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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
season2  第一章 どうしてこうなった(´・ω・`) マジで! 最凶俺の嫁 
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どうしてこうなった(´・ω・`) マジで! 最凶俺の嫁 3

こんばんは

雛仲 まひるです。


週一くらいの更新を予定していたのだけれども、今週から暫く仕事の方がめっさ忙しくなります。


で、今回予定を繰り上げて「ちょっと? 九尾」のS2第3話を投入しときますね^^

出来れば週末にまた更新するつもりではいますよ。><b


さて、もうS2が始まってからデレっデレの美九音ちゃんですけども、今回もイチャイチャです。

もうイッチャイッチャです。

が、知泰の方はなんだか災難を被っているようですけどね。


ではどうぞお楽しみくだされ><b


 美九音の後を追ってリビングダイニングに向かうとテーブルには、新聞を広げた寝間着姿のたまきさん、つまり美九音パパが既にテーブルに着いていた。


「あの、おはようございます。えと、暫くお世話になります」


 環さんは「おはよう」と短く答え、俺を一瞥して新聞を捲った。


 うわぁっ! 超気まずいんですけど……。


 なんだか娘に初めて彼氏を紹介された父親になってるよ、この人。俺の事は小さい頃から良く見知っているだろうに。


 でもあながち間違いでもなく妖界だけの話とはいえ美九音が俺の嫁になった。半ば無理やりだったけど。


 無論、人間界での婚姻は美九音は兎も角、俺の年齢が達していないため認められるはずも無く、一応幼馴染み? ってポジションは変わらないで日常を過ごすことになるだろうけどさ。


 そんなこんなで「お宅のお嬢さんを頂ました」……あれ? これだとなんか違う微妙にエロ臭を感じるな? 「お宅のお嬢さんは僕の嫁になりました」「お宅のお嬢さんと結婚しました」……上手く言えないけどまぁいいや、兎に角報告するわけにもいかず、美九音の両親に対して後ろめたい気持ちもあるんだよな。


 後ろめたい気持ちもあって、環さんを横目に窺いなら俺もテーブルに着いた。


「はい知泰。あんたのごはん、よそったげたから感謝しなさいよね」


 テーブルに着いて言い知れぬ緊張感で身体を強張らせていると美九音が、ごはんをよそって差し出してくれた。


「おう。サンキュ美九音……お前それ?」


 あれ? 今、美九音の手……絆創膏だらけじゃなかった? なんであんなに絆創膏を貼ってんだ?


「なに? なんか文句あるわけ」


「いや別に……」


 美九音の手に無数に張られた絆創膏が気になりつつ、とある事件を思い出した。


 そうそう絆創膏といえば大神おおがみ 紅葉もみじに襲われた日のことを思い出すよなぁ~。後で大神に絆創膏所持の件について一応聞いてみたのだけども、あいつマジで絆創膏を下着だと思ってたらしい。


 大神 紅葉さん曰く「だって女の子は月の大体決まった日に股間から血が出て来るから、その時に張る下着、あと普段も服にB地区が擦れると擦過傷さっかしょうになって痛いから貼っている」だって、あいつ絆創膏の使用法について愉快な勘違いしてやがった。


 いったいあいつはなにを知識元にしているんだ?


 すまんすまん。つい横道に逸れてしまうのが俺の悪い癖だよな。


 話を戻すけどテーブルに並べられた久遠寺家の朝食はってーと、一般的な日本の朝食って感じだ。


 白米のご飯に、ここら辺では夏場は定番の赤味噌を溶いた油揚げと茄子、わかめを具にしたお味噌汁、そして焼き魚に漬物、海苔と生卵、納豆は環さんの所にだけ用意されていた。


 ここら辺では余り納豆は朝食の定番じゃないんだよ。


 まぁ最近は美容と健康にって食べ始めて嵌る人もいるけど、俺も美九音も好きじゃないし寧ろ嫌いだし、七霧家や久遠寺家ではむかしから余り出されないんだ。


 七霧では姉貴が美容にいいからって食べるくらいかな?


 そんな日本の朝食を中心にした中に、ちょっとこの和風メニューには似つかわしくないいびつな形に乱切りされた夏野菜の洋風サラダがサラダボールに盛られ、それぞれ人数分の皿に卵? と切ったハム? を焼いたハムエッグみたいな物が並べられた。


 きっとこれは美九音ちゃん作に違いねぇーな……危険なオーラを感じるもん。


 っつーか、これだけ作るのにどんだけ時間掛かっているんだよ、こいつは。


 でもまぁ丸ごと野菜サラダからは随分進歩したもんだ。やっと野菜を適度なサイズに切るってことを学習したかよ。


「頂きます」


 先ず味噌汁を啜る。


 ああ……これがお袋の味か、うめぇー。


 俺ってばお袋の手料理なんてほとんど食ったことなかったんだよね。七霧には専属の調理人が居たし、お袋は殆ど料理なんてしなかったからさ。


 でもこう見えても俺、今は料理出来るんだぜ? ひとり暮らしを始めてからは自分で料理を作ることで覚えた、ラーメンとかカレーとか、あと味噌汁とか。


 凄いだろ? 湯を入れたり湯の中に入れたりするだけで3~5分も待てば出来るし味噌汁なんか直ぐに出来るんだぜ? 


