どうしてこうなった(´・ω・`) マジで! 最凶俺の嫁 6
こんばんは
雛仲 まひるです。
さてちょっと?九尾S2第6話です。
ではどうぞ><b
「そりゃお前みたいな見た目可愛くて綺麗で、センスも良い女の子の彼氏って言われれば俺も鼻が高い」
「ムフフフ♡ でしょでしょ? ウチみたいな子がお嫁さんで彼女なんだから当然じゃん。ウチに感謝していいよ」
「そうだな狐耳だし、もふもふ尻尾有りの嫁で彼女だもん、めっさ可愛いよな。そりゃ皆、羨ましがるに違いないよな?」
「デュフフ♡ でしょでしょ? こんなにも可愛い狐っ娘なんて滅多に居ないんだかんねっ! ウチをいっぱい愛でるといいよ。ウチは妖界ではあんたのお嫁さんだけど、人間界ではあんたの彼女にもなたげるね、知泰♡」
「そりゃ俺も嬉しいよ美九音ちゃん」
「えへへへ。だよねだよね? そりゃ嬉しいよね」
「ああ。だが断る」
人間界でまでこいつに縛られてたまるかっ。
「なっ!? ……と、知泰のバカ、アホ、間抜けっ甲斐性なしっ! ウチのおっぱい返してっ」
おいおい。お前のちっぱいを俺の所為にするんじゃない。
「まぁ聞け美九音。お前はさ? 男女問わず人気者で学園のアイドル的存在なんだぞ。そんなお前と幼馴染みっつーだけで、俺がどれだけの嫉妬に疎まれ、やっかみ言われてると思うんだ? これ以上、俺は敵を増やしたくねぇーよ」
そんなことになったら、平和で凡庸でも楽しいはずの桃色高校生生活がお先真っ暗だっつーの。
「そ、そんなの関係ないじゃん。そんなこと言って本当は他の女の子と仲良くしたいだけでしょ?」
図星っ! この女、ほんと俺の心の中が読めるんじゃねぇーの?
「ウチが……ウチが知泰の味方でいたあげるって言ってんだから、それでいいじゃんっ! それだけじゃ不服なわけっ」
「ばっ、バカ違うってーの。マイペースで積極性の無い俺なんかと一緒にいるだけで、お前の評判暴落すると思ってだな、俺はお前のことを考えて――」
「だったらっ! ……そうならないようにあんたが頑張りなさいよねっ」
「頑張るって具体的には?」
「ほんともっ、少しは自分で考えてよねっ。まぁ例えば昼休みに毎日ニコニコプリンを1ダース、ウチに謙譲したりウチの頭をなでなでしてくれたり、ガッコの人気のないところで、さりげなくウチをぎゅってしてくれたり、ウチの言うことなんでも聞いてくれる良く出来た優しい彼氏になればいいだけじゃん。そうしたら「や~ん♡ ミクミクの彼氏って優し~いっ」「ミクミク羨まし~いっ」って他の女子の間でも評判上がるよ? ウチのあんたに対する好感度も一部上場にしたげるし」
……ミクミクって誰だよ。
「あのさ? お前って本当のところは俺のこと、どう思ってんの?」
「ほぇ? な、なによ急に……バカじゃん」/////
なぜここで顔を赤らめる。
「だってお前の話を聞いてるとさ、俺に対する好感度ってまるで低いじゃん? それなのにどうして妖界だけでの話しだとしても、俺なんかと結婚したいと思ったわけ? 意味わかんね。言っとくけど猫や波音ちゃんたちに張り合って意地張ってって言うなら偉い迷惑だぞ」
「なっ!? バ……バカっ! そんなんじゃ……。あ、あんたなんかウチのことなんて、なにも見てないくせにっ! ウチの気持ちなんか(ry――、な、なにも……わ、わわ、分かろうとしないくせにっ! バカっもう死ねばいいのにっ」
美九音は唇を震わせ目に涙を溜めている、そして透き通るような白い頬を一筋の涙が滑り落ち、その跡をなぞる様に涙をぼろぼろ溢れさせていた。
「もうあんたなんか知らないっ離婚よ離婚っ。短い間でしたけどお世話になりましたっウチは実家に返らせてもらいますっ」
実家に帰るって、ここがお前の実家じゃん。
「で、でもね? ウ、ウチのこと大事なら迎えに来てくれてもいいんだかんねっ……。そのときは離婚……は考えたげてもいいよ?」
ぽろぽろ涙を零しながら子供のように口を尖らせ美九音は立ち上がると、勢い良く部屋を飛び出していった。
いつも思うけど美九音、お前のツンデレはうぜぇー。
何年かぶりに美九音をマジ泣きさせてしまった。あとが怖い。
俺もちょっと言い過ぎたかもな? いくらあいつが負けん気が強くて理不尽でも猫や波音ちゃんと張り合ってってだけで結婚するとか言わないよな?
