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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子(裏) 注意:狐2ndシリーズではありませんよ?
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ちょっと? 九尾な女の子(裏) 3

こんばんは

雛仲 まひるです。


ちょっと? 九尾な女の子(裏)3となります。


ではどうぞ><b

「もっ……ったく、どうしたらあんな勘違い出来るわけ? スケベ、変態っ! もう信じらんないっ。……ほら今度こそちゃんと見なさいよねっ」


 ぅんとにバカっ! 見たいなら一緒にあんたの部屋で勉強しているときに襲い掛かりなさいよねっ! もっ! あんたってばなんでこんなところで見たがるかな~? もしかしたら他の子にも見られちゃうかもしんないじゃん。


 ……それとも知泰は他の誰かに見られても平気なの?


 知泰の様子が気になって表情を窺ってみた。


 ……あら、随分と男前になってるわね? これからあんたのことジャガイモ男爵って呼んであげるわ。まぁこれウチがフルボッコにしたんだけど……、でも仕方ないじゃん。ムカついたんだもん。


「って言われても、瞼が開かないんですけども……」


「ほんと肝心な時にないやってんの? あんたはっ! ぅんと使えないわねっ」


「酷いっ! なにも糞もこんなになるまでフルボッコにしたのお前じゃん」


「つべこべ言うなっ」


 まぁこれで当分の間はこいつに寄ってくる女の子もいないでしょうね。(満足)


「はい」


 涙を流しながら、懸命に瞼を持ち上げる知る泰の姿に、ちょっぴり罪悪感を感じながら、指を使って目を開けた知泰が鬼の姿を捉えたみたい。


「なっ……なんじゃありゃ!?」


 おそらく知泰の視線の先には酒の飲み過ぎで肝臓の病気を患ったおっさんみたいな肌色をした。


 2mを余裕で超えるでっかい天然パーマの微妙に禿げ散らかりかけたおっさんが、虎ガラパンツ一枚というほぼ全裸で闊歩する鬼がいるはず。


「あんたてばほんとバカじゃん? あれは鬼よ。黄鬼って言って、まぁ鬼の一族では低級妖だけどね。このまま放って置いて何もせず何処かに行ってくれればいいけど暴れ出したら被害でるわよ。あいつ等、馬鹿力だから」


「どうすんの?」


「そだね。暴れ出しちゃう前に追い払うか、やっけちゃわないとダメかもね」


「……あの、暫く様子見ることにしないか? ほらあいつこのままどっか行くかも知んないし、こっちから刺激することもないだろ?」


「う……うん」


 知泰の申し出で、ウチらは木陰に潜んで鬼の様子を暫く窺うことにした。


 知泰は争うことを何時も拒む。誰だって争いたくなんてないだろうけど、こいつはきっと気にしているんだ。


 仕方なかったことだといえ、大好きだった家族と争わなければならなかったことを……。


 幼かったあの頃の知泰は大きな運命の流れに言われるがまま、流されるしかなかったんだ。そしてウチもまだ幼かったから知泰になにもしてあげられなかった。


 でも少しだけ大人に近づいたウチらなら、あの頃と違う選択を出来るのかも知れない。


 でも時間は戻せない。


 だからウチは……。




 暫く様子をみていると、とあることが頭を過ぎった。そう感じると鬼はなにかを探しているように見えた。


 もしかして……、七霧の秘術を覚醒できる知泰の存在に気づいた? まさかね……。


 今、知泰はウチと座敷童で作った御守り(結界)で、あやかしは知泰が秘めた力の存在には気づけないはず……、見つかることなんてあり得ない。


 もしかすると……、知泰の家柄と七霧の秘術を知っている何者かが妖に情報を流してるのかな? 


 もしそうだとすると……情報元は――いやいや、憶測は憶測に過ぎないし、あとでゆっくり考えればいいこと、今は目の前にいるあの鬼をなんとかしなくちゃ。


「なぁ?」


「なに?」


「低級妖くらい今のお前でもなんとか出来るんじゃね? なんたって大妖怪九尾様なんだからさ」


 今は――。


「……無理、かな?」


 知泰、そんなに残念そうな顔しないでよ。


 そんな顔されたらウチ、あんたの前でちょっとイイとこ見せたくなるじゃない。


「完全覚醒してないっても、そこいらの妖なんかより、遥かに強いと思ってたんだけどなぁ……」


(怒)


「バッ、バカにしてんの? 言っとくけど九尾の妖力って洒落になんないくらい膨大なのよっ! 加減するのが難しいのっ」


「だったらチャッチャとやっちゃえよ」


 んもっ! ウチの苦労も努力も知らないくせにっ。


「だーかーらーっ。それなりに出来ない理由があんだってば、なんで分かんないかなぁー?」


「ほらウチはさ? ほんのちっぽけな殺生石の欠片から復活したの……そ、その――ち、ちっちゃいのよ……」


「胸が?」


 こ、こいつ、気にしてることを……あとで殺すっ。


「ふっ……。ゆっくりお話ししましょうかぁー知泰」


「悪かったっ。許してください」 


 


 ちょっとウチのおっぱい事情……間違えたっ。><


 今、ウチが身をおいている状態を知泰に説明していたとき、ふと昔のことを思い出した。


「ねぇ? 知泰は覚えてる?」


「なにをだよ?」


「えとね? ウチらが小さい頃の事、小四の夏休みだったかに、あんたの、七霧の生家に清涼しに行ったことあったじゃん」

 

 そうまだこいつん家で当主争いなんか始まってない頃のこと、小学4年生のときの夏休みにウチん家と知泰ん家、そんであやちーん家とで、知泰ん家の生家に清涼に行ったときのこと。


 知泰と二人で山ん中の川で遊んでいたときウチは、はしゃぎ過ぎて九尾の姿を晒しちゃって、それが土地の妖と陰陽師に九尾の妖気を気取られ、そのあとウチは追われることになったんだ。


 まだ幼くて妖力も加減も出来なかったあのときのウチは、ただ逃げることしか出来なくて、ひたすら気配を消しながら逃げて隠れた。


 何時の間にか知泰とはぐれ、心細くなって泣いてたウチを知泰が見つけてくれたんだよね。


 ウチを見つけた知泰が、何時も優しい知泰が、あの時に見せた怒こった顔を今もウチはちゃんと憶えてる、よ?


 そして、あんたはウチのために妖と戦おうとしてくれた。そして陰陽師とも。


 もしかしたら、また……。


 「古神道術神纏い。七霧退魔瞳術四魂眼 一ノ荒神纏い“夜叉”」


 ウチは昔、知泰が助けてくれようとしたことを思い出して、ついつい嬉しくて七霧の秘術の術名が口を吐いて出てしまった。



 To Be Continued

ご拝読アリガタウ。


本作品に対するご意見、ご感想、評価など下さると嬉しいですf^^


ではでは


次回もお楽しみにっ!

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