念願の
鶏肉は醤油ベースに味付け完了、後は油で揚げるだけ。
味噌汁もあとはまた温めれば湯気の立つ熱々が飲める。
さてと、残りは熱々の白米。
これさえあれば久しぶりに心踊る飯が食えるわけだが……。
米の炊き方なんてさっぱりだ‼︎
なんせ、今までは炊飯器に米と水を入れてスイッチを入れるだけだったからな、火をくべて炊き上げるなんてやり方なんて知らない。
学校で教わった気もするが覚えてない!
割と仲のいい東の国の出身の英雄は今ダンジョンの中だし、どうすっかなぁ。
米を無駄にしたくないから炊いてみようとも思わないし、今日は米なしで食べるしかないか。
でも、白米とセットで食べたいんだが。
うーん、どうしても諦めきれない。
外出許可もらって町で探してみるか?
そうと決まればデューのことに行ってみるか。
デューを探しているとズワルトに会った。
ズワルトでもいいか。
「あ、ズワルト。ちょっと外出許可もらいたいんだけど」
「構わないけど、理由を聞いておこうか」
人間が人間のいるところにいくわけだからそこまで警戒する必要もないらしい。
ま、魔物側にいるたって俺の知る情報は、魔物が案外いい奴だってことと、ここに出入りする英雄や勇者のことくらいだ。
「魔王さんに米を手に入れてもらったんだけど炊き方が分からなくてさ、東の国出身の人を探したくて」
「それなら出身にこだわる必要はないんじゃないかい?」
ズワルトが言うには勇者や英雄たちは各地を旅していることが多く、意外といろんな場所の料理とかも知ってたりするらしい。
常に重いものを持たずに済むように現地調達するから、結構調理法とかは詳しいとか。
なんでそんなことをズワルトは知ってるんだ?
「ああ、それはダンジョンの中で見るからね」
「あー、そういう……つーか心読むなよ」
「君は分かりやすいから」
ま、ズワルトは嘘とか見抜けるっぽいしそんなもんなのかな。
「町まで行くのは意外と面倒だし、ここで見つかりゃいいな」
「相変わらず物怖じしないんだね」
「まぁな」
受付まで行くことした俺の背中越しにズワルトが独り言のようにこぼして、俺はそれが当たり前だとでもいうように振り返ってニッと笑った。
前世の記憶と今世の人生のせいか、魔物を恐怖の対象とは思えない。意思疎通出来ないのは除くけどな。
さてと、知ってる奴がいればいいが。
聞くならダンジョン帰りの勇者たちだな。




