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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
第四章 ほんとは? 腐っても狼っ娘
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腐っても狼っ娘 5

こんにちは

雛仲 まひるです。


さて、帰宅した知泰の夏休みが一変する出来事とは?


はいどうぞ><

 我が愛しの美九音ちゃんのお怒りも静まった頃だと踏んで、念のためにあいつの大好物であるところのニコニコおはよー∠(#`Д´)/プリン1ダースを手に夕方、我が家に帰ると。


 ……あれ? 家が無い。


 っつーか黒文字で“KEEP OUT”と書かれ黄色いたテープが貼られてるんですけどもっ、これなにっ。


 信じられない光景を目の当たりにしてもう一度辺りを見渡してみた。まさか自分の家を間違える程、流石の俺も馬鹿じゃない。


「えと……あの神社が美九音ん家で、あっちの建物が七霧の屋敷だろ? そしてこっちが陽麟学園女子寮って……っておいっ! 俺ん家何処行った」


 ORZ


 眼前にあるのは元俺の家らしき残骸の山であった。


「あはははっ……あぁ~あ」


 ORZ


 間違いねぇーこの無残に瓦礫の山に成り果てているのは、以前俺の家だった物だ。


 っつーか俺のパソコン……何年もの月日を費やし集めた秘蔵画像が、魅惑表記コレクションに男と女が裸でくんずほぐれずしているDVDが……、体重計29号くんが……。


 待て俺ってばいったいなんの心配してんだよ? そんな呑気な事を心配している場合じゃねぇー。


 仕切りテープを潜って我が家だったらしき物に近付こうとした時、不意に若い女性を声を掛けられた。


「毎乳テレビの者ですが、もしや貴方はこの家の家主さんでしょうか?」


「ええ、そうですがなにか?」


「さぞ驚いておられる事と存じますが、目撃者の証言から人外の仕業ではないかと噂されていますが、どの様に思われますか?」


「はははっ、そんな馬鹿な」


 マジかよ……。


「時にあの如何わしい雑誌やDVDの山、あれは貴方のコレクションなのでしょうか? 大切な物を失われた悲しみ人事の様に思います」


 人事かっ! 


「それにしても物凄い量のエロDVDですね? タイトルが……プッ」^q^


 顔を真っ赤にして失笑するレポーターのお姉さん。そして俺の秘蔵コレクションに近付くカメラの人。


 あっ……、俺の秘蔵コレクションを全国ネットで流してるんじゃねぇー! 大慌てでカメラマンに駆け寄った。


 男子高校生のベッドの下事情を漁るかーちゃんかよっ! お前らはっ。そんなもん全国ネットで流された日にゃー、いち童貞高校生が夢見る彼女作ってキャッキャウフフな学園生活を世紀末に変えるつもりかっ!


「なに勝手に撮ってんだ。帰れ帰れっ」


 瓦礫から棒切れと地面に落ちていたクッションンを叩いて、誇りを舞い上げながら撮影班を追い出す。たくもう最近の報道は被害者の気持ちを逆なでする悪質なものも増えて嫌になるぜ。


「やぁ七霧君」


「今度はなにっ!」


 振り向くとイケメンスマイルを振り撒き声を掛けて来たのは間崎まざき 正宗まさむねだった。こいつも先日海で出会ったばかりの奴だ。


「間崎、お前がなんでここに居んの?」


「調査ですよ」


「調査?」


「御主人様。これはあやかしの仕業。でもなにかが変」


 御主人様? 誰だっ俺を御主人様などと呼ぶ奴は嬉しいじゃねぇーかっ! うん? この声は確か……昨日俺を襲ってきた妖……大神、大神 紅葉だ。


「大神までなんでここにいるんだよ。お前は美九音と一緒じゃなかったの? っつーか何時の間にメイド服に?」


「私は御主人様の性奴隷になったのだからメイド服は必須。それに御姉様が知泰を頼むと仰いましたので、私は御主人様の傍で昨夜より待機して居た」


 性奴隷とか言ってるんじゃねぇーよ、要らん誤解を招く言葉を交えるんじゃないっ。俺は女の子にメイド服着せて「グゥエッヘッへ」とか「萌え萌え~」とかあんな事やこんな事をして喜ぶ変態かっ。