となれば善は急げ、早めにご機嫌を直して貰わないと俺の命に関わり兼ねないので、暫くして美九音の様子を見に行くことにした。
コンコン。
美九音の部屋をノックしてみたが返事は返って来なかった。
「美九音? 俺もちょっと言い過ぎたごめんな。あのさニコニコプリン買いに行くけど、お前も行く? お詫びにっちゃなんだけど奢ってやるからさ」
あれ? 返事が無い。
どんなに機嫌が悪くてもニコニコプリンをちらつかせると剥れながらでも何らかのアクションがあるのに、機嫌良くなるのに、あいつ今日に限って相当剥れやがるな? 余程ご立腹のようだ。
仕方ない。返事がないまま部屋に立ち入るのは気が引けるが、こうなりゃ強行突破だ。
部屋のドアを開けようとノブを回した。しかし鍵が掛かっていて開けることが出来ない。
ちょっと残念な気持ちになる、実は俺、ちょっと美九音の部屋って興味あるんだよな。
部屋の家具なんか入れ替えるときや小物なんかは、いつも買い物に付き合わされているから、あいつのセンスが良いのは知ってるのだけれど、考えてみれば俺ってあいつと幼馴染みだけど、一度もあいつの部屋に入ったことないんだよね。
あいつの性格だとぬいぐるみとかがいっぱい置いてある女の子らしい可愛い部屋じゃないだろうな? きっと荷物の少ないさっぱりした部屋だと思うんだ。
まぁ根拠は無いけど。
暫くドアの前で美九音を呼んだけど、返事が無く諦めて戻る途中で小五音さんと擦れ違った。
「あらあら知泰君もう大丈夫なの? ごめんなさいね、酷い目に遭わせちゃって。私が手伝ってあげれば良かったのだけれど、あの子どうしても自分一人で作りたいって言って聞かなかったから、ほらあの子って言い出したら聞かないでしょ?」
「……おばさん美九音は?」
「美九音なら着替えて今し方、外に飛び出していったわよ。なにかあったの?」
「ええ、ちょっと喧嘩しちゃって……」
「あらあらまぁまぁ仕方ないわよね。知泰君もあんなの食べさせられちゃね」
「いいえ、あの……、俺ちょっと美九音探してきます」
「はいはいお願いね」
小五音さんの言葉も半ばで俺は玄関を飛出した。
まぁ美九音が拗ねたときに行きそうな場所は大体見当は着いている。
あいつは拗ねると十中八九、神社の社に篭るからな。
美九音の家を出て鳥居を潜り、おきつね様が祭られている社に向かう石敷きの階段下に差し掛かったとき、視界の先に蜂蜜色の長髪を後ろで纏めた人物が映った。
ちょうど階段の向こうの四辻を左に曲がるところだ。大よその距離は300mほどある。
慌てて追い掛けると、あいつの意地っ張りな性格からして、俺に気付けば逃げやがるだろうから、早足で追い掛けることにした。
角に差し掛かると俺はブロック塀から顔を覗かせ左側の様子を窺った。
蜂蜜色の長髪を後ろで纏めた人物は俺に気付いた様子はなく、ゆっくり歩いている。
その跡を追て気付かれないように背後から忍び寄り、あと1mほどまで距離を詰めた。
なんだかとても変質者チックな行動であるが、そこは割愛して欲しい。
「な~んだ、来八音ちゃんかよ」
「いきなりなんだはないでしょ? 知泰お兄ちゃん」
「ああごめんごめん。えと、久ぶりだね」
「はぁ~。来八音と美九音ちゃんって年は違うけど、双子みたいにそっくり姉妹なんだよ? しかも今日は来八音、ツインじゃなくてポニテにしてるし。ねぇ、なんであたしが美九音ちゃんじゃないって分ったの? ほんとよく分ったよね」
「う~ん。なんとなくかな?」
「いやいや、なんとなくで分んないって、同じ髪型にした後ろ姿だけ見て分るわけないよ。パパとママだって、そうすると見分けらんないんだから」
「でも俺は分るよ」
「ふ~ん。ねぇ知泰お兄ちゃん。来八音に聞きたいことあるでしょ?」
「えっ? 別にないよ」
「はぁ~。……美九音ちゃんも大変だわ、こりゃ」
「なんか言った?」
「別になにも……。ところで美九音ちゃんのこととか知りたくない?」
「おうっ! そうだった。来八音ちゃんさ、美九音と会った?」
「鈍っ! 超激鈍っ。なんで今日は来八音がトレードマークのツインじゃなくて、美九音ちゃんのトレードマークのポニテにしているんだと思う?」
「さあ~?」
「もう死ねよっ! お前っ」
「ええっ? 来八音ちゃんなにいきなりキレてんの? 来八音ちゃんまで美九音みたいなこと言い出したっ」
「もう喋るなっ鈍感っ! ほんとバカじゃん。美九音ちゃん可哀相」
俺ってば高2男子にもなって、中学生女子にマジギレされた。
To Be Continued
ご拝読アリガタウ。
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ではでは、次回をお楽しみにっ!




