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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
season2  第一章 どうしてこうなった(´・ω・`) マジで! 最凶俺の嫁 
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どうしてこうなった(´・ω・`) マジで! 最凶俺の嫁 8

こんにちは


雛仲 まひるです。


さてちょっと? 九尾S2第八話で。

ではどうぞ><b

「知泰お兄ちゃん、それほんとなの? そのお姉ちゃんがお兄ちゃんの物ってどういうこと? それって二人は付き合っていて恋人同士ってことなの?」


 えっ? そっちなの? 危なかった美九音の正体の話を聞かれたと思ったぜ。


「じゃぁ美九音ちゃんのことはどうするつもりなの? 美九音ちゃん絶対お兄ちゃんのこと大好きなんだよ? 美九音ちゃんって凄くモテるし沢山、男の子からラブレター貰ったり告白もされてるけど、一度だって受けたことないんだよ?」


 あいつがモテることなんて知ってるっつーの! だから、だからこそ俺は……。


「まぁ知泰お兄ちゃんが美九音ちゃんのこと、なんとも思ってないんだったら、わたしは別にいいんだけどね? だけどもしお兄ちゃんが美九音ちゃんを大事に思ってるなら放って置かない方がいいと思うよ? 好きな人はいるけど、もしも自分のこと本当に大切に、大事に想ってくれる子が居たら、優しさに飢えてたり自暴自棄になってたりしたときにね、なびいちゃう事だってあるんだよ? 女心って複雑なんだから」


 そんなこと……、でもそれはあいつの自由で、あいつが決めることで……。


「あたしが言うのもなんだけどさ? 狐に限ってそれはないんじゃないかな? あたしは狐とそんなに付き合い長い方じゃないけど、ほらあの娘って一度自分が決めたことって絶対に曲げないじゃない? そりゃもう理不尽で我が儘なまでに。狐ってほんと見た目とは逆でネンネなだけだけど、それでもなにに対しても一途な姿勢はいつ見ていても揺るぎないと想うけどな? それに前々から知くんと狐って学校じゃデキているんじゃないかって噂はあったらしいよ? それでも狐に言い寄る男子が多いのは、まぁ知くんがヘタレ過ぎるだけなんだけどね、でもあたしはヘタレなところも含めて知くんが好き」


 未美は一度を言葉を切って、俺の耳元で小声で「そういや噂と言えば……ちょっと? 知くん」と続けた。


 未美はそのまま俺に抱き付いてきて耳元で話し始めた。


「知くんと狐のことで思い出したのだけれど、そういえば知くんと狐の噂、妖界あたしたちで凄い噂になってるよ。あの娘ってさ今は殆ど力を発揮出来ないみたいだけど、ほら? あれで狐はなんと言っても大妖怪九尾の狐なわけだし、その九尾の狐が人間に嫁入りしたとなれば妖界ではそれなりに大事件で、妖界のパワーバランスすら崩れ兼ねない大事なんだよね」


「えっマジで!? もうお前らの世界に広まっちゃってるの?」


「うんまぁね。姫子先生の話では特に妖狐一族は大変なことになってるみたい」


「妖狐一族でって? なんで? そりゃまぁ驚かれはしたけれど、でもさ俺、美九音に連れて行かれた妖狐の里であいつと半ば無理やり結婚式挙げる羽目になったんだぜ? 歓迎してくれている者もいれば、そりゃ中にはそうでない者もいたみたいだけどさ」


「それよそれっ! あたしや狼や犬飼姉妹たち犬神一族や今の狐みたいに妖の中にも人間界に溶け込み馴染んで生活している妖怪も多いけど、基本的には妖って人間が嫌いだし宜しく思ってないんだよね? それで妖狐一族は二分したみたいで、人間を妖狐一族の長に迎えるなんてことは認められないって一派が出てきたみたいなんだよね。まぁそれは妖狐一族に限ったわけじゃないんだけど……」


「なんでまた人間の俺が妖狐一族の長にならにゃならんのだ」


「はぁ~……知くんはさ? あの大妖怪九尾の狐を嫁にしちゃったんだよ? 妖狐一族にしてみれば今も昔も存在の有無に関わらず、九尾の狐は揺るぎない一族の長であって、あの娘は、狐は今現在、例え人間の家族と居て一族を束ねていなくても、それは妖狐一族だけじゃなく妖界にとってもあの娘は大事なお姫様でもあるんだよ。それは狐本人の意思に関係なく、狐本人が望む望まないに関わらずにね。その狐が嫁入りしたのが妖ではない人間で、しかも嫁入りした先が七霧の人間で、更にその相手が七霧の純粋な血統ともなれば妖界に激震が奔って当然じゃない?」


「でもさ? 未美の話を聞く限りでは美九音には危険はないんだろ? 美九音は妖狐一族の、妖界のお姫様なんだから危害を加えられたりはしないだろ? それに七霧って妖に随分嫌われてるな」


 未美は呆れた顔をして「当たり前じゃない。知くんは過去に妖と敵対してきた陰陽師の血筋なんだから。それも今の人間界と妖界の現状を作り出した陰陽師一族の血統なんだよ」と言った。


 言われるまでもない。そりゃそうだ七霧は大昔から妖と対峙してきた陰陽師の家系だもんな。


「危害を加えない? そうとも限らないよ。仮に危害は加えなくても狐を人間から奪還しようとする者はいるかもね? 他の妖は長である九尾の一件で二分した妖狐一族をこの機に乗じて壊滅させるって、他一族だって現れないとも限らないしね」


