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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子(裏) 注意:狐2ndシリーズではありませんよ?
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ちょっと? 九尾な女の子(裏) 4

こんばんは

雛仲 まひるです。


ちょっと? 九尾のファーストシリーズ第一章をヒロイン美九音視点で描いた物語となっております。


本編をご拝読くださった皆様へ。

狐(裏)でのデレッデレ美九音ちゃんで萌え死んじゃってくださいw←無理です。


いやいや、嘘です。^^

ほっこりするように泣けるように書きたいのですがなかなか苦戦してます。f^^

結構純愛の美九音に描きたいなと思ってます。

基本ラブコメディー作品なんですが、本編と違い純愛要素に重点が行ってますから、本編での美九音心情を知りたくない方は、読むのをお控えくださいね。


ではでは。どうぞ><b

「七霧古神道術噛みました? 七霧退魔術正露丸 いちあら? 噛みました“わしゃ”ってなんだ?」


 !? あっ、噛んだ。


「七霧家のあんたが噛むなぁ!」


 っつーかこの物語の突っ込み担当はあんたでしょっ! 思わず力いっぱい突っ込んじゃったじゃないのよっ! ウチがボケ担当なんだから人の、妖だけど人の担当に入り込んでくんなっ。 


 ウチのおいしいところ持ってくなっつーの! これは死活問題よっ。


「でも良かった。……あんたはまだ知らないんだ。まぁ知泰は知らなくていいことだから……」


 ウチはほっと胸を撫で下ろし息を吐いた。


「よかねぇーよっ!」


 いいんだよ知泰、争い事を拒むあんたは知らなくてもいいんだよ。


 人と妖が共存する現在で人と妖が争ってた時代に七霧が妖に恐れられた理由もその術も今となっては新たな火種になるだけなんだから。


 でももしかしたら……もう始まってるのかも知れないね? だったら――。


「もう一度言ったげようか? 古神道術神纏い。七霧退魔瞳術四魂眼 一ノ荒神纏い“夜叉”」


「なんじゃそりゃ? 聞いたこともない」


「でもそれでいいじゃん。きっと知らない方が知泰にとっては……」


 あんたは今はまだ知らなくてもいいことなんだよ? でももしあんたが望むなら、望むときが来るなら、あんたが本気で守りたいと思うものがあって、力が欲しいと思うときが来たときのために……ウチはその時に下す、あんたの意志と判断に任せる。


「なんだよ、お前まで……」


「……なんでもない知泰は、ただウチを助けるために退魔師と妖に向かってくれただけ、それだけでウチはいいの。十分嬉しかったもん」




 沈黙が続いている。


 突っ込み気質の知泰が一言も喋らないでいるなんて珍しいよね? なにかを考えているのかな……。


 首に掛けたネックレスチェーンの先にぶら下がるトップを手に真剣に考えている知泰の横顔を横目で――。


 ///// ヤバ……ちょーカッコイイかも。


 あっ……御守り。


 普段はシャツに隠れてチェーンしか見えなくてペンダントトップだとばかり思ってた御守りを見て、ふと唐突にあのときに知泰に言った言葉を思い出す。


“狐はね。かくれんぼが得意なんだよ。だから妖に見つからないように毎日毎日、この御守りをつけていてね。約束だよ”


 忘れていた――いや忘れてないけど、あれから長い時間が経っていて、あの御守りはいつの間にか意識の外になっていたってこと。


 真剣な顔をしていた知泰が首から下げた御守りを手に握りって一瞬、少しだけ笑んだように見えた。


 ウチがあのときにあげた御守り……持って、いてくれたんだ。


 約束、守っていてくれてた……。


 やだ……顔がにやけちゃう、なんだか頬が熱い。


 嬉しくて、なんだか恥ずかしくなって知泰から顔を背け、膝に顔を埋める。


 ねぇ知泰。今なにを考えているの?




 ザァザァザザ、ザァザァザザ。


 近くに植えられた植木の辺りから草木を揺らすこそばゆい音がした。


 驚いてビクッと体が跳ねる。


「ニヤァーゴ」


 なんだ……猫か。あれ? なにこの感じ変。


「不味いかも……。このままじゃあいつが無雑作に垂れ流してる妖気に引き寄せられて、多くの妖が集まり出すかも。そうしたらあいつが興奮して暴れ出してガッコなくなっちゃう……。皆死んじゃう」


 数瞬の間があって知泰の言葉が耳に届いた。


「なぁ美九音」


 ほんの数瞬間があっただけなのに、長い沈黙があったあとだからか知泰の声がなんだかとても心地良い。


「なぁーに?」


 顔を上げて知泰を見る、普段締まりのないゆるい表情しか見せない彼が真剣な顔をして、いつもより1トーン低い落ち着いた声で言葉を紡ぎだし始めた。


「あん時の事、俺がお前を見つけた時に俺はいったいなにをした? お前は知ってるんだろ? なら教えてくれ」


 うわあっうわあ、ヤバっマジで惹き込まれそうになっちゃう。



「だって……もし知ったら、もし知泰があの力、七霧の力のことを知っちゃったら、もう……知泰は定めに抗えなくなっちゃうもん」


 そんな力強い目でウチを見ないで、意志が――ウチの意志が揺らいじゃう。あんたに期待しちゃう。



「美九音? ちょっといいか」


 知泰の力強くて優しい声が……。


「うん」


 胸の奥に溶け込んで心地良く響いてくる。


「目、閉じろ」


 知泰の強さと優しい気持ちが伝わって来て蕩けちゃいそうになる。


「こ、こう?」


 どこまでも力強くて優しい知泰の声……ああ、今なら素直な気持ちになれる。

 

 To Be Continued

ご拝読アリガタウ。


次回もお楽しみに。


今後の参考に本作品へのご意見、ご感想、評価など貰えると嬉しいです。

またお気に召しましたらお気に入りくださると喜びます、僕が(´・ω・`) 

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