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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
season2 第二章 なんてこったっ! 嫁と姉ちゃんが修羅場ってるんですけどっ
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なんてこった! 嫁と姉ちゃんが修羅場ってるんですけどっ 3

 見詰められているだけで肌はあわ立ち背筋はゾクっとする。それに反して体中の血が沸騰しているかのように熱くなってくる。


 危険だ……、この人は普通じゃない。


 衣装に隠れていないところか見える氷のように透き通った白い肌、端正な顔立ち均整のとれた美しいスタイル。


 その姿を見ているだけで胸が締め付けられ苦しくなり、また全身は熱く熱せられているようだ。


 危険だ、このままじゃ俺は……。


 理性が崩壊し野生が目覚めてしまいそうだ。既に身体の一部位は起っきしはちきれ爆発しそうになっているんだがなっ。


 これ以上、彼女を目視し続けてはいけない。と本能が訴えかけてきているのに目を逸らせない。思考とは裏腹に視線は彼女に釘付けになってしまって逸らすことが出来ない。


 これが悲しい男の性ってもんなのか? 店のユニホームであろうウエイトレスの衣装であろうメイド服が胸元だけ張り詰め、開いた胸元には深い谷間が見えているじゃねぇーかっ。


 止めているボタンの上を2個ほど外していても今にも弾け飛んでしまいそうじゃねぇーかっ! チクショウっ! 危険だっこの人は危険過ぎるっ。


 な、なんと危険なおっぱいをお持ちなのですか真冬さんっ! その胸を美九音が見たら即泣きレベルじゃないっすかっ! その谷間は動物愛護の観点からして、ひんぬーに悩んでいる美九音を虐待するつもりなんですかっ!


「真冬ちゃん。オーダーいいかしら?」


「うん。なに飲む? 今日はわたしが奢りますよ飛鳥さん。久しぶりですしね」


「あら嬉しい。じゃあお言葉に甘えてバニラシェイクを2つお願いしていいかしら?」


「弟くんもバニラシェイクでいいのかな? 飛鳥さんが勝手に決めちゃったみたいだけれど」


 前屈みで顔を覗き込んでくる真冬さん。


 だから深い谷間が見えてるって! それ以上凶悪な乳を下に向けたたら重力でボタンが弾け飛んでポロッとこぼれますよっ!


「あっ、はい。それでいいです。いやでもメイド衣装も凄く似合ってますよね。それに……なんともけしからんメイド服ですよね」


 真冬さんは腰に付けた機械を手にオーダーを入力した。入力されたオーダーは裏の厨房に届くらしい。オーダーを発注し終えた真冬さんが、俺の抱いたメイド服への感想に答えてくれる。


「ありがと……って? なにがっ!」


 俺の視線をトレースして自分の肌蹴た胸元に視線を向ける真冬さん。


「大きいの好き……なの?」


 YES, OF COURSEっ! (はい。勿論ですっ!)


「あははは。そんなにいいもんじゃないよ? いろいろ大変なんだからね。可愛いブラは少ないし走ると痛いし肩は凝るし夏は胸の谷間に汗かいちゃうし、男の人からは知泰くんが送っている視線みたいにエロい目で見られるしね」


 いやいや、それは持っている人の悩みであって無い奴には未知の世界なんですって!


「はい、お待たせ致しましたご注文のバニラシェイクになります」


「あっ、アリガタウ」


 他の店員さんが運んでくれたバニラシェイクを、熱くなった身体と気持ちを冷ますために一気に口の中へ啜り上げた。


 って? んん? 聞いたことのある声の店員さんだったな? まぁいいさ、こういうところの女の子の声ってみんなアニメ声だからな。


「わ、悪かったわね。ひんぬーで」


 あれ? やっぱり? 今、背中の方から良く知る耳に馴染んだ声が聞こえたぞ?


「知泰? あんたどこガン見してたの? あんたの思考したウチとの比較が哀れみだったら殺すけど」


 ですよねぇ~。


 美九音の声がした方に振り向いた。背中越しに見えたのはやはり馴染みの顔だった。


 ブハッ! 噴いた。美九音の姿を見て口に入れたバニラシェイクを拭き出した。


「……冷たいわね? ウチの可愛い顔に生暖かくなってる白いのかけないでよねっ」


 卑猥な言い回しをするんじゃないっ。


「知泰がなんで逆切れしてるわけ? そうもいまいちウチが抱いた気持ちが伝わっていないようだわね? なら言い直すわ。ウチの可愛い顔に生暖かくて白いドロドロぶっかけないでっ? どうせなら口に頂戴? 知泰がしてくれるのだったら全部呑み込むわよ? こっちの方がウチの気持ちが伝わる?」


 言い直してもっとダメな方向に行ってんじゃねぇーよ!  このダメっ子動物がっ!


