第3話 ライトウェルの町で。
「へー…………ここがライトウェルの町かー」
獣人の比率が若干多いが、大体の比率はおんなじだな。
町並みは、木造建築が多い和風スタイルってところか?懐かしい気もするのは、俺が日本人だからかもしれない。
露店が多いのも特徴だな。けっこう賑わっている感じがする。
俺はその中にあるライトウルフの串肉を二本買って、シルフィと屋台巡り兼町案内をしてもらうことにした。
「案外臭みが無くて食いやすいな…。これ」
「ライトウルフの肉は、しっかり熱を通せば柔らかくて食べやすいからね。でも、案外強いし、群れることが多いから、そんなに数が出せる訳じゃないのよねー…………」
「へー…………もきゅもきゅ」
こういう賑わっているところは苦手じゃない。
とはいえ……。
(ゲーム…………に近いが、そうじゃないな。どうやら、俺は…「テイルズゲート」に似た異世界に来たようだな……。どうしたものか)
「ふむ…………」
「どうしたの?」
シルフィがこちらの様子を伺ってきた。
「いや、何でもない。気にせず案内頼む」
「分かったわ」
とにかく、これからの方針だけでも決めておかないと。
それから、シルフィの案内が続いた。
冒険者ギルド、町役場、宿、道具屋、果ては職人ギルドまで。
意外と色んなことを教えてくれるシルフィに感謝しながら、俺達は様々な所を歩き回った。
そうそう、途中こんなこともあったな。
俺達が近道として裏路地を歩いていたときのことだ。
そこを歩いていると目の前に如何にも三下っぽいチンピラが少年に絡んでいたのが見えた。
「ーーあなたたち!そこで何をしているの!」
それを見たシルフィがいきなり怒り出したのは、びっくりしたな。
男もその凛とした声にギョッとして驚いたような目でこちらを振り返った。