表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
プロローグというか幕間
9/130

九尾な女の子 8.5 前編

こんばんは 雛仲 まひるです。


狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子 8.5


第一章から第二章に向かうお話です。幕間とかプロローグみたいなものですが、時間軸は第一章からの流れです。


さて今回、以前ブログの方でお友達が描いてくださったイラスト(ちびみくねちゃん)を挿絵代わりに挿入しました。f^^


新キャラも登場します。^^


楽しんで頂ければ幸いです。><


ではどうぞ。^^


 夕方、あの世からの迎えではなく七霧の執事の迎えで病院から我が家に帰るなり、本日陽麟学園で起こった妖怪出没事件で、可愛くもない幼馴染のために挑んだ鬼との壮絶バトルに大敗した俺は何故か正座を強いられお説教を貰っている。


 目の前には蜂蜜色の髪に紅い眼の女が腰に手を当てたお決まりのポーズで俺を見下ろしている。こいつの名前は九音寺くおんじ 美九音みくね、俺の幼馴染だ。


 そしてこいつにはちょっとした秘密がある。


 それというのは光を浴びると輝かんばかりの金色に光る蜂蜜色の髪の毛が乗っている頭と、プリッと上向きの形の良い尻に生えたおおよそ人間にはそぐわないアイテムが、狐耳とふさふさの尻尾がこいつには生える。


挿絵(By みてみん)


 美九音ちゃん今日もアホ毛が素敵だね。


「うっさいっ。ウチのアホ毛のことはいいのっ。それよりちょっとっ知泰? あれどういうことっ」


「はて……、あれとはなんのことですかな?」


 うむ。こいつが言う“あれ”がなんのことを指しているのか俺にはさっぱり分からん。


 思い当たる節があり過ぎて……。


「きょ、今日あんたが三下鬼に相手にフルボッコにされた時、ウチが助けたげたよね?」


「ああ!? その節はアリガタウ美九音」


「ウチがあんたを助けに入った時、あんたなんってたか覚えてる?」


「……なにも言ってねぇーよっ。俺は」


 俺はなにも言ってない、断じてなにも言ってない。


「じゃ教えたげるね。あんたウチのスカートの中身を読者さんに晒したよねっ!」


「そんなっ馬鹿なっ!」


 ありえねぇー! あれは俺の、そもそも脳内に、眼に、瞼に焼きついた記憶の描写であって、読者さんには聞こえてねぇーはずなんだが……。


 でも何故かお前には分かっちゃうみたいだけれども。


「だまれ知泰っ。ウチを辱めた責任を取りなさいよねっ」


 美九音は涙目になって俺を睨み付けている。


「わ、分かったよ。俺はなにをすればいいんだ?」


 プリンか? プリンを上納すればいいのか? お前の大好物、ニコニコおはよー∠(#`Д´)/プリンを二ダースほど上納してやろう。


「そ、そうね? ウ、ウチの願いを叶えてくれるなら許したげてもいいよ?」


 つい先ほどまではちきれんばかりに膨らませていた御自慢の尻尾を、だらしなく下げ力無く振りながら、何故か真っ赤な顔になって俯いてしまった美九音ちゃん。


「分かったよ。俺に出来る事ならなんでもお前の願い事を聞いてやる」


「……ほ、んと?」


 これ以上こいつの機嫌を損ねて喧嘩になってもつまらねぇ。っつーか面倒臭いから訊いてやることにする。


 了解の意を告げた言葉を訊いた美九音は、だらしなく振っていた尻尾を忙しく振り出した。どうやら嬉しいみたいである。


 そして手を腰に当てた傲慢な態度から、急に胸元で指を捏ねくり出して上目遣いで俺を見上げた。


「で? お前の願い事ってなに?」


「……あ、あのね? その、ね? 知泰は覚えてる?」


「なにを?」


「ウ、ウウ、ウチとあんたが交わした小さい頃の約束……お、覚えてる?」


「それがお前の願い事なの?」


「う……うん」


「それってどんな約束だったの?」


「んとね。ウチを知泰のお嫁さんにしてくれるってゆったこと……」


「……」


 えっ? えぇえええええええええええええええええええええええええっ! 


「マ、マジで?」


 いや、いやいやいや。いやいやいやいや。


 ちょっと待てっ! 小さい頃に交わした約束っても、そりゃもう時効だろ? 若気の至りだろ? そんな約束だったら俺、お前以外にも幼稚園の頃とかにいっぱいしたぞ。


 同じ組だった。幼馴染の綾乃だろ理香だろ優子だろ瑞希だろ加奈だろコンチータだろマリアンナだろシギュンだろ。あとは姉ちゃんだろ、それに……駄菓子屋のはるゑばーちゃんもだったか? 去年死んだけど。


「ねぇ知泰。ウチの願い叶えれ♡ 早く誓いのちゅーしれっ♡ 」


 先ほどまではプリプリお冠だったのに、赤らんだ顔を華やかせてパタパタと忙しなく尻尾振り振り、ご機嫌な幼馴染の姿があった。


「い、い……いいい」


「いいの? それほんとっ知泰。で、でも勘違いしないでよね? ウチにとっては知泰なんてただの幼馴染なんだからねっ! 知泰は駄目っ子でモテない子だから一生お嫁さんなんて貰えそうにないんだからね? そ、その……ウ、ウチはあんたの幼馴染だし? 知泰が可哀想だから仕方なく、……し、仕方ないから幼馴染の好でお嫁さんになって上げてもいいよ、って言ったげてるだけなんだかんねっ……」