 コンビニに行けばラーメンに関しちゃ沢山種類が並べてあるし、スーパー安得にはカレーだって数種類揃ってるし、なにこの便利な世の中?


 でも家庭の味なんて何年ぶりだろう? もう何時の日だったかなんて思い出せねぇーよ。


「はい知泰、サラダ取ったげたよ」


 なんと甲斐甲斐しくもあの美九音がサラダを取り分けてくれた皿を置いてくれた。


 サラダを取り分けて貰った皿に手を伸ばそうとしたとき、また妙な視線を感じて正面に座っている環さんに視線を移すと、人を射殺せそうば眼つきで俺を睨んでいた。


「お、おう。あ、ありがと……美九音」


「どういたしましてっ、知泰」


 美九音から元気な返事が返ってきた。


「美九音ちゃん? パパもサラダ欲しいなぁ~」


「あっそ、勝手に食べれば」


 ニコニコ顔で素っ気無い言葉を返す美九音ちゃん。


 き、気にしない気にしない。


 愛娘の冷たい仕打ちに項垂れる環さんは見なかったことにして、ご飯を頬張りながら焼き魚を箸で捌いていると……なんだかまたまた今度は全方位から複数人の妙な視線を感じる。


 顔を上げると箸の先を口に咥えたままフリーズ状態の美九音が慌てて、ご飯に手を付け出すし周りを見渡して見ると環さんは魚の骨を摘んだまま怖い目をしたままフリーズしてるし、小五音さんはニコニコ顔で俺を見ていた。


 なんなんだ? 食事をするなのにこの緊張感は。


 気を取り直して好みのドレッシングを掛けてサラダに箸を付け口に運んだ。


「お、美味しい?」


 緊張気味に美九音が問い掛けてきた。


「うん、まぁ美味しい」


 美九音の顔が瞬間的に華やいで直ぐに仏頂面ぶっちょうづら に戻った。


「そ」


 そしてなんとなく顔を赤らめながら、素っ気無い返事を返して来た。


 なんだ? こいつ。


 そして環さんを見ると涙目になっていた。


「ハ、ハムエッグも食べれば? 温かい内に」


 箸を止めていた俺に催促する美九音ちゃん。


「お、おお」


 食べ辛れぇー、なにこの雰囲気? 超食べ辛いんだけど……。


「み、美九音ちゃんパパも頂くよ? 美九音ちゃんが初めて作ってくれたハムエッグ頂くよ?」


「勝手にすれば。ねぇ知泰、あんたも早く食べなさいよ」


 環さんの宣言にも冷たく素っ気無い口調で返し「うるさい食べるなら食べなさいよ」的な視線を向けたあと、弾んだ声で俺に早く食べろと再び催促をする美九音は、なんだかとっても気持ち悪い笑みを浮かべていた。


 からっからからっから~ん。


 なんか陶器がひっくり返った時に出るような甲高い音がして、音のした方に視線を向けると環さんが手は、そのままに箸を落として涙を流していた。


「美、美九音ちゃん? パパ食べるよ? ほんとに食べるからねっ」


「そ? 勝手に食べればいいよパパは」


 再三の愛娘から受ける冷たく素っ気無い言葉と「ああもうっ、うるさい勝手に食えよ」的な視線に、がっくりと肩を落としてテーブルに転がってた箸を拾った環さんは、継いでハムエッグを一気に口に放り込んで……。


 がたっ、がたっがた~ん。


 勢い良く椅子を倒して立ち上がり、涙を浮かべてダイニングを立ちリビングを通り抜けて足早に出て行った。


 愛娘の手料理を食べて感極まったのか? 単身赴任先ではもう一人の愛娘、つまりは美九音の妹、来八音ちゃんの手料理食べてるんだろうに、まったく大袈裟な人だ。


 いやいやいや、俺は美九音がたまに朝食にスクランブルエッグを作ってくれることがあるし、その時は絆創膏なんてしてなかった。


 だからその時までは、こいつもちょっとくらいは料理しているんだと思ってたのだけども、そういえば丸ごと野菜サラダとか出て来たしなぁ? 


