狼の御奉公っ ちょっと? 腐った女の子 (ちょっと? 九尾な女の子) その4
大神 紅葉の唇が狐の唇に軽く触れ、そして離れた。
うわぁ、狐の奴ってばすっかり蕩けてる……。
「ぅん……も、紅葉ちゃん……」
とろん、とした虚ろな目で、先程、口づけを交わした相手の唇を縋る様に見つめる狐に大神 紅葉の艶やかな唇が再び近付いて今度は喰い付く様に狐の唇を奪った。
「ふみゅ……ぅん、んっ、……っ、んんふっ……あふぁ…んんっ」
大神紅葉と狐の交わった口元から時折、水音の様な物が漏れだし、隠避な雰囲気が周囲を桜色の空間に染め始めた。
「……ぅん、ちゅぱ♡」
大神紅葉と狐の唇が離れる際に、互いのサーモンピンクの舌先同士が名残惜しそうに唾液の透明な糸で繋がれている。
狐は離れて行く唇を見つめたまま、追い縋るように舌先を出した唇で大神 紅葉の唇を追い駆けて行く。
てか、なにこの可愛い狐の姿。唇を求めて追い駆ける狐が可愛い過ぎて生きるのが辛いわ。
……ヤバ、惚れさせ茸? の効力マジパネェーーーーっ! あの狐がとろとろじゃん。
あたし、そっちの気は無いんだけど、大神 紅葉と狐の百合シーンを見ていると、ちょっぴりしてみたくなって来ちゃう。
だって、あれは惚れさせ茸? だけの効果じゃなく大神 紅葉のキスが相当上手いのよ。
あの傲慢で高飛車な狐が、めろめろになるほど本当に気持ち良さそうなんだもん。
……って! ダメダメダメっ、あたし。
あたしの唇は知くんだけのものなんだからっ!
「も、紅葉ちゃん? もっかいキスしれっ?」
「まあ御姉様ったら、おねだり? いやらし雌豚ね」
いやいやいや、よりにもよって狐っ娘に雌豚って、あんた。狐は豚ではないわよ、狐でしょ? 狐には雌狐がお似合いよ。
「なあ未美? 俺はいつまでお前のパンツを至近距離で見詰めていなければならねぇーんだ? それにそろそろ鼻の穴に差し込んでくれちゃってる、お前さんの2本の尻尾を抜いて貰いたいんだが……口だけで息している違和感でおかしくなりそうなんだが」
あたしのスカートの中で声をくぐもらせた知くんの声が聞こえてくる。
尻尾はその……。最初に言って置くけど、ここに来る前に念入りにお風呂も入ったし綺麗に洗ったから、匂わないんだからね!
尻尾は念のため知くんに匂いを知られないために差し込んであるんだけどね。
「なあ? 未美、俺はそろそろお前の可愛い顔が見たいんだが……ダメか?」
えっ? 今なんっつーた? 知くんがあたしの『顔を見たい』って? しかも可愛いだって。
いや~照れますなぁ~。/////
「ぁん……紅葉ちゃんのいじわるぅ~」
「ダメよ、御姉様。御褒美は私の言う事を聞いてから」
「言う事? なに? ウチなんでもする~」
「いい子ね、御姉様。では御姉様、先ずは着ている物を脱いでその下に隠れている2CAPアップブラと更に豊胸のために忍ばせてあるパットも外して、在るがままの御姉様の貧弱なおっぱいを私に曝け出し揉ませn――」
「おい紅葉っ」
知くんが突然、厳しい口調に声音を変えて、慕う狐を思うがまま、欲望の全てを出してキャッキャウフフ♡ 中の大神 紅葉の名を呼んだ。
……大神 紅葉の奴、当初の目的を完全に忘れているようね? この隙にあたしは知くんに惚れさせ茸? を食べさせて私たちは私たちで2人だけの世界に行くとするわね。
でも……恐い声音で大神 紅葉を叱りつける口調の知くんはやっぱり狐のことが……。
「なに御主人様? 今取り込み中なう」
「美九音を好き放題するのも、ほどほどにしておけよ」
やっぱり……。
「あとで酷い目に遭わされることになるぞ、俺が」
「分かった、御主人様。おっぱいを吸うまではオッケイということね」
「違げぇーよ! おっぱいもその他言葉には出来ない個所も、吸うのも揉むのも舐めるのもダメっ! それはみんな俺んだからなっ!」
知くん……なんだかんだ言っていてもやっぱり狐が一番なんだね?
