのプレゼントを素直に受け取ることにした。


 「お主、中々礼儀正しいのう、ワシはてっきり怒られるのかと思ったよ…」


 神様も綾野丈こと本名ジョセフ・ジョーンズという少年の一件があってかなり日本人転移、転生者に関しては慎重になってしまったのだ。


 「僕は別に死んだ実感なんてありませんから気にしないでもらっても大丈夫ですよ」


 「以前にも異世界に転移させた少年がいたんじゃがかなりのせっかちさんでの、特別な力も何もいらないからさっさと異世界に転移させるんならやってくれと言われたから少し傷ついていたのじゃよ…」


 誠はその話を聞いて神様ってのも楽じゃないんだなぁと感心しており、そのまま異世界へと転生されてしまったのだ。


 目が覚めた時には初めての異世界に戸惑いとワクワク感でいっぱいだった誠は何時間も草原を走り続けてていた。


 「これが異世界かぁ、景色も空気も綺麗でまるでファンタジーの世界に来た気分だ」


 誠が涼しい顔で歩いているその時だった。


 「おい兄ちゃん、金目のもの出せや」


 「すみません、僕はお金を一文も持ってなくて…」


 誠は日本にいた頃の通貨を持ってはいてもこの世界の通貨を持ってはいなかった。


 「持ってないだとお?それならテメエの身ぐるみでも剥いでやるぜぇ!」


 チンピラに絡まれた草凪は頭の中でこのチンピラをどのようにして倒そうか考え込んでいた。


 今まで戦わずにいた草凪だ、戦闘能力は低い筈なのだが、チンピラが武器を振り下ろした隙に後ろに回り込み、手刀で気絶をさせた。


 誠はチンピラからこの世界の通貨であろうものを財布から何枚か取り出し、逃げるように街のある方向へと向かっていった。


 「さっきの攻撃、どうして僕にあんなことができたんだ?これが神様から底上げしてもらった力なのか?だとしたら最高だ」


 誠は自分の力に酔いしれ、チンピラから拝借したお金を確認した。


 どうやらお腹がすいてしまっていたようだ、当然朝から何も食べずに転生しているのだから空腹を抑えきれない。


 「すみません、この財布の中にあるお金で買えそうな物ってありますか?」


 近くに屋台の店があったため、誠は財布に入れたお金を店員に見せていた。


 「ん~っ、お客さんもしかして文字が読めなかったり?」


 「はい…財布にあるお金でありますかね?」


 「あるよ、ほら銅貨3枚貰うね」


  店員は誠の財布から銅貨3枚を取り出し、リンゴを購入することができた。

 リンゴをかじりながら街の中を歩いていると、甲高く叫ぶ女性の声が聴こえた。


 「ちょっと話が違うじゃないの!」


 「なぁにが違うってんだ?」


 「この珍しい薬草を金貨1枚で取引してくれるって言うから見つけたのに銀貨10枚ですって?」


 「文句でもあるの?期限よりも遅くに持ってきたお嬢ちゃん達が悪いんじゃあねえか」


 「だからその期限は今日までって最初に依頼した時に言っていたじゃない!」 


 どうやら、2人の少女は詐欺にあったみたいだなと思った草凪はすぐさま少女達の方向へ向かっていった。


 「すみません、その薬草って金貨1枚なんですか?」


 「あっ…はい」


 「それなら僕が買います」


 誠は少女にポケットから財布を出し中から取り出した金貨1枚を気の強そうな少女に手渡しする。


 「このガキ、割り込むんじゃねえぞ!」


 「いやだって、あなたがいらないって言うものですからてっきり……」


 男はナイフを取り出したがこの動き、間違いなく素人だな。そう誠は実感し、男の動きを予測しながら行動をすることにした。


 ナイフで誠を突き刺そうとした男は動きに隙がありすぎたからなのかすぐさま転んでしまい落したナイフを蹴り捨てられてしまい反撃することもなく逃げて行ってしまった。


 「大丈夫でしたか?」


 「ええ、貴方のおかげで無事になんとか…」


 「自己紹介がまだでしたね、僕は草凪誠、誠って呼んでください」


