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さよなら

作者: 東雲 悠里


神様、一生に一度の願いです。


一年前に戻らせて。


知らなかったんだ。貴方が苦しんでたなんて。


私は、貴方に見合う人になりたくて、一度は貴方を突き放して、努力したんだ。


でも、戻ってきたら貴方はいなかった。


周りに訊いても、貴方を知る人はいなくて。


やっと見つけたとき、貴方は死んでいた。


末期の癌だったらしい。


誰にも告げずにただ一人、孤独に死んでいった彼。


ごめんね。


今から貴方のもとへ。行けるかな。行けたらいいな。


そしたらもう、一人じゃないね。


ごめんね。母さん、父さん。


さよなら。



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