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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
第三章 なんっと? ワンダフルガールズ 
18/130

夏のビーチは肉球でいっぱい! 2

こんばんは

雛仲 まひるです。


さて知泰の夏休みが始まりました。

いったいどうなることやら(笑)


ではどうぞ><b

 薄いカーテンで外界と仕切られた魅惑の小部屋が並ぶ、その内ひとつのカーテンが開かれた。


「知泰見てぇ~」


 試着室に入った女どもの中で、美九音が初めに着替えて現れた。


「ふっ、ふーん。どうどう? ウチ、セクシー? 可愛い? ねぇー知泰~」


 正直に答えよう美九音のプロポーションは、はっきり言って素晴らしい、と思う……。しかし周りの奴等がなんと言うか山あり谷ありの魅惑ボディーの持ち主揃いであるが故の悲劇とでも言えば良いのだろうか? 美九音は体自体が細い分、出るとこはそれなりに、締まるところはきっちり締まっていて、全体のバランスは申し分なく綺麗なラインをしている。


 しかしスレンダーな美九音のスタイルは水着でも着ない限り、普段着とか征服とかではこの人物達の中で普通に成り下がってしまっているのだ。


 とどのつまり、これと言って身体的特徴が無く目立たなくなっちまうとは残念な奴だよな、お前てば。ついつい同情しちまうぜ。


 美九音は俺の前でクルリと一回転、自慢のプロポーションを魅せ付け、露にしている狐耳をクルクルそばだて、御自慢のふさふさ尻尾を振り振りしながら、なかなかの上機嫌の様である。


「ねぇねぇーどう? ウチ?」


 ちょっと背伸びしたハイレグ紐ビキニを着用し顔を近付けて来た。


 そして尻に蜂蜜色の先だけ白くなったふさふさ尻尾を大きく動かし盛大に大きく空気を払って動かしている。


「ねぇねぇーねぇってばぁー、知泰ぅー」


「か、可愛い……んじゃね?」


 マジヤバイっ! なにこいつ? こんなに可愛かったっけ? まぁ普段が残念な性格な奴だから、こういう時の美九音にはハンパないギャップが生じやがる。


 なんの練りも無しに思わず素直な感想を述べてしまったぜ、俺としたことが。


「あっそ? ……ま、まぁ素材がいいかんねっ。そっ……そっかー可愛いかぁー。ふ~ん。まぁ? ウチは普段から言われ慣れてるけどね。ところで知泰、可愛い美九音ちゃんを見た感想は?」


「そうだなぁー……」


 可愛いバストもキュッと締まった括れた腰も、ほっそり控え目な胸も瑞々しく張りのある上向いた小ぶりの尻もそしてクルクル良く動く可愛らしい狐耳と尻尾とナイスチョイスの水着に、遠慮がちに膨らんだおっぱいとか最高だと思うぞ。


 俺が感想を脳内で纏めていると、言うまでもなく想いが伝わったのか、美九音はにこりと笑んで、目尻の延長線上で手の平を横にして指でピースを模して横ピースをした。


 まさに以心伝心である。


 俺の想いが伝わって嬉しyo――(ry。


 ブスリ。 目っ目がぁああああ!


「ぎゃぁー!」


 ピースに開いた指を俺の両目目掛けて突き立てやがったっ! なんてことしやがんだっこの女はっ。


「褒めるか貶すかどっちかにしなさいよねっ! ウチ、怒っていいのか喜んでいいのか分かんないじゃんっっ」


 美九音は褒められると狐耳と尻尾をそば立てて物凄く喜ぶ奴なのだが、御自慢のスタイルや狐耳と尻尾が可愛いと言われ嬉しくてしょうがないし、水着も悩んでチョイスしたものだから可愛いと言われて満更でもない。


 しかし美九音ちゃん絶賛のナイスバディーを自分の御所望する通りに褒められてない事は腹立たしいようである。 


 これでも俺は嘘偽りなく精一杯褒めたんだぜ?