 それに誰が御姉様だっ。って御姉様? あっ……そっか美九音の事だな、そういやこいつ女子なのに女の子が好きだったんだっけ。


「美九音が?」


「そ。それと御姉様から伝言」


「伝言?」


「『その子に手を出したら殺すから』と仰ってた。御姉様……私の〔パキュ~ン〕を心配して♡ 心配しなくても私は御姉様が望むなら何時でも〔パキュ~ン〕をあげるのに。もう御姉様たら心配性なんだから……」


 ……何処に突っ込めばいいのか分からない。


「なぁ間崎。本当にこれ、妖の仕業なのか?」


「ええ恐らくは。ですから僕達、ゲオが調査に動いているのですよ」


 妖の仕業ってのが本当なら……!? 美九音っ。


「おい間崎。美九音は、美九音の姿を見たか? なぁ大神、お前は美九音の居場所を知っているか? あれから美九音と一緒に行動してたんだろ?」


「暫く一緒にいたけど、御姉様は家に帰ると言っていた。分かれてからは御主人様を見つけてストーキング……護衛していたから御姉様のことは分からない。今は御姉様の匂いも気配も消えていて御姉様を探知出来ない」


 なんだよそれ……なにが起きているって言うんだよ。落ち着け落ち着けよ俺。そうだ猫は、未美は? あいつも巻き込まれたりしてねぇーだろうな。


「大神。未美は? あいつは昨日、今日と補習で学校だ。巻き込まれてるんじゃねぇーかって心配なんだ。今、未美は何処に居るんだよ」


「分からない。でも猫の臭いも微かに残っている」


 そんな……いったい美九音も未美も何処に居るんだよ。


「七霧君落ち着いて、彼女達は携帯電話を持っていないのかい?」


 そうか、気が動転していてそんな事に気付かなかった。


 すぐさまズボンのポケットから携帯を取り出し美九音の携帯にコールする。呼び出しが続くが、しかし美九音は携帯に出ない。嫌な予感が急速に増して行く。


「御主人様、あそこ」


 大神が指差した先には……。


 美九音の衣服と下着が入っていたと思われる洗濯籠と中身が散乱していて、その傍に携帯が僅かな光を発しながら震えていた。


 大神が携帯に向かって歩き出し近寄って行く。俺もその後に着いて行った。


 そして大神が携帯を拾い上げる……と、思いきやっ!


「これは御姉様の……パンt――ズボン」


 おい大神っ! お、お前っ、な、なにをっ……。


 俺は信じ難い光景を今、目の当たりにしている。大神が美九音のパンツを手にして鼻先に持ってくんくん匂いを嗅いでいるではないかっ。


「……洗剤の匂いしかしない」


 おい大神っ。そんなに絶望的なまでにションボリ顔してお前は、いったい美九音のパンツになにを求めていたんだ……。


 これではっきりした洗濯物に泥が付着していないところから見て、美九音は洗濯物を取り込むんでいる際に妖の襲撃に気付き、ここに駆けつけて来て俺の代わりに襲撃に遭ったんだ。


 あいつが戦ったのかそれとも気配を消して逃げたのかまでは現状では分からない。


 でも……まぁなんっつーか洗濯後で幸いだったな美九音。お前の恥ずかしいプライバシーは守られた。


「なぁ大神。頼む、美九音を探してくれないか?」


「……勿論。でも御姉様の匂いが足りないから探せない」


 なぁ大神よ。俺になにを期待しているのかは分からないが、そんなに耳をそばだてて尻尾振り振り、おもいっきりパンツを俺の方に差し出して、そんなに爛々と輝かせた目で見るんじゃない。


 言っておくが美九音の脱ぎたてパンツも使用済未洗濯パンツも俺は所有してねぇーからなっ。




 その後、未美の携帯にコールしてみたが連絡は取れなかった。


 美九音の後を追跡するにしても、大神の嗅覚を持ってしても現場に入った多くの人間や俺の家を襲撃し美九音を襲った複数の妖の匂いが入り混じっていて判別が出来ない上に、奇妙な術で形跡を絶たれていてこれ以上追跡出来ないそうだ。


 恐らく残った妖の匂いは“鬼”“鬼一族”の物なのだそうだが、その他になにか通常の鬼とは違う匂いが混じっているみたいだと大神が言った。


 チクショウっ鬼一族め美九音を何処に、あいつになにをしやがった。


 To Be Continued

御拝読ありがとうございます。


次回もお楽しみにっっ!


本作品へのご意見、ご感想、評価くださいました皆様、そしてお気に入り登録くださいました皆様、ありがとうございました。


とても励みになっております^^

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