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大好きな日常系アニメの中に転生したようだが  作者: しんしん
新しい日常編
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一人の日

 八月に入り、夏はさらに過酷さを増していった。今年は過去最高の猛暑日が続いてるようで、頼りにならないお天気お兄さんが気の抜けたクイズと共に『記録的』という言葉を連呼していた。


 オシャレよりも暑さ対策に特化したファッションに身をまとい(要するにTシャツ短パン、そしてサンダル)僕は駅に向かっていた。今日の僕は珍しく一人だ。


 こちらの世界に来てからは一人になることが難しかった。何かにつけて樹木じゅもくがいたし、マンションでは市井さんと顔を合わせていたからだ。サラリーマンをやっている時は簡単に一人になれた事を考えると、なんとも不思議な気持ちになった。


 さて話を戻そう。なぜ駅に向かっているかと言うと、今いるこの『ひまわりでいず』の世界と僕がやって来た『現実世界』との違いを見つけるためだった。


 この世界にやって来てから既に四ヶ月が経過していた。色々な場所にも行ったし、インターネットをはじめとした様々なメディアにも触れた。この世界が僕が元いた世界とほとんど変わらない事はなんとなくだが理解し始めていた。この世界を確か樹木は『用意した』と言っていた。


 要するに、どこまで『現実世界』と似ているのかを知りたくなったのだ。


 特別重大な任務がある訳でもない。ただの散歩のついでである。気楽にいこう。残念ながら今回は『レン散歩』だ。ヒロインの登場はない。


 とりあえずおれは『大手差』行きの電車に乗った。これの地名はアニメオリジナルだということは聞いた事があった。聖地も埼玉のどこかという話は聞いていた。ただ、ほぼ教室で展開されるこの物語に聖地巡礼も何もないのだ。


 ただ、この前プールに行った時に気付いた事があった。この電車は東京の池袋に繋がっていて、オリジナルの地名も本当に狭い範囲だけだという事だ。東京をメインに仕事していたのでその位は流石に分かった。


 40分程で『大手差』で到着すると、そのまま池袋行きの電車に乗り換える。ここでハッキリと『現実世界』が顔を出す。間違いなくこの路線は西武池袋線だ。


 乗り換えのため車両を降りた時、見慣れた顔が隣の車両から降りてきた。


 佐藤芳佳だった。


「ありゃ、偶然だねー」


 佐藤芳佳はがニコニコしながらこちらへやって来る。ちょっとおしゃれをしているようで、少し短めのスカートが気になって焦点が定まらない。


「芳佳こそどこいくんだよ。その……、おしゃれしてさ……」


 もしデートだったらと思うと、少し言葉に詰まってしまった。


「目がいやらしいなー。スカートチラチラ見て。あはは」


「やっぱり目線はバレるのね。て、どこに行くんだよ」


「ただの買い物だよ。そうだ。一緒に行こうよ。私も一人だし。どうせ一人でしょ?」

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