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大好きな日常系アニメの中に転生したようだが  作者: しんしん
新しい日常編
38/77

※異世界です

 エレベーターを使いサンシャインビルの展望室に向かった。


 曇り空一つない天気と、眼下に広がるビル群にぼくのテンションは上がりっぱなしだった。


「うっわー!!!高いねーーー!!」


 来る前はあまり乗り気でなかった佐藤芳佳だったが、展望室に着いてからはぼくと同様に気分が高揚し始めていた。やはり高い所というのは男女問わず気分を高ぶらせるものなのだろう。


「ねえねえ、私たちが住んでいるのってあっちの方かなあ?」


「そうかもな」


「別の所からも見てみようよ!!」


 そう言うと佐藤芳佳は小走りで移動した。


「ちょっと待て」


「早く! 早く!」


  *******************************


「来て正解だっただろ」


「まあね。思ったよりは良かったよ」


「くっそ楽しんでるくせに」


「えへへへ。見てみて、あそこのカフェでアニメコラボやってたから買っちゃった」


 何やらタキシードを来たデフォルメされたイケメンなお兄さんのキーホルダーを自慢げに見せてきた。


「知ってるアニメなのか?」


「知らない! でもすごくかっこいいよねー!! 来季やるのかな? 絶対見ないと!!」


 ニヤニヤとちょっと気持ち悪い笑を浮かべながらイケメンキーホルダーの身体を撫で回している。これは酷い姿だ。美少女声優だったとは思えない指使いである。まあ『ひまわりでいず』のフィギュアを楽しんでいた自分とあまり変わらないと言えば変わらない。


「帰りにアニメショップでも寄って帰るか」


「いいね!!! 私のCDを1000枚は買ってもらわないと」


「いやいや流石にそれは無理だわ」


「そっか。さすがに在庫ないか……。予約だね。予約して来週取りに来よう」


「金欠で生活出来なくなったらCD食うからな」


「あー残念。そのCDは食べられません。そのまま死んでください」


 笑いながらなんと冷酷な事をおっしゃる。


「自分で買えばいいだろ」


「残念。それはレギュレーション違反だ」


「なんのレギュレーションだよ」


「Mステ」


「Mステかあ。じゃあ、しゃあないな」


「しゃあないね」


 なんともくだらない会話だ。こんなに会話に時間を使ってしまっていいのだろうか。もちろん良くない。


 約束通り、帰りはアニメショップに寄った。流石に1000枚は買わなかったが、1枚は買ってあげた。その行動が佐藤芳佳には意外だったようで、子供のようにはしゃいでいる姿はなんとも可愛かった。


 そして、やはりと言うべきか、当然と言うべきか、『ひまわりでいず』のブルーレイがあったのだった。

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