 ちなみに未美は黒のビキニ、波音ちゃんは胸元にフリルが重なったワンピース、姫子先生はもうなんだかよく分からない極めて布面積の少ない水着を選んでいた。




 7月26日、旅行2日前。


 なんだか美九音の様子がおかしい。


 というのも当初の予定では久遠寺家の家族旅行に俺も誘われていて、一緒に行く事になっていたのだが、姉貴以外の家族が海外に出ていて、屋敷の離れ家で一人暮らしをしている俺を久遠寺家が招いたくれたのだが、旅行の4日程前に夏風邪を拗らせた美九音の妹、 来八音こはね ちゃん(中学1年生、御年13歳)が入院する非常事態となってしまい、来八音ちゃんの看病のため美九音の両親も行けなくなって、やもなく旅行は中止にする運びとなっていた。


 しかしご存じの様に張り切って水着を新調するほど、旅行を楽しみにしていた美九音ちゃんは俺と二人でも旅行を決行するつもりでいたらしい。


 だが、出発日が近付くに連れよくよく考えてみたらしく、ウキウキ気分から一転落ち着きが無くなり出した。


 美九音はなんらかの不安を抱えた様だ。


「どうしたんだ? 美九音」


「あっ! あのね? ウチら二人っきりで旅行行くじゃん? そしたら夜とかも一つ屋根の下で二人っきりってことになるよね?」


 まぁそうなるわな。


「そのね? ウチらも、その……年頃だから、そ、その、間違いとか起こる可能性も否定は出来ないよね?」


 う~ん。……先ず無いと言い切りたいが、言葉にすると美九音がぶち切れる予感がするんだよな? 何故か。


「そりゃ俺も男だし無いとは言えんよな」


「あ、あのね知泰……。ウ、ウチね? そのまだママになる覚悟とか出来てないのね? だからそのね? そういうの困る……かも」


 なにを言っているんだこいつは? まぁ美九音も多感なお年頃の女子でもあると言う事なのだろう。いざとなれば、そ、そのなんだ? いろいろ考えちゃったんだろうな? 俺だって一応男だし? 高校生の男女が二人っきりで泊り掛けの旅行をしようというのだから美九音が怖気づいてしまうのも仕方あるまい。


 まぁ俺も美九音が幼馴染だとは言え、やっぱなぁーって感じだし? だから延期しようと言う事になったのだが、旅行の日程と逼迫していた事もあって夏休み初日に中止となった海水浴は延期のままであったところに、猫こと黒井 未美に頑なに極秘にしていた旅行の日程を嗅ぎ付けられ、挙句の果てに陽麟学園の鬼教師とロリ教師、 南雲 姫子先生と 水無月 波音先生が目敏く察知、自分達が保護者で行く美九音の両親に申し出た。


 なにをどう間違ったのか二泊三日の久遠寺家家族旅行は予定通りの日程で決行する運びとなり、久遠寺家プラス七霧知泰の夏休み家族旅行計画は“知泰と行こう! あやかしだらけの海水浴”に改められた後“夏休み七霧家の別荘に行こう! イェイ”に名称を変更されたのだった。




 そして……7月28日、快晴。某所七霧家別荘。


 この度の旅行での宿泊先がある某所七霧家の避暑地別荘に到着するなり、あやかしどもは水着に着替え、そして灼熱の太陽の下へと飛び出して行くのであった。


 青と白のコントラストが鮮やかな空は高く、太陽は猛々しく白い砂浜と乙女の柔肌を焼き、コバルトブルーの美しい海辺にはキャッキャウフフと美女達が戯れている。


 まさに桃源郷! 俺のパラダイス……のはずなのだが……。


「きぁゃー! 海っ海っ海ぃー♡」


「きぁゃー! 海っ海っ海ぃー♡」


 何故か不自然なローアングルから望み見る常夏のビーチには、頭に三角の獣耳、ローライズの水着からは獣の尻尾を出してキャッキャとはしゃぐ獣達。


 そして俺は砂浜に埋められ、眼前には夏のビーチでお約束のスイカが並べられている。


 こんな状況なんの事はない何時もの事さ。なーんって言うと思うかっチクショウ!! 何故こうなった? 思えば切っ掛けは些細な事だっださ……。



 ――20分程前。


「七霧、アイス持って来い。教師命令だ」


「嫌だ断る暑くて動きたくねぇー。あっちに見えるホテルまで行かねぇーと売店ねぇーし面倒臭い」


「タダでとは言わんぞ七霧? 私が学年主任である事を失念しているのか? 頼みを聞いてくれるなら次回のテスト……便宜を図ってやろうと思ったり思わなかったりもするが?」