 い、嫌だぁーこんな恐妻は嫌だぁ! しかし俺は誠意を込めて美九音に応えた。


「えと……また今度ね」


 この後、美九音がブチ切れ激動の一日が終わったのだった。




 ――翌日、朝。


 清々しい春の朝、窓から差し込む柔らかい日差しとけたたましい目覚ましの――フニャっと柔らかい感触と腕の痺れで目を覚ます。


 爽やかな朝……って、おいっ。


 俺の腕を枕にして黒髪ロングの女がω←こんな風に唇を歪め、愛くるしい寝顔で気持ち良さそうに寝ていた。


 七霧 知泰 高校2年生 16歳。


 知らない女にみさおを奪われ男になりました。(推測)




 ううん……悩む。


 素直に喜べねぇーな……。これってば赤飯炊なきゃ級に目出度い事なのだろか? 身に覚えが無いとは言え、こうして俺の隣にはシャツ一枚の女が凶悪な乳を半分出して、太もも露わに盛大にパンチラさせて寝ている状況を鑑みてだ。


 つまりはその……なんだ? 俺は昨夜無意識の内にこの女と[18禁的条例違反]して、純潔を失ったと考察出来るんだが……。


 冷静に周りを見渡し部屋の状況を確認する。


 部屋には我陽麟学園の女子用制服が脱ぎ散らかっていた。俺は更に観察を続け無ければならない。


 これは重大な事項、重大案件である。


 先に述べた様に身に覚えが無いとは言え、俺は昨夜無意識の内にこの女と[要検閲]してしまったらしい? ……ではアレはどうしたのだろう? と自然に、極々自然な疑問にぶち当たる事となった。


 そう[自主規制]に装着するアレだっ。


 聡明な読者にはもうお分かりだと思うが、明るい家庭設計に欠かせないご利用は計画的に、のアレである。


 もしアレを装着せず事に及んだのだとすれば、俺は事もあろうか生[自主規制]で過ちを犯したことになる。


 先刻、ゴミ箱は確認してみたがアレを発見するには至らなかったし、縦198ミリ×横215ミリほどのやや横長の四角形、二枚重ねで箱から取り出せる便利アイテム、そう人類の叡智であるところのティッシュペーパーの変わり果てた成れの果ても発見出来ていない。


 主文、七霧 知泰は……生[自主規制]で[条例違反]した際、フィニッシュ時には元気印の[なか、なかはらめぇ~]を盛大に[要検閲]内にぶちまけちまった事になる。


 オウッ・ジーザス、ナンテコッタ。


 ORZ 


 俺はこめかみを押さえたね。


 っつーかなんだよっ! この女っ何処から入ってきやがったんだ? 七霧家のセキュリティーはどうなってんの? まぁ美九音は隣人……基、隣妖で幼馴染だからな屋敷の者達も見知っていて、出入り自由だから毎朝敷地に這入いって来ているけども……。


 それともあれか? 寮生なのか? まだ言ってなかったけども、俺ん家の敷地内には陽麟学園の寮があんのよ。


 女子寮は学園に近い東、俺ん家の西に(ちなみに東側隣が美九音ん家)そしてその15km程離れた西の端に男子寮が建てられてんのさ。


 俺が住んでるのは通っている陽麟学園に近い東側で、ちなみに女子寮は家の窓を開ければ見える。


 なんでも親父と学園長は古くからの友人らしくて、生徒の安全も考えて敷地を提供して学園寮を建てたらしい。


 男女の寮を離したのは、いろいろ好奇心盛んなお年頃であるところの俺たち高校生への要らんお節介で、学園から遠い西に男子寮を建てたのは、部活動などで帰りが遅くなったときの女子への配慮だそうだ。


 勘違いすんなよっ? 俺は女子寮が近いからって東側を選んだ訳じゃねぞっ! 選んだんじゃないんだかんねっ!! まぁ単に通う学校が近くになるから選んだだけだかんなっ。


 だけど幾ら敷地内にあっても屋敷の敷地と女子寮は、それなりの壁で区切られていて同じ敷地内とはいえ寮生だって入り込む事なんて出来ないはずなんだ。


 厳重なセキュリティーを物ともせず壁を乗り越え、怪盗ルパン宜しく鮮やかに侵入出来て、安眠中の俺を毎朝ルパンダイブ宜しくボディープレスで起こせる奴が居るとしたら美九音くらいなもんだぜ。


 なんせ、あいつは自分の道理で無理を抉じ開ける奴だからな! あいつの傲慢さはパネェんだって。


 ……はっ!! 俺は今、ひっじょーにぃ重要且つ重大で身に迫る大事に気付いてしまった。


 いかん! これはヤバイ、マジヤバイ。……あいつがこの状況を見たりしたらどうなると思う? 言っとくけど昨夜の「ウチをお嫁さんにして」の件は、あいつの何時もの気まぐれだし、なにしろあいつはただの幼馴染だからな! まぁ正確に言うと“ただ”のじゃないけども、あいつが白面金毛九尾の狐っつー妖て言う方向でだぞ? 勘違いすんなよ。


 だけどさっきも言った様に、そんな道理は奴には通じない。


 自分の勘に触れば即、理不尽発動する奴だから俺に彼女が出来たとか。いや、この隣で寝てる女は彼女じゃねぇけど……。


 まぁそういうのはあいつにしてみれば「下僕のくせに生意気ね」となるわけで、不機嫌美九音ちゃんモードに切り替って即、理不尽発動ってわけだ。


 ORZ


 駄目だ最悪の事態しか脳裏に映像化出来ねぇ。


 先ずこの不法侵入女をなんとかせねば……。


 少々手荒な手段を使う事になろうともやらねばならん。やらねばならんのだっ! でないと俺に明日は、いや……今日すら無い。


To Be Continued

御拝読ありがとうございました。


次回後編をお楽しみにっ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