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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
season2  第一章 どうしてこうなった(´・ω・`) マジで! 最凶俺の嫁 
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どうしてこうなった(´・ω・`) マジで! 最凶俺の嫁 10

 美九音が店内に入っていったことを確認して、俺は波音ちゃんを連れて店の前までやってきた。


「波音ちゃん、可愛い生徒の頼みを聞いてくれますか?」


「えと……なんでしょうか? 玉の輿ためならえっちな要求も先生は聞いちゃいますっ。……じゃないですっ言い間違いましたっ!」><


「可愛い生徒である知泰さんのためなら先生なんでも聞いちゃいますっ! 先生、頑張っちゃいますっ! 張り切っちゃいますっ! さあ早速、私に子種を仕込んで既成事実を成立させてくださいっ。私の玉の輿♡ 違います違いますっ違いましたっ! 私の知泰さん♡」


 既成事実って……一体なにを考えとるんだ、このロリ教師っ! ……でもな~皆も知っていると思うけど美九音は見た目からは想像も出来ない程の初心なネンネちゃんだし、俺が間違って誘惑に負けたとしても仕方ないよな? 紅葉はあれな奴だけど俺を慕ってくれてるし、ほら未美だって可愛いし俺みたいなヘタレでも好きだって言ってくれてるし、波音ちゃんだって目的はあれだけど、こう言ってくれてるし……女の子の好意に応えてあげるのは男の義務? だよな? 


 でもまぁ……。


「あはは……それはいいですっ。でもありがとう波音ちゃん。じゃぁさ、早速ですが俺と一緒に店内に入ってくれます? 彼女の下着選びに付き合ってるカップルを装って」


「わ、分かりました。……知泰さんは先生にえっちな下着を着けて欲しいのですね? そして今夜は赤ちゃんを……仕込むのですねっ」


「違いますっ!」


「即答ですかっ! 先生少し傷付いちゃいました……。ですが玉の輿のためなら、知泰さんがどんなプレイを要求してきても、例えそれが幼児プレイやどんな変態的プレイであっても耐えてみせますっ。分りました私履きますっ! 知泰さんは大人の私にくまさんパンツを履いて欲しいのですね? ロリロリプレイで先生を辱めて、自尊心を粉々に砕いて抵抗する気力を奪ったところを無理やり乱暴して、先生を孕ませるつもりなのですね、知泰さんは……」


「波音ちゃん? なにをいっているんですかっ」


 そんな悲しい顔をしないでください。俺はそんなことしませんから。


「あのっロリプレイですか……」


 波音ちゃん?


「あの先生は……ウエルカムですっ!」


 おい教師っ! 天然キャラだからって物凄いこと言いますよね? 絶対に違いますからねっ。


 てかあやかしって、美九音といい、紅葉といいやっぱり人間とは思考が異なるのだろうか?


「いや……一緒に店内に入って欲しいだけです」


「……ちっ。わ、分かりましたっ! 知泰さんは久遠寺さんが大切なのですね? 久遠寺さんが良いのですもんね。どうぞ私を好きに使ってくださいっ」


 今「ちっ」っつたか! まあいい。


「ありがとう波音ちゃん、恩に着ます」


 なぜかプリプリ怒っている波音ちゃんと共に店内に入ろうとした。すると「ちょっと待ってください」と腕を引っ張られた。


「知泰さん? 私たちは今カップルなのですよ? 腕を組んで入りましょう。えと久遠寺さんをストーキングしている、とのことでしたので久遠寺さんにバレると不味いのでしょ? なら隣のお店で帽子や眼鏡を買ってバレないように変装もしてから入る事にしましょう。わたしも先生ですし、生徒とこんなお店に一緒に入って行くところを誰かに見られると……」


 今更世間体を言うかっ! このロリ教師めっ。


「興奮しちゃいますっ」


「って波音ちゃん? 興奮って……」


「言い間違いましたっ。見た目はロリロリでも私も一応先生ですし、バカでも一応生徒の知泰さんとこんなお店に一緒に入って行くところを誰かに見られると不味いので、でした」><





 波音ちゃんの提案を採用して隣の店で帽子やらサングラスやらを購入し、変装して美九音が入って行ったランジェリーショップへと潜入する。


 店内を見渡せば見切り品や至って通常の下着が並ぶ棚、そして一際高級感漂う、一角があって、そこには壁際に陳列された上下お揃いのランジェリーの数々、色とりどりスケスケエロエロのなんともけしからんおっぱいぱんちゅとおぱんちゅたち。


 色彩豊かな蝶の群れと見紛う壮大な景色があった。


 なんだここは? パラダイスですかっ! 


 近くの棚に無造作に並べられた、比較的リーズナブルなお値段のおぱんちゅを手に取ってみた。


 てか女の子ってこんなに小さいパンツ履くの?


「知泰さんっ。パンツ握り締めて感慨に耽っているところ、なんなのですが久遠寺さんが店員さんになにか尋ねていますよ? ……久遠寺さんが手に持っていたあれはたしか……」


「波音ちゃん。もっと美九音に近付きましょう。ここからではなにを話しているのかわかりませんから」


「変装はしていますが、これ以上の接近は危険ですっ。ぱっと見では勘づかれることはないですが、近くで顔を見られれば流石に久遠寺さんに気付かれますよ?」


「そうですね。だから陳列棚に隠れて様子を窺がいます」


「知泰さん、大丈夫です。私に良い考えがあります」


波音ちゃんが「さぁこれを」と言って商品のパンツを俺に手渡してきた。これを俺にどうしろと……。


「これを被って顔自体を隠しましょう知泰さん。先生は知っていますよ? 知泰さんはやれば出来る子です」


 いやいやいや、いやいやいやいや、例え出来てもやらねぇーよっ!