 「マコト?珍しい名前ね、私はリンよ。そしてこっちが妹のトキよ」


 「と…トキです。」


 (トキか…お姉さんと違ってかなりぴゅあな感じがして可愛い)と思った誠は彼女達と共に行動をするようになり、とても仲良くなっていた。


 それから誠はトキ、リンと一緒に冒険者組合で登録を済ませ俺TUEEEE、チートで無双して楽しいハーレム生活を送っていたのだ。


 トキ、リンと共に冒険者になってからかれこれ1週間が経ち、誠は魔法が使用できるトキに魔法を教わることになったのだが、草凪は使用できる適正魔法が全く分からなかったため、属性魔法を確認したところ、なんと全属性の魔法の使用が可能であることが判明し、取り敢えずトキが使用できる水、炎、風属性の魔法は全て習得することにした。


 「ま…誠さん、凄いです!」


 「そっそうかなぁ?」


 草凪は何も考えずに魔法を発動していたらコップから満杯になってこぼれる水のように勢いよく出てしまっておりその魔力の量にトキ達は驚いていたのだ。


 そんな誠の凄さに驚いたリンは誠に尋ねる。


 「誠、あんた魔法剣士でも目指してたりする?」


 「いや、特に考えたことなかったなぁ…」


 誠は魔法だけでなく剣の技量も神様のおかげで強化されており、それを自分の力のように振る舞っていた。


 オタクなら確実にウザがるような態度で可愛い姉妹を連れて冒険していることをよく思わなかった同業者はトキたちがいないところで草凪に闇討ちしようとしたりしていたけど逆に返り討ちにされたりと草凪の制裁は日本にいた時のように限度を超えていた。


 まずは返り討ちにした同業の意識が飛ぶくらいの強力な風魔法で街から森へ吹き飛ばしたりとかなりやばかった。


 「誠、どこに行ってたのよ?早くクエストに行くわよ!」


 「ごめんごめん、ちょっとトラブルに巻き込まれちゃって…」


 誠は馬車を借りて公爵家に手紙を届けるのが今回のクエスト依頼であった。


 公爵家までは馬車で1日程度かかる距離でこの辺り一辺は魔物の出現などもあるため冒険者に頼んだ方がかなりの確率で信頼できるみたいだ。


 そんなこんなで公爵家まで無事に辿り着き、手紙を渡すことに。


 だが公爵の屋敷の中はとても不穏な空気が漂っていた。


 理由は公爵婦人が何者かに毒を盛られてしまったため、国王陛下夫婦と王女様もお見舞いに来ていたのだった。


 「お母様ぁ~!」


 公爵の娘は大声で泣き叫んでおり、王女様はただ慰めることしかできなかった。


 「ねぇ、誠なら毒も治せるんじゃない?」


 「何?妻の容体をなんとかできるのか?」


 「ぼっ、僕でよければなんとか…」


 誠はトキから貰った魔法の書をペラペラッとめくりながら解毒魔法を探すが全ての異常な状態から回復する魔法を見つけ、公爵婦人に初めて使う魔法を唱えることにした。


 魔力はかなり高いからその分解毒の効果も倍増していたからなのか、一気に容体が回復しており、公爵とその娘、国王陛下と王女は深々と草凪に頭を下げていた。


 「ありがとうございます、このお礼は必ず…一生掛かってでもお返しします!」


 公爵婦人は誠に涙ながら感謝の言葉を述べていた。


 毒のありかを確認したところ料理長に成りすました男が犯人であることが発覚し、その男は当然公開処刑することになった。


 それから誠は公爵の娘と王女と婚約することとなったが二人とも年齢が14歳と日本ではまだ結婚するには早い年頃だ。


 公爵の娘の名前はマギー、王女はレイラでマギーはとても高飛車でわがままな性格でレイラは礼儀正しいお姫様だ。


 誠のパーティにはトキ、リン、レイラ、マギーと共に冒険者としてこれからも活躍していくのだった。


 こっちのハーレムはジョセフとは違い草凪誠も満更ではないようでかなり充実だった。


 これから誠がジョセフの異世界人生を変えることを誰も想像などしていなかった。

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