「あれ? これじゃウチが知泰におねだりして口移しに飲ませてもらうみたいね? ウチの方が、か、かかか、間接キスしたいみたいじゃんっっ!」


「知? 美九音ちゃんにだけズルいですよ? ……お姉ちゃんにも生暖かくて白いドロドロを顔にかけてくれないかしら?」


 なんで? 姉さんが不幸な事故を望むわけですかっ!


「やるわね流石は痴的生命体といわれるだけあるわ。九尾ちゃんのキュートなお顔に顔射なんて……」


 が、顔射って! 真冬さん? あんたもワザワザはっきりとしたプレイ名を口に出すんじゃないっ。


「ごめんごめん。余りにも白濁色の液体塗れになった九尾ちゃの可愛い顔がエロく見えちゃったんだよね」


 ところで美九音の奴はこんなところでなにしてんだろ? しかも馴染みのこいつが、美九音がアイスアリスの制服のメイド服を着ているではないかっ!


「お前、こんなところでなにしてんの?」


「なにって、……そんなの見れば分かるでしょ?」


「ストーキング? 分かった俺のストーキングなう?」


「はあ? あんたじゃあるまいし、なんでウチが知泰をストーキングしなくちゃいけないわけ? バイトよバイト、バイトなうよっ」


 いつからバイトなんかしてたんだよ美九音の奴。通りで真冬さんが美九音の正体を知っていたわけだって! そんなわけあるかっ! そもそもバイトの面接で「あなた妖?」なんて聞かれないだろうし、美九音も妖であることは隠すはずだもんな。


「知? 真冬ちゃんはね。人間界の中で生きていくことを決めた妖さんなのですよ。彼女の正体はあやかし女氷めひょう。つまり雪女のたぐいの妖ですよ」


「ごめんね。痴的生命体の君? 隠すつもりはなかったけど、わざわざ言うことでもないと思って言わなかったの。あとわたしや九尾ちゃんの他のアイスアリスの店員はみんな妖なんだよ」


 ちょっと待て? ちょっと前に知泰くんって呼んでたよね? なぜまたそっちの呼称に戻したっ?


「痴的生命体くんの彼女を借りちゃってま~す。夏場は特に忙しくて人手がたりなかったの。彼女がアイスアリスでバイトし始めたのはちょうど2週間くらい前からだったかな? 困っていたところに九尾ちゃんがいてね、彼女、なんだか修行したいことがあるとかでバイトしてもらうことになったの。どう? 九尾ちゃんのメイド服姿は可愛いでしょ? この店のナンバーワンなんだから」


 そらもちろん可愛い、可愛くないわけがない。美九音って美少女だもんな? 見た目だけは素で器量良しだから基本なんでも似合っちゃうんだよ、こいつって。


 って! ナンバーワン? なんだよそれ……分かるけど、だがしかしっ! キャバクラの指名ナンバーワンみたいに俺の幼馴染みを、嫁をそういう風に言うんじゃねぇーよっ! なんだか面白くねぇー。


「おい。美九音……」


「なによ」


「お前、男性客にエロい目で見られたりしてねぇーだろうな?」


 あまつさえ声掛けられたりしてフラフラ着いていったりしてねぇーだろうな?


「知らないわよ、そんなこと。そんなことより知泰? あんたってさ~」


「な、なんだよ」


「メイドが好きなの? メイド服が好きなの?」


 YES, OF COURSEっ! (はい。勿論ですっ!)


 メイド服も好きだけれども、お前の巫女さん姿も大好きだぞ?


「ウチの巫女姿? ///// そ、そうなんだ。でもメイドも……好きなんだ。だからエロい目付きで真冬を見ていたのね? だからあんたは、あの狼っ娘の大神おおがみ 紅葉もみじに御主人様な~んって呼ばせていたのねっ!」


 それは違うぞ美九音。紅葉の奴は勝手にそう呼んでいるだけだ。それは真冬さんがメイド服だからじゃない。真冬さんののけしからんおっぱいにだな――。


「そんなに真冬が、メイド真冬のおっぱいがいいの? あぁ~そう、そうっ! だったらメイド姿のウチが、狐っ娘メイドのウチがあんたを冥土に送ったげようか?」


「結構です」


 その申し出は全力でお断りしますっ!


「ちょっといいかしら? 狐っ娘メイドさん」


 姉さんが唐突に美九音に鋭い視線を向ける。


「追加オーダーですか? お客様っ」


 姉さんが急に窓の縁を指でなぞり始めたと思ったら、これ見よがしに美九音に指先を見せ付けた。


「埃が残っているわね。なんて不衛生なお店なのかしら?」


「ちょっとっ! 飛鳥ちゃんっっ。 わたしのお店でなんてことを言ってくれちゃってるのっ! クレーマーか! 飛鳥ちゃんはクレーマーだったのっ」


 すぐさま反応したのは真冬さんの方だった。知り合いに営業妨害されてはたまったもんじゃない。


「違うわ真冬ちゃん。小姑よ」


 ちょっと待て! 誰に対してだよっ。


「もちろん美九音ちゃんに対してですよ。仮にも私の可愛い弟のともと祝言まで挙げたのですから、とももそれなりの覚悟があって美九音ちゃんを嫁にしようと思ってたのでしょ? なにひとつ成立していない結婚ではありますけど」


「ぬぐぅぐぐ……。し、失礼致しましたお客様っ――あら? お顔に落書きがありますわっお客様? 直ぐにお拭きいたしますね? 暫くお待ちください」


 濡れたナプキンを手に美九音が戻って来る……とっ!?