「久遠寺さんに私とのランジェリーショップデートがバレても?」


 デートじゃありませんっ! でももし美九音が今の俺と波音ちゃんを見たら……。


「ねぇ? あんたこれどういうこと? ウチが心配だったことに免じて、今朝のことはまぁ許したげるけど、なんで他の女と一緒にこんな店に来て下着なんか選んだげてるの? 九割殺しにして欲しい?」って言うよな? こわっ。 


 俺は波音ちゃんに手渡されたパンツを手に取った。


 でも商品を勝手に被ったダメだよな? そもそもなんで常識ぶったことを言いながらパンツ手に持って被ろうとしちゃってんの? 俺。


「まったく困った人ですね、知泰さんは。では少し待っていてくださいね」


 波音ちゃんは両手をスカートの中に突っ込んで……。


「はいっこれなら大丈夫ですよ知泰さん。先生が今脱いだばかりのパンツです」


 こいつも変態だっ!





 無論拒否したぜ? 俺は。


 だけど波音ちゃんが泣きそうな顔でさぁ~「私のパンツではダメなのですかっ? 隠れ里では久遠寺さんのパンツを拾って来てくんくんしたそうじゃないですかっ」って俺のトラウマを思い出せやがった。


 あれは俺じゃなくて紅葉の仕業なんだが……。


 今にも声を上げて泣き出しそうな波音ちゃんだった。


 美九音に気付かれれば命は無い。


 背に腹は代えられないよな? 命は大事だもん。


 俺は仕方なく、本当に仕方なく波音ちゃんの脱ぎたてパンツを被って顔を隠し、変態に変態を重ね……違う違うっ!


 変装に変装を重ね変態を装い……違ーうっ! 平静を装い美九音に近付いた。




 

「あ、あのっ! こ、こここ、これ……ください……」


「こちらの商品ですね? あっでもこちらより新商品のこちらの方が自然で良いと評判なんですよ?」


「でも……これ高いし……」


「そうですね、少しばかりお値段は張りますが、こちらの商品ならちょっとやそっとではバレないですよ」


「えと……こ、これなら、もしふ、服の上から、さ、ささ、触られてもバレない?」


「ええ勿論、着衣の上からなら、結構強く触られても絶対にバレません。というかじっくりと見られなければ直に触られても気付かれないですよ。この商品は妖界の新技術【不可視の術式】を従来までは不可能だった透明素材に組み込むことに成功した商品でうすから」




 ……この店って妖界の店だったのか。


「そうですよ知泰さん。妖御用達のお店なんです」





「でもでも良く見られたらバレるよね?」


「そうですね、その心配は少ないですがバレるときはバレますし、激しく動けばズレますし最悪外れもします」


「そっか……」


「はっは~ん。さてはお客様、触らせる予定のあるお相手がいらっしゃる? のですね」


「ち、違っ……くて。ほら? ガッコで着替えるときとか、女子同士で……その、ふざけあったりしますよね? そのとき……バレたら恥ずかしいし……」


「お客様、レズ?」


「違ーーーーうっ! ウ、ウチ……か、かか、彼氏いるもんっ」


 なっ! 誰だよそいつはっ!


「あら彼氏さんにそのちっぱいを触って貰えなくて、それでこんなものを買ってまで彼の気を引こうと……か、可哀想……」


 美九音? お前は一体なにを企んでいるんだ……。


「可哀想な目でウチを見るなっ!」


「そう、そうよね。年頃だもんね。そりゃ彼氏さんも要求してくるし、ちっぱい気にして触らせてあげられなくて、そんなのが続けば仲も悪くなってくるよね。そうかそうか可哀想に……」


 ほんと可哀想な奴めっ! 美九音と結婚した俺だって触らせて貰えないんだから当然だっザマァ―ーーーっ!


「だから可哀想な物を見ているような顔すんなっつてんのっ! ウチの彼氏はそんなことで離れていかないもん! 実は内緒だけど結婚だってしてるんだもん」


「……そっかそっか、彼氏さんずっと我慢させられてるんだね。可哀想な子……」


 ……っ。可哀想って俺の事だったのかよっ!


「ウ、ウチの彼氏は確かにバカで鈍感でヘタレだけど、別に可哀想な子じゃないわよっ」


 いやいや美九音よ。店員さんはそっちの意味で可哀想と言ったんじゃないのだが……。


「あっ! ああああっ! もしかしてあなたまさか九尾の狐? 妖界で噂になっている人間と結婚したあやかしって九尾の狐だったのっ! 噂の妖の人間界での見た目は高校生で蜂蜜色の髪の毛に紅い眼をした妖だって聞いていたけど、あなたの容姿に似ているなぁ……とは思ってたんだよね。まさかあなたが九尾の狐だとは思いもしなかったけどね」


「そ、そうよ。ウチはその九尾の狐だけど、なんか文句あるっ」


「いやまぁ私は別にないけど、でも……妖界では人間と結婚なんて良い様に思わない奴等も多いってことよ」


「ウチにはそんなのどうでもいいことだもん」


「あなたは九尾の狐でしょ? あなたは良くても周囲はね」


 ……やっぱり美九音は俺なんかと結婚なんてしない方が良かったんだ。


 人間の俺なんかと……。


 俺にとってあいつは幼馴染みで久遠寺 美九音で、何時も傍にいた女の子なんだけど、やっぱりあいつは妖でそれもとびっきりの妖、九尾の狐なんだよな? 俺がどんなに美九音は美九音だと言おうが思おうが、それを周囲が許さない。


 俺もまた七霧に知れたら、そう言われるのかも知れないな……。





 To Be Continued

御拝読アリガタウ。

ちょっと? 九尾S2次回は変態乱舞っ!

次回もお楽しみにっ!

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