パーティゲームをしよう①
「という訳でみんなでゲームやるよー」
何が「という訳」なのか全く分からないが、佐藤芳佳の提案によりゲームをすることになった。さっきの涙を返せや。
「がんばろー」
いつの間にか市井さんもいるし。家が近いゆえのレスポンスの速さである。
「負けた奴は罰ゲームだの」
樹木もノリノリだ。何やら見たことがないゲームハードをテレビに繋げている。SAGAの新作ハードだろうか?
「何それ? そんなの家にあったっけ?」
「コンデンドー nicchiだよー。コンテンドーの最新ハード。この間アップデートした時に樹木ちゃんからもらったの」
まさかのコンテンドーの最新ハード。コントローラーがちっちゃいな……。上手く使えるのかこれ。もはや樹木好みの世界になってる気がしなくもなくもない。
「で、何をやるんだ? みんなでやれるやつなのか?」
「ふふっ! これだよ! 『金太郎鉄道~令和バージョン~』!」
「あたしも知ってるよ。お正月に親戚とやった」
「な、なんだと! みんなでそれをやるのか! 戦争になるぞ!!」
まさかの金太郎鉄道である。超人気パーティゲームであり、友情クラッシャーと名高いそのソフトをやるというのか……。しかもみんなで……。全国の駅を回りながら金と不動産と魔法のカードを集め、その力で友達を殴り飛ばす。まさに資本主義的なゲームである。
「って令和バージョンって何?」
「さあ?」
「なんだろうね?」
佐藤芳佳と市井さんも首を傾げている。新しいナンバリングの方法だろうか。エピソードゼロ的な。
「平成が終わっただけだな。さあさあ始めるぞ」
樹木は楽しそうに名前を入力している。さらっと凄いことを言った気がするが、そこは最優先でアップデートをするべき案件ではないのかと思った。
懐かしい画面を眺めつつ名前を入力していく。間もなくプレイヤーが出そろった。
1P/しにがみ(樹木)
2p/レンレン(僕)
3P/ゆう(市井さん)
4P/ディーカップ(佐藤芳佳)
「ぷぷー、レンレンって変な名前っ」
佐藤芳佳が爆笑している。いきなりの挑発である。お前の名前がなんだよ、ディーカップって。まな板属まな板科の生粋のまな板人間じゃないか。
やはりこのゲームは荒れる。いいだろう! 叩き潰してやる!
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