久しぶりの部室②
ということで学校にやってきた。校門の前ではアルファこと佐藤英気が元気よく手を振っていた。夏休みの学校はやはり人が少ないが、部活のために登校している生徒達のせいか、青春的な熱量を感じる。青いね、青すぎるよ。
「おお! レン! 久しぶりだな! ひかりちゃんも!」
「アルファも元気そうだな」
「いえーい」と樹木とアルファがハイタッチをしている。お前らそんなノリだっけ。
7月のプール以来とはいえ、かなり久しぶりな気がする。夏休み前は毎日会っていたのだから当然か。『ひかりちゃん』って一瞬誰のことかと思ったが、樹木の学生名だった。双子の妹設定を忘れてはいけない。
「山田先生、かなり薄着だぜ! レンも挨拶してこいよ!」
「ほんとか!! 素晴らしい情報だ!!」
反射的に返事をしてしまう。元30代がこの程度のお色気要素でテンションが上がってしまうのが情けない。頭の中まで高校生に戻ってしまったのか、それとも男の頭の中だけは永遠に高校生のままなのか。
「ふう、ちょっとテンション上げすぎた。で、カギは借りたのか?」
「おっぱい見てたら忘れた!」
酷すぎるいい訳である。本当に挨拶に行っただけというか、おっぱいを見に行っただけというか。
「はっはっはっ! アルファは相変わらずだな!」
樹木が爆笑している。アルファも一緒に笑っている。部活で青春を燃やしている高校生に申し訳がない。おっぱいで爆笑する集団のせいで、この学校周辺の青春指数がマイナス値だ。
「分かったよ。山田先生にカギを借りてくるから先に部室で待っててくれ」
「いや、俺も行くよ」
「………………えっ?」
「いや、俺も行くよ」
「………………」
「いや、俺も行くよ」
「……一緒に行くか」
アルファの気持ちはよく分かった。高校生らしくとても純粋な心を持った男である。こいつはやはり信頼できるバカ野郎だ。
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