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境界線の先の僕らにしか見えない隣人  作者: 伊勢海老
【第二章】赤い糸のおまじない
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第39話

『オッケー、私が巻き込んだ様なものだしね。何か分かったら連絡する』


「···うん、ありがとう」


麗奈との通話を終え、不安そうに祐介は佐倉に向き直った。


彼はいつの間にかマシュマロを食べ終えた様で、ターゲットをバームクーヘンに変えている。八等分切り分けられた欠片にフォークを突き刺して口に運んだ。


「本当にこんなので大丈夫なの?」


「多分。それにしても盲点だった」


今回の問題の原因は人間だという事を念頭に置いていたが、【彼を憎んでいる人間】ばかり探していて、【彼に強く愛情を持つ人間】を佐倉はすっかり見落としていた。


それを思うと、術者が【呪い】の意図で熊のぬいぐるみを贈ったかも怪しい。呪詛が本来の目的ではなく、メカニズムの問題で副産物として発生してしまったのではないかと思い至る。

呪詛其の物は彼の言う通り、とっくに解けていたのだ。首の傷が良い例だろう。


術者探しは噂話に縁のある麗奈に頼る事にした二人は、ぬいぐるみに施された本来の意図を突き止める為に動き出す。

佐倉は寝室からノートパソコンを持ち出すと、祐介にも見える様にテーブルの上に置き、検索エンジンに怪しげな単語を打ち込んだ。


【一人隠れんぼ】【呪い】【赤い糸】【おまじない】


思い浮かぶありったけのキーワードを検索に掛け、目を皿の様にして文字の連なるディスプレイを注視し、幾つものサイトをブラウザで立ち上げ、読んでは消す作業を繰り返す。時間の経過と共にテーブルの上にあった菓子の山が徐々に少なくなり、ゴミ箱には空になった菓子の箱が増えていった。


深夜に差し掛かりそうになった頃、うんざりするくらい膨大な作業で目が滑っていた祐介に佐倉はストップを掛ける。どうやら遂に見付けたらしいそれは、随分古い個人サイトの様だ。更新は5年も前に停まってしまっている。


時代遅れなフォントで『恋に効く☆おまじない』と飾られた項目の中の、【赤い糸のおまじない】をクリックすると出てきた見覚えのある画像に佐倉は目を細めた。

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