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第九十六話 新型ゴーレム

mobiponさんのアイディアを元に書かせてもらいました。アイディア感謝します。


 屋敷の防衛力を砲火力で高めることに成功していたが、フェンチネルで築いたクリエイト商会の人脈を使って魔王軍の戦力を算定していったが、最大動員数は十数万、自走式や据え付け式などの火砲も多数所持していることが判明した。そのため、万が一魔王軍が全力でこちらに攻め込んでくれば、現在の防衛力では押し切られる可能性が高く、更なる自衛能力の向上を目指すことにした。


 そこで、新たに防衛型の巨大ゴーレムである門番君シリーズとは一線を隔した新機軸のゴーレムを製造することにして、クリエイト商会の伝手を利用してレア素材をたっぷりと集めていった。


 そして、そのレア素材を使い、ゴーレム生成器で新たなゴーレムを創り出す事にした。


「さてと、新型ゴーレムは機関出力となる魔結晶をかなりレアな素材である極大魔結晶を使うから、かなり出力に余裕を持たせられる。門番君シリーズは火力防御型に特化したゴーレムで移動力がかなり低いし、鉄人形隊は文字通り普通の兵隊代わりだからな。新機軸のゴーレムは強襲駆逐型で動きが早いのにしていこう」


 俺は新たに完成していた作業工房内に作られた高さのあるゴーレムのメンテナンスルームに据え付けられた生成器の前でひとりごちる。ゴーレム製造に関しては俺以外は誰一人門外漢であるため、相談できる相手がいないのだ。


 なので、ルシアの愛情たっぷりの夕食後に工房で一人作業に勤しんでいるのだ。


「この極大魔結晶を使って、内骨格フレームはこの世界で一番硬いアダマンチウム合金製、ボディは真銀製にして少しでも軽くするか、その分高価になるけど、試作機だしね。贅沢仕様にしてみよう」


 ゴーレム生成器のメニュー画面を弄っていく。機関出力の項目に手に入れた『極大魔結晶』を選択すると、今まで見たことがないほどの出力数値が表示されていく。 ゴーレムは機関である魔結晶を守るための内骨格フレームと外装ボディにより形成されており、内骨格フレームにアダマンチウム合金、外装ボディを真銀製として軽くて強靭な物にしていく。門番君シリーズは大仏みたいな人型のゴーレムに外装を固定していたが、せっかくの新規開発のゴーレムであるため、外装も一新することにした。


 新型機の外装デザインは戦国期の甲冑武者をイメージして作成していく。高さ一〇メートルの甲冑武者は前立てにこの屋敷から発せられる自立防衛システムからの指示を受信できるように大きめの角型アンテナを装備し、屋敷周辺を縦横無尽に駆けまわれるようにしておいた。未武装のゴーレムの素体時点で既存の門番君シリーズの素体に比べ、機関出力余力五〇倍以上の余力が残されている。そのあり余る出力で機動力を向上させる魔導輪を脚底部に仕込み、歩いて移動させるのでなく、魔導輪を転がして整地された場所を走るように改造しておいた。


 この魔導輪を組み込んだことで、整地における移動力は門番君シリーズに比べると格段に向上し、シミュレーション上では時速80kmで整地を駆けることができるようになっていた。


「やべえなこれ。早すぎるだろ一〇メートルクラスのゴーレムが時速80kmで移動するなんて……」

 

 メニュー画面上のシミュレーターで動く角付き甲冑武者がトンデモ能力を発揮している。


「とりあえず、次は武装だな。近接武器は甲冑武者に合わせて刀にして、手甲部に杭打ち(パイルバンカー)機構を仕込んで、巨大な魔物の首を打ち抜けるようにしておこう。なんか、すげえ楽しくなってきちゃぜ。まだ余力あるなぁ。遠距離武器かぁ……」


 画面上では高硬度大太刀と杭打ち(パイルバンカー)機構を仕込んだ角付き甲冑武者が、架空の魔物と戦闘を繰りひろげていた。まだ、余力が多数残っているため、更なる武装強化をしていく。外部動力とチェーンによる結合で機関部を動作させるという方式の射撃機構をもったチェーンガンである三〇ミリ機関砲を甲冑の肩部に垂れさがる大袖の内側に仕込み、背部に組み立て製の無反動砲を二丁格納し、脚部フレームに格納する形で中折れ式の大型ショットガンを搭載することとした。こうして、シミュレーター上の甲冑武者は機動力と殲滅力を余すことなく発揮して架空の魔物を次々に屠っていた。


「俺、トンデモないゴーレムを作っちゃったかもしれないな……」


 シミュレーター上には紅い大きな角型アンテナを持ち、白銀に光る甲冑武者が泰然と佇んでいた。カッコいい、我ながらなんという造形美の戦闘ゴーレムを作成してしまったのかと、自らの才能に恐れおののいてしまっていた。


 こんなカッコイイゴーレムが存在していいのか……否、存在させなければならない。


 このゴーレムを現実化させるために消費される素材の数々を見ると、門番君が五体は建造できる量になっていたが、このシミュレーター上に映し出されたゴーレムを実現化させる選択をメニューを選んでいく。


 >このゴーレムを生成しますか? Y/N


「し、試作機だからいいよね。こんなのを量産化した暁には素材がいくらあっても足りないし……ハイスペック強襲駆逐型ゴーレムのデータ収集用としてだからいいよね」


 投じる素材のレア度の高さと多さに『YES』の選択を選べずに躊躇してしまう。このゴーレムを作るより、既存の門番君を拡大発展させたゴーレムを多数作って配備した方がいいのではないかとも脳裏によぎっていた。


 だが、作りたい……しかし、予算と資材が掛かり過ぎる……ルシアの命を守るための貴重な素材を趣味丸出しのゴーレムに投じていい物だろうか……。


 俺は悶々と工房内で唸っていた。


「ツ・ク・ルにーはん!!」

「はやぁああああぁあっ!?」


 急に誰かに声を掛けられて、思わず『YES』を意識してしまい、ゴーレム生成が承認されてしまった。


 ファッーーーーーーーーーー!! 押しちゃった! 押しちゃったよ! 


 ボフッ!


 白煙がメンテナンスルームに広がると、シミュレーター上で動いていた赤角を装備した白銀の巨大甲冑武者ゴーレムが目の前に生成されていた。


 か、かっこいい。カッコ良すぎる。なんという造形美……あぁ、尊い……。


 語彙力を無くした俺は作り出されたゴーレムを拝むように手を合わせて祈っていた。


「ツクルにーはん……何してますん? それにしてもえらい派手なゴーレムさん作りはったね。うちは門番君の方がずんぐりとして結構好きなだけどなぁー」


 俺を驚かせてゴーレム生成の決定をさせた声の主はルシアだった。


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