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大好きな日常系アニメの中に転生したようだが  作者: しんしん
バージョン1.01
49/77

花火大会①

8月9日。


 最近は金太郎鉄道をしたりPT5の初期ソフトをやったり、FSO14のクエスト攻略を眺めたりと、なんだかゲーム&ゲームな毎日を過ごしていた。社畜の時もたまにゲームはやったが、移動中のスマホゲーがメインでここまで腰を落ち着けて遊んだのはいつ振りだろうか? 完全に樹木じゅもくのせいだ。


「おーい昼だぞー。飯いらんのかー?」


 自分の部屋で爆睡している樹木に声をかける。昨日は遅くまでFSO14をやっていたのはよく知っている。


「お“ ぎ る”~~~~~」


 全部濁点だくてんの苦しい回答。かなり眠いらしい。ただ腹の減りには勝てないのか、ちゃんと起きてくる意志はあるようだった。


 今日の昼食はロールパンだ。たまには違うことをするかという意気込みとともに自作した。味見をしたが、なかなか上手く焼けている。これならパン屋になれちゃうかもなあ、なんて小学生並みの想像力を働かせながらウキウキしていたところだ。

 

 正直なところ、時間がかかり過ぎて、買った方がいいなとも思ってしまった。1次発酵とか2次発酵とか時間がとにかくかかる。ここで書ききると『パンの作り方』の回になってしまうのでここまでにしたい。


「お“お” じょがん“がす”ごい“い”。あ“あ”~~」


 いつの間にか起きてきた樹木がパンを口いっぱいに頬張ってうなっている。いつまで濁点だくてんつけてんだ。


「明日は花火大会か~。ちょっと天気が怪しいんだよなあ。午後は雷らしい」


「もぐもぐ。ごっくん。花火大会には雨が降るもんだぞ」

「なんだそれ。なんかの言い伝えか?」

 

「花火や祭りの日に雨が降らなくてどうする。ラッキースケベな浴衣透過イベントが起きないじゃろ? なんのために花火大会に行くのだ?」


「花火を見るためだよ」

 

 間髪入れず答えてやる。発想がおっさんである。実際に樹木じゅもくのキャラはロリババア的な感じなので、おっさんに近いと言えば近い。

 アニメの世界といえど、ここは何も起きないひまわりデイズの世界。その心配は無用のはずだ。


「そう言えば、樹木じゅもくは浴衣はあるのか?」


「二日前に葵(佐藤芳佳)とゆう(・・)とオセロと買いに行ったぞ」


「え、そんな話知らないんだけど」


「いっひっひっ。内緒じゃからな。相当かわいいから期待しとけよ。樹木じゅもくちゃん一押しじゃ」


「おお……期待しとく」


 無駄に期待を上げてきた花火大会。特別事件は起きないだろうけど、まあにわか雨ぐらいは降ってもいいかなと思いロールパンをかじる。真夏の昼下がりだった。


 クーラーガンガンつけてるのにめちゃ暑いな……。


読んでいただきありがとうございます。

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