 もしかしてあの目玉焼きは小五音さんが作った物を持ってきていたのか? 目玉焼きをスクランブルエッグとか言ってたし、極々遜色ない出来栄えの目玉焼きと丸ごと野菜サラダの出来栄えのギャップに、一抹の不安は抱いていたのだが今やっと合点がいったわ。


 だとすると環さん涙目にはなっていたけれど、って言うよりなんだか血相変えて飛び出して行ったって表現の方が正しい気がしたよな? あれは多分――。


「あはっ♡  パパってば嬉しくて涙流してたね。そんなに娘の手料理食べられて嬉しかったのかな~♡ 」


 ……いやいや違う違う違うっ! それはきっと美九音の勘違いだっ。あれは違う絶対違う、あの涙は感激の涙以外のなにかだ。


「ねぇー知泰も早く召し上がれ♡ あんたもウチが作ったげた料理を食べて歓喜の涙を流すことを特別に許したげる」


 元気はつらつ、ちょーご機嫌麗しい美九音ちゃん。


 なんだ? こいつの自信に満ち溢れた満面の笑みは……その自信は何処から来る? もしかして新婚早々、ヘタレ旦那であるところの俺の毒殺でも企んでいやがんのか? 待て待て早まるな美九音、高額保険金なんて入ってねぇーぞ俺は。


「ぅんもうー早く食べれっ? それっか~あはっ♡ もしかして知泰はウチに「はいあ~ん♡」ってして欲しいの? ヤダちょっと可愛いかもっ♡ じゃあ~「はいあーん♡」ってして食べさせたげようか?」


 疑惑のハムエッグをひと口サイズに切り分け、箸に挟んで持ち上げるニコニコ顔の美九音ちゃん。


 そして……。


「はい知泰。あ~ん♡ して、はいあ~ん♡」


 なんだこの身に迫る危機感と圧迫感のある「はいあ~ん♡」は? 可笑しい絶対になにかが可笑しい。「はい、あ~ん♡」のイベント発生って、もっとこーう恥ずかしくもあり、何気に嬉しいイベントじゃねぇーの? 


 それなのに今の俺はまるで第二次世界大戦開戦時に米国からハルノート突き付けられた日本みたいな心境だぜ。


 さっきこれを口にした環さんのリアクションを見た後じゃ、どうにも喜べねぇーし傍には小五音さんも居るから余計に恥ずかしいし出来るわけがねぇーーーーっ。


 ふと視線の先には先ほど飛び出して行った環さんがリビングの入り口で俺に熱い視線を送っていた。


 なにしてんのあの人? 


 俺が首を傾げると環さんが全身を揺らし、手足を不規則に動かしながら不思議な踊りを踊り出した。


 何処かでモンスターにでも出遭ってパルプンテでも唱えられて来たのだろうか? まぁいいや変なおっさんには気付いてないことにして放っておくことにする。


「ちょっと? 知泰、早く口を開けなさいっ。ウチが折角、はいあ~ん♡ ってしたげてるのにっ」


 っつーか美九音ちゃんの様子が何時もと違い過ぎて、これはこれで怖いものがあるし正直、気持ち悪い。


 いったいどうしちまったんだ? なにか拾い食いでもしたの? まさか……お前って実はこういうのに憧れてたの?


 徐々に近付いてくるハムエッグと箸を持つ美九音の指に貼られた絆創膏だらけの手がいよいよ口に迫って来た。


 ちっ。そうかこの絆創膏は……。


「ほらウチの手料理食べたいでしょ? はいあ~ん♡ 」


 えぇええいっ! ままよっ。


 俺は覚悟を決めて口を開けたね。


 えい、パク。租借そしゃく租借そしゃく租しゃ(ry……あれ? 俺の知っているハムエッグの味がしねぇー? どう調理したらハムエッグがこんなに劇的な味に変化するんだ? 


 一言で言えば、言ってしまえば美九音作のハムエッグは口に入れた瞬間、凄まじく刺激的なピータンみたいな味がし(ry。 


 からっからからっから~ん。


 ――ツゥーツゥーツゥ……危なかった……ひと口食べただけで危うく意識がブラックアウトしそうになった。


「ウチが初調理したお料理食べれてお箸落としちゃうくらいに嬉しい? そんなに美味しい? えへへウチって案外良いお嫁さんになるよね。これからも頑張って作ったげるからね♡」


 お前って素で凄い勘違いするよな?


「はいもっかい、はいあ~ん♡」


 ……ヤバイ、次はあれを口にして意識を保てる自信がねぇ。でも……美九音の嬉しそうな顔と手の絆創膏を見たら断れねぇーーーーっ。


「はいあ~ん♡ パク」


 にっこり微笑み嬉しそうな美九音の顔を見た瞬間、恐るべしハムエッグみたいななにかに俺の意識は根こそぎ刈り取られ混沌の底へと持っていかれた。




 To Be Continued

ご拝読アリガタウ。


次回もお楽しみにっ!


本作品へのご意見、ご感想、評価、お気に入りなどお待ちしております。

感想などは本来お願いするものではなく、作品に対して自然に生まれて頂くものなのですがね。f^^

まぁしゃ~ねぇな、面白しこういう雰囲気好きだし一丁書いてやるかなっていう奇特……×、残念……×、心優しい方は書いてやってくだされっ><


頂けると大変美九音ちゃんが喜びます。

いやごめん><僕が喜びますが、なにか?(`・ω・´)


うんいつかはそんな作品が書けるように、また「ちょっと? 九尾」そうなるようにが頑張りますっ。


ではでは。

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