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『死ぬことなんてなかった?そうかな?そうかもしれないね』

作者: 文月優

 大人は辛い。じゃあ子どもはどうだ。10代、20代、30代の死亡原因の1位はずっと自殺だ。自殺がその椅子に座り続けている。厚生労働省のサイトに載ってるから、もし興味がある人は見てみるといい。その資料を見て私は大して驚かない。無感動にそれを眺めている。まあ、あたりまえだよね。そんなこと、ここまで生きてきたらわかっている。貴方もきっと生きてきたなかで、色々経験してきたはずだ。嫌なこと、耳を塞いでうずくまったこともきっとあるだろう。当然私もある。生きるってそういうことだ。大人も子どもも、この世界で生きるのに必死だ。日本はこんなにも豊かで、こんなにも自殺で死んでいる。もっと貧しい国や紛争が起こっている国の話はよそう。私は、日本の話がしたいんだ。私は専門書を読みふけったわけでもない。専門家でもない。だから、私の思ったことを書こうと思う。それを書く自由は私にも貴方にもある。突然だけれど、お腹を空かせたライオンの前にウサギがいます。さて、このウサギはこの後どう行動しますか。動かない?食べられに走って行く?うん、きっと違う。逃げるよね、脱兎のごとく。逃げないと食べられちゃうよ、きっと死んでしまう。こういう時は逃げたらいいんだよ、生き物だったら逃げるよね。私だって当然逃げる。だけど人間はどうかな。逃げたいよね、けれど逃げられないこともあるよね。そう、人間はこういう状況に追い込まれても逃げない、という選択肢を取らざるをえない生き物で。子どもも大人も、それはきっと変わらない。逃げたら良いんだよ、けれど逃げられないよね。いじめられて、怖くて。心臓がばくばくいってる。学校に近づくだけで、肌が粟立って、呼吸は浅くなって汗が噴き出してくる。こんな状況でも、学校にいかなくちゃ。だって、学校には行かないといけないから。行きたくない、そう心から願っても。家に帰ってそれを伝えても、親は理解してくれない。「中学校も、高校もでないで一体これからの人生はどうするんだ」とか。「こんなことは長く続かないから我慢して学校は卒業しよう。学生時代なんて、長い人生の中でほんの一瞬の出来事なんだよ」だとか。「こんなことも耐えられないのに社会に出て行ったら死ぬぞ」とか。不安になることばっかりで。鉛のような足を引きずって今日も学校に行くんだよね。物がなくなって、陰口を言われて。ぼろぼろになって、解ってるはずなのに先生もなにもしてくれなくて。教室内の雰囲気を乱してるのってもしかして私がいるからなのかな、なんて考えて。誰も私を理解してくれなくて、どこにも私の居場所はなくて。苦しくて、しんどくて、泣きそうで。けれど誰も私の気持ちを分かってくれない。疲れちゃったんだよね。どこにも居場所はないし、どこに逃げたらいいのかな。最初から逃げ場なんてないんだよ。彼ら、彼女達には。大人もきっとそれはどこかでわかっていて。けれどこんなのどうしようもないじゃないか、なんて言い訳して。


 今日もどこかで行ってはいけない所に逃げ出している人達がいる。そっちに行ったらもう、もどってこれないよ?なんて私は言うけれど、私はその人たちが羨ましくて。一歩踏み出せば、どうなるのかな。私も自由になれるのかな。けれど私はまだそっちには行けない。まだ、やり残したことがあるから。そっちには行けないけれど、逃げ場がない人はそっちに逃げるかもしれない。逃げざるを得ない。だってその人達にとってそこは唯一の逃げ込める場所だから。だから、私は想うんだ。もっとたくさんの逃げ出せる場所がその人たちにあったら。避難場所があったら、そんな痛い思いをしなくてもいいんじゃないかなって。死ななくても済むんじゃないかって。日本は悪いところも、良いところもある。その悪いところをしっかりと考えて改善策を打っていけば、いつか1位の座に居座っているあいつを引きずり下ろすことができるんじゃないかって。出来ないっていってたらできないよ。だから、私は思う。きっとできるって。


 生きるって本当に嫌なことばかりだ。けれど、嬉しいこともある。その嬉しいことを一つずつ、一つずつ拾っていこう。いつかできるだろうか。嬉しいことを積み上げた咲きの光景は、一体私に何を魅せてくれるのだろう。私はそれが、楽しみでならない。


 途中まで読んでくださった方も、最後まで読んでくださった方もありがとうございました。誤字だと思うでしょ、誤字ではないんです笑。子どもって大人が思ってるよりも、とても弱くて儚い存在なんですよね。だから突然いなくなってから後悔する。けれど彼ら、彼女達にとっては、そこが唯一の逃げれる場所なんでしょうね。日本の学生で自殺について考えたことがない人はいるのでしょうか。私みたいな出来損ないの人間はちょっと片手では足りないくらい考えました。けれどできないですよね、やっぱり怖いし、痛いし。けれどする子は、するんです。良い悪いじゃない。もういいかって、疲れたって。思い詰めて一線を踏み越えたら、もう戻ってこれない。そんな場所に行ってしまう。一生懸命頑張って、力尽きてしまう。

 これ以上書いたら後書きが本文になってしまうので、書きたいけれど置いておきます。もしよければ御感想・御意見あれば感想欄にお願いします。初めての方も、常連さんも是非。意見がなければ、それはそれで結構です笑。

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― 新着の感想 ―
[一言] 私達は世間体にがんじがらめに縛られています。 縛られていると思っています。 本来は生存の為の行為である逃走が、過度に甘えを抑止しようとする社会によって妨げられている。嫌なものです。 逃げた先…
[良い点] お誕生日を迎えられたばかりの若い文月優様が死について考えるというところ……考えさせられます。 人間は生まれてくる自由もなければ死ぬ自由もない、ということも言えませんか? 時代、場所、DNA…
[一言] 自殺の問題というよりかは、いじめの問題ですね、若い世代に関しては。 いじめに関しては、けっこう「島国」における村社会特有の問題だとも聞きます。 フランスなどで、いじめの問題にどう取り組んで…
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