「あいつが狙われるってことも有り得るっていうのか? 同じ一族からも」


「そりゃね、っつーか知くんも先日、いくしま童子との事件を経験したばかりじゃないっ」


 そうだった。美九音は同じ妖、鬼一族の一党に襲われ浚われたばかりじゃねぇーか。


「もし狐が一族と決別する形になったとして、妖狐一族が無関係を装えばまだしも、もしあの娘、九尾の狐より一族自体の継続を選べば、一族を守る選択をすれば狐を倒し、一族の力を他の妖に示す方法しかなくなるわね。って! 知くんっ? あたしを置いて何処に行くのよっ」


「ちょっと俺の括約筋が決壊しそうになってきた。つまりう○こしたくなってきたから家に帰るっ。じゃぁまたなっ」


「知泰お兄ちゃんっ! 久しぶりに会った来八音を放ってでっぱいお姉さんと乳繰り合って散々放置した挙句、今度は置き去り? しかもわたしの家は逆方向だよお兄ちゃん」


 未美と来八音ちゃんの言葉を右から左に俺は駆け出した。





 来八音ちゃんと出会った場所から推測して、美九音が拗ねると籠るやしろには居ないと踏んで駆け出したものの、あいつが他に行きそうな場所の見当は皆目付いてなかった。


「ちくしょうっ! ……あいつ何処に行きやがった」


 気付けば闇雲に走っただけであることに、今更ながら気付くお馬鹿な俺だった。


 息は切れ今にも砕けそうになる腰を、両膝に両手を突っ立てて支える。


 くそっ。……あのアホ、俺と結婚なんかしちまって、一族はおろか妖界まで敵に回すことになりそうなのに、俺なんかと……ほんとバカじゃないのか? ほんとお前が俺なんかと結婚した理由が詰まんねぇーことだったら許さねぇーかんなっ。


 上がり切っていた息を無理やり整えて顔を上げると――。


 物に隠れるようにしてなにかの様子を窺がっている薄桃色の髪の毛をし、ルーズというか無防備極まりない服装の女の子がいた。


 あいつがここに居るってことは、つまり美九音も近くに居るってことに違いない。俺はそう予想して背後から不審な行動を見せている女の子に背後から近づいた。


 抜き足差し足で気付かれないように細心の注意を払い、背後から女の子との間合いをじりじりと詰めていく。


 読者の諸君、勘違いしないで欲しい。


 決して破廉恥な如何わしい目的で、女の子の背後から気付かれないように近付いているわけではない。


 そして夢中になってなにかを覗き見している女の子の背後に着いて――。


 パチンっ☆


「きゃんっ」


 叩いた女の子の頭を叩きました。背後から強姦魔宜しく女の子に忍び寄り、頭を叩くという下衆な行為をする主人公。だけどこんなでも俺って主人公なんです。


 女の子は驚いた拍子に人間にはあり得ないはずの獣耳と尻尾を出して、ぐりんと振り向いた。


「ご、御主人様?」


 俺を御主人様と呼んだのは大神おおがみ 紅葉もみじと言って狼の付喪神で妖の女の子だ。


「おい紅葉。お前は今、美九音をストーキング中なんだろ?」


「……べ、別に御主人様には関係が無っ――きゃんっ」


 叩いた。もう一度パチンとしてやりました。


「紅葉、お前は今、偶然見付けた、或いは出会った後に美九音のストーキングを始めたその最中なんだよな?」


「……」


「もしかしてお前? 美九音と話もしたろ? 正直に答えなさい大神 紅葉さん」


 もう一度手を振り上げると、大神は狼耳をぺこりと畳んで目を閉じ首を窄めた。


「はい御主人様、紅葉は御姉様をストーキング中なう」


 紅葉ちゃん? あなた何処でそんな破綻した日本語を覚えてくるのかしらねっ! 言葉だけじゃなく、あなたはいろいろと問題のある誤った知識を得て来ていますよ? 絆創膏の件といい。


 そんなことばかりしていると創作に御熱心な正義マンが来て、ある事ない事尾ひれを付けて、ピーチクパーチク某所で鬼の首を取ったみたいに囀られますよ! 大暴れされますよっ! 反論も言い訳も見っとも無いからって放っておいたら、いつの間にか置いてけぼりにされた挙句、なにを勘違いしちゃったのか自己完結されちゃいますよ!


「ごめんなさい御主人様。紅葉は……紅葉は……「狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子」の中でもオリジナリティ溢れる人気キャラになりたくて、キャラ的に他と一線を隔したくてワザと使ってた」


 いやいや、お前はそんなことをしなくても、十分浮いたキャラ設定になっているんだぞ? そんなお前を作者さんは気に入っているみたいなんだから、それ以上とんでも方向で大暴れしないでくれ。


 お前がはしゃぎだすと「狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子」のR指定を見直さなければならなくなるじゃねぇーかよ。


「で紅葉よ、美九音は?」


「あそこ」


 紅葉が指差した先に美九音は居た。




 To Be Continued

ご拝読アリガタウ。


本作品へのご意見、ご感想、評価など頂けるとうれしいです^^

また本作品をお気に入りくださった沢山の方々ありがとうございます。><

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