パーティーゲームをしよう②
ゲームの内容を確認しておかなくてはいけない。この『金太郎鉄道』というゲームの基本的な流れだ。まずゴールである駅が最初に提示される。そして、
・サイコロを振る。
↓
・出た目の数だけ進む。
↓
・イベントマスに止まる(お金の増減、カードの取得)
という流れを繰り返しながらゴールである駅を目指す。最初にゴールしたプレイヤーが賞金をもらい、一番遅いプレイヤーが罰を受ける。最終的に一番お金を持っていたプレイヤーが優勝だ。まさに老若男女誰でも簡単に出来る優良ゲームだ。僕達は3年間(ゲーム内時間)という時間制限でやることとなった。
ゴールは富山県の黒部駅に決まった。ちなみにスタートは東京駅だ。「黒部ってどこ?」という声がチラホラ聞こえるが、曲がりなりにも『地域研究部』という部員だし、せめて日本の地理は知っていて欲しい気もする。
まず1Pである樹木がサイコロを振った。出た数字は4だった。
「幸先いいのー」
と言いながら勢いよくカードの取得マスに飛び込んでいく。カードを制する物がこのゲームを制す。さすが樹木と言ったところだ。
『死神カード』を引き当ていきなり借金スタートはご愛敬だ。定期的にお金をぶんどっていく嫌なカードだ。
「なあああああああ」と唸っているが、名は体を表す。ずっと取り付いていただこう。
次は僕の番だ。1という数字が出た。隣駅に進む。億越えの物件が並び何も買えない。カードも買えない。とりあえずはこれでいい。
3番目は市井さんだ。なんと市井さんも1だ。そして僕と同じ駅を選択する。
「同じ駅だねっ」と市井さんが微笑んでいた。なんだろう、もう勝利した気分になってしまった。お疲れ様でした。解散!
4番目は佐藤芳佳だ。
「見てなさいよー」
とやる気満々の様子。そして、まさかの1。
「ええええー」という悲鳴と共に僕と市井さんとは逆の駅を選択した。黒部からは遠くなる選択だった。
「なんでそっち? どっちにしても物件を買えないのに、近い方がよくない?」
「な、なんか恥ずかしいじゃん! レンの隣を選んでるみたいで!」
またよく分からないところで恥ずかしがる。
「いや、僕の隣に来なよ」
「なんてっ!」
顔を赤くして口をモゴモゴしている。
「それは恥ずかしいセリフだよ、レンくん」
市井さんは口を両手で覆いながら言った。そんなに恥ずかしいセリフだったのだろうか……。
「だ、だよねー! 市井さんもそう思うよね!」
二人は分かち合うように両手を握って頷いている。二人にしか分からない恥ずかしポイントを踏んでしまったのだろうか。「隣に来い」が恋愛的な意味合いで変換されていまっているのだろう。とんだ恋愛脳野郎だ。
知らない間にサイコロを振っていた樹木は、『死神カード』が順調に進化したようで、魂が抜けたようにうつ伏せになって倒れていた。借金の億越え確定だった。お疲れ様。
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