「その話詳しく聞こうか」


 純朴な男子生徒が居るというのに極めて露出度の高い教育者らしからぬ水着を着て、ボンっ! キュ ボンっ! のけしからんスタイルと大人の色香を振り撒いて職権乱用までしているのは南雲 姫子女史陽麟学園の教師だ。


「知泰さん? あのっ私の――み、水着姿どうですかっ? ちょ、ちょっと先生頑張ってみたのですが……似合っていますぅ?」


 鼻に掛かった甘ったるい声の方に振り向くと、そこには白いスク水を着た幼女が立っていた。


「波音ちゃんっ!? そ、その水着は……頑張るベクトルが違いますっ!」


「え、えと、あのっ……知泰さんはマニアと言ってましたので白いスク水をチョイスして……頑張りましたっ! 私っ」


「マニアが俺の事だとは言ってませんっ」


「えっえっえ? だって知泰さん、前に『先生の胸は大丈夫です。マニアなら』って……言ってましたよ、ね?」

 

「だから俺の事じゃありませんっ!」


 同級生の女子よりも童顔で下手をすれば中学生……いや下手をすれば小学生に見紛う、幼さの残る顔と体躯を真っ赤に染め、胸元に“ 水無月 ( みなづき ) ”と名前を書いた布を縫い付けたスク水着用で、もじもじしながら俺の前に現れたのは水無月 波音先生。我二年九組の担任だ。


「でもでも姫子先生が……マニアにはやっぱりスク水だろうって? 名前も入れた方が男の子が萌えるって……。ダ、メ……でした、か? 恥ずかしいですけど先生頑張ってみたのですよ? 玉の……、いえなんでもありませんっ」


「玉の……なに?」


「えと、ち、違います、違うんです。……あの? えっと、知泰さん? 先生とスク水のベクトル証明出来ましたか?」


 ……可愛い過ぎます波音ちゃん瞳を潤ませて見詰めないでっ。教師と生徒の壁を取り除きたくなりますからっ!


「知泰? あんたなに波音ちゃんにデレ~っとしてんのっ? ちょっと此処に埋まりなさい」


 えっ? 何時の間に砂浜に穴を? っつーかそこ波打ち際ですけどっ? 波が寄せると水没しちゃうんですけどっ。


「うっさい。いいから埋まる」


「嫌だっ埋まんねよっ」


「こら狐っあたしの知くんになにしてんの?」


 おお猫。俺を助けてくれっ! お前の知泰ではないけどなっ。


「知くんはこっちの穴がいいよね♡」


 ……か、勘違いすんなよ? 猫の奴も穴を砂浜に掘ってたんだ。如何わしい意味じゃないんだぞ。


「なんで埋まらなきゃいけねぇーんだよっ! 意味が分からん」


 俺は丁重に二人のお誘いを断った。


「知泰さん? 久遠寺さんと黒井さん、彼女達の習性じゃないですか? ほら動物って残した餌を他の獣に取られないように穴を掘って埋めて隠すじゃないですか?」


 やっぱそうなのかっあいつらめっ。


 動物が食べ切れず残った餌を隠すあれかあれなのか! お前ら本能的に習性で行動してんだな? 俺はお前らの食いもんじゃねぇーぞ。


「違うと思いますよ? きっと久遠寺さんも黒井さんも知泰さんを他の誰にも取られたくないのだと思います……」


「知泰っ! 早く埋まりなさいっ。ほら猫も手