「あれ? 飛鳥お姉ちゃん……じゃないお客様? こんなところに不自然に整った細い眉毛が――」


「ちょっ……美九音ちゃんっなにしてるの? 飛鳥ちゃんはお客様なのよ、一応っ。親しき仲にも礼儀ありって言うでしょ」


「不自然に整った眉毛が描かれているわね? いったい誰がこんな落書きを飛鳥お姉ちゃんにしたのかしら?」


 姉さんの顔を乱暴に拭きだした。


「やっ! やめてっ! 美九音ちゃん、それだけは堪忍してっ」


 ダメだっ! 早く美九音を止めないと、正午を過ぎて客が落ち着いた妖喫茶アイスアリスには俺たち姉弟しかいないのに、人間が俺だけになってしまうじゃねぇーかっ! ……あっ。


「……あ、飛鳥……ちゃん」←真冬


「……」←美九音


「……」←飛鳥


「美九音やめろっ! そんなことをしたら……出るぞっ! 妖怪眉無しがっ」←俺


 遅かったか……。


「美九音ちゃん?」


「な、なによ……」


「美九音ちゃんも素敵な眉毛が描いてあるわね? それにおっぱいも家で見たときより2カップほど豊かになってないかしら?」


「こ、これは……自前の眉毛とおっぱいよっ! だっ、だからどっちも取れないんだからねっ!」


 鬼の形相をした姉さんが美九音のナプキンを取り上げ美九音のデコ辺りを入念に擦りだした。


「……み、美九音……ちゃん」←真冬


「……」←飛鳥


「……」←美九音


「お前……誰?」←俺


 麿まろっぽい奴めっ! 俺の幼馴染みを返してっ!


「知泰っ! あんたは殺すから」


 なんで俺だけ特別扱いなのっ! やったのは姉さんだからなっ戦う相手を間違えるなっ!


 その後、美九音が2カップブラなるブラでおっぱいサイズ2カップも底上げしていた事実が判明することになった。


 なんていうかさ? 美少女ヒロインって人には言えない苦労を陰でしているんだな?


 いきなり世紀末まで行きそうだった嫁小姑バトルは、真冬も巻き込み泥沼の様相をていした。


 偽装を暴き合い出した美少女と美女のバトルは激化しその際にうっかり巻き込まれ迷惑にも、とばっちりをもらう形となった真冬さんは、お肌の曲がり角が気になるお年頃だったらしく、愛らしい目尻に気になっていた小皺があることを発見される。


 尚且つおっぱいも美九音同様に妖術によって偽装した偽乳にせちちであることが判明したのであった。


 互いの恥ずかしい努力が仇になり、お互いにつぶし合い、破滅の危機を感じた女子3人は、この三つ巴の修羅場に際して急遽、この場限りの協定を締結することとなってバトルは一応の終わりを迎えた。


 俺は3人がこの場限りで結んだ協定をその後から不可侵条約と呼んでいる。


 ※不可侵条約ふかしんじょうやく

 

 相互に相手国に対して侵略行為を行わない事を国際的に約束し条約によって明文化するもの。不侵略条約と言われる場合もある。条約締結国間では常時侵略行為と見なされる行動が禁じられ片方の国が戦争状態になった場合にはその交戦相手国に対する一切の援助・支援が間接的な侵略行為と見なされて禁じられる。条約の大部分はどちらかまたは両方の国が破棄宣告してから満1年後に効力を失う。




 その後も終始不機嫌モードの美九音ちゃんに睨まれながら昼食を摂りにきたのに暑さの余り先にデザートっぽい物を注文した姉さんの気持ちは分からなくもないのだが、腹が減ったているのでなにか食べた。


 順番が入れ替わってしまったけれども、その後にパスタを注文して食べ終わると店を出て、これから俺の住処となるマンションに向かった。


「なあ? 姉さん」


「なーに知?」


「俺が鬼一族に襲撃されたときに七霧の屋敷は気付いていなかったのか? 七霧の土地で事件が起こったのに誰も来なかったことが俺には不可解なんだよな? それに七霧は美九音の正体も知っているんだろ? なのになぜ大妖怪九尾の狐であるところの美九音を放任しているんだ?」


「それはね、知。これから話そうと思っていたのよ。そろそろ知には知っていてもらう方がいいとお父様もお母様も、そして兄さんも結論したの、だから私が知のところに来ることになったのですよ」


 To Be Continued


ご拝読アリガタウ。


次回もお楽しみにっ!><b

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