「御主人様の物は私の物、私の物は私の物よ」
「紅葉っ、おまえ~っ。いつからそんな日本一のガキ大将みたいなことを言う様になったんだ? 綺麗な顔してガキ大将の王道であるところのシャイアニズムを発揮してるんじゃねぇーよ」
「んん? 違った? 御主人様の物は私の物、私の物は私の物、私の処〔ぱきゅ~ん〕は御主人様の物?」
「まったく変わってねぇーよっ! なんかドサクサにまぎれて最後にどんでもないもんを追加してんじゃねぇーよっ」
「ねぇ~紅葉ちゃ~ん。ウチね? ちゅっちゅしたい。でもね、他は触っちゃダメかも……だってウチは知泰の物になるんだもん……何れ、だけど……」
「ダメ。いくら御姉様でも御主人様は簡単には譲らない」
「紅葉ちゃんも知泰が好きなの?」
「好きよ、大好き」
「おまえら、いい加減にしとけよ? 俺に選択権はねぇーのか? 言って置くが俺は俺の意思で相手を選ぶぞ」
スカートの中なら頭を出した知くんが、いきなりあたしの手を取った。
「未美、来い。俺の部屋に行こう」
えっ? えぇええ? なになにこのまさかの展開っ?
「ここはあいつらの百合臭が充満していて、どうも落ち着かねぇーんだ。俺の部屋で未美と2人っきりになって話がしたい」
マジっすか! 知泰さんっ!
知くんの手、手から伝わるってくる知くんの温もりを感じながら、引かれるままにリビングとは逆の方向へと連れられていく。
廊下の奥まできたところの右手にあるドアの前で知くんが立ち止まり、部屋のノブに手を掛けた。
木目が美しいドアが開かれ、背中を押されて中に通される。
部屋の中は知くんらしくシンプルで、薄い黒を基調にした収納棚の扉やカジュアルテーブルが部屋の真ん中に鎮座している。
窓際には黒いセミダブルのベッドに真っ白なシーツが掛けられたマットレスと枕、掛布団に黒い布団カバーが掛けられ、窓を覆うカーテンは全体的に暗色に染められた部屋の雰囲気を一変させる様に空色のカーテンが吊るされていた。
そしてまだ知くんが高校生で、そしてあたしたちが高校生の振りをしている妖である現実感が溢れる勉強机とPCディスクが並んで配置され、そこから手が届くところに2ドアの小型冷蔵庫が置かれていて、大画面の液晶テレビやオーディオ機器などもベッドの対面にあたる入口の壁際に置かれている。
知くんの匂いでいっぱいの部屋、誰の匂いも混じっていない知くんだけの匂いがする部屋だ。
「未美、そこに座って寛いでくれ」
そう言って知くんがベッドを指差し、自分は勉強机の椅子を引いた。
あたしの胸の鼓動は破裂しそうなくらいに跳ねている。
手を引かれていた時から既に鼓動は跳ねていたけれども、部屋に通されてからは尚更跳ね上がって、今にも口から心臓が飛び出してきそうだ。
緊張しているのもあるけど、落ち着かなくていざ2人切になるとなにを話せばいいのかも分からなくなって、手近にあった雑誌を手にした。
「なあ? 未美」
あたしは視線を知くんには向けずに返事した。
「なぁ~に?」
だって……真っ赤になっている顔を見られたくないじゃん?
「えっ!? と、知くん?」
不意に後ろから抱き締められた。
ああ……あの時と同じだ。
むかし、傷付いていたあたしを拾って抱き締めてくれた知くんと同じ知くんの匂い、知くんの温もりだ……。
「きゃっ!」
そのまま体を入れ替えながらあたしは知くんにベッドに押し倒された。
番外編 5へ続く。
ご拝読アリガタウ。
次回もお楽しみにっ!




