1話 大滅
気が付つくとそこには、黒髪の女の子がいた。確か戦ってる途中で…思い出せない。すると、
「目が覚めたか。調子はどうだ?」
「ここは…?」
「心配するな。ここは城の医務室だ。」
とりあえず一安心できた。そう言えばあの大男は?戦ってた人たちは?
「爆発!!俺、あの爆発に巻き込まれて…」
「その事なんだが…あの爆発は君が引き起こしたと考えていいだろう」
!?俺があの爆発を!?
するとドアが開いた。ドアからは普通の武装した人?が現れた。その人は、
「岬様、オルトロス王がお呼びです。その少年も連れてこいと。」
「了解した。ではすぐに向かおう。」
『岬』と呼ばれた女の子は「ついてこい。」と言って部屋から出ていった。とりあえずベッドに横たわっている体を持ち上げて彼女のあとを追った。
5分ほど歩くと目の前に門が現れた。岬は門の前で足を止めた。すると目の前の門が勝手に開いた。再び進むと目の前に玉座に座る1人の戦士のごとき風格の人が現れた。
「オルトロス王、東條参りました。例の少年もいます。何用でしょう??」
するとオルトロス王は
「岬。その少年のことなのだが、そいつの能力についてだ。」
真は自分がいったい何をしたかも分かっていなかったが、王直々の話となると、かなりの大事だと言うことは察しがついた。すると王が
「少年よ、名をなんという??」
「真、榊原真だ。」
「榊原ねぇ…岬知ってるか?榊原について。」
岬は少し考えてから
「大滅の榊原のことでしょうか?私はこの榊原のことしか知りません。」
「あぁ、そうだ。榊原大和…私の親友だ。そして大和はそこにいる真君の祖先だ。」
「!?」
「真君。君に大滅について説明しよう。大滅はこの世界に住む9割りの人が一瞬にして消滅した…この世界最大の事件だ。」
大滅…一瞬にして9割りが消し飛んだ…?それって俺が引き起こした爆発と似てる…
「王様?今回俺が、引き起こした爆発と関係してるんでしょ??」
すると王は意表をつかれた顔をして、
「ほぉ、はっ。はっはっはっはぁぁ。面白いやつだな。そうだ、と言うかお前の持っている能力こそ大滅を引き起こした能力なんだがな。」
真は思った。マジかよ…こんな毎日がつまらなくてたまらなかったのに… こんなこともあるんだな。
「真君。君に教えよう大和とその能力と大滅について…」
「今から…200年ほど前。我が国は戦力不足による傭兵集めをしていた。私はそこで大和に出会った。」
傭兵集め?すべての失踪は本当にこれなのか確認した。
「待ってくれ。その傭兵集めは俺の生きていた世界で起きていた失踪は事件でいいんだな?」
「無論、これだけは仕方のないことだ。その事は後で岬に全部説明させる…。続けるぞ?大和はそこで私にケンカを売ってきた。なぜ?なぜ自分等が戦争に加わらなければならないのかと。今すぐにすべての捕虜を解放しろとな。私がそんなことをする気がないと言うと、俺と決闘しろ!!なんていったんだからな。そして私はその決闘に負けた。大和は自分の能力を完全に支配したいた…王たるものが屈辱だった。」
「オルトロス王!人生で負けたことのある人って…大和さんだったとは。」
「岬。私もこんなこともあるのかと思ってな。私はあの日から大滅の日まで、大和と共に世界統一を目指していた。いや、あと一歩でこの世界は平和になっていたんだ。」
「王様?なぜ大滅は起きたんですか?」
「真君。君の能力は感情を力に変える能力だ。大和にはこの国で出会ったパートナーがいた。彼女は東條梨沙と言う。察しの通り岬の祖先だ。梨沙は大滅のあった日の翌日、大和と式をあげるつもりだった。大滅の日、大和と梨沙と私はある国の王2人と戦っていた。2人とはこの世界の平和と持続をかけて戦った。私は勝った、そう確信していた、が追い詰められた2人は、一番弱かった梨沙を集中攻撃した。やつらの能力のせいで私と大和が一時的に動けない時にな。梨沙は全身を引き裂かれて殺された。」
引き裂かれた?そんなひどいことをする王が…
「私は取り乱したよ。異常な怒りにな。だが同じく大和もキレた。大和は今まで自分の感情を完全に支配して戦ってたからな、当然怒りと悲しみに支配されたことはない大和だ。耐えた大和は充分耐えた。だが押さえきれなかった。そして大滅が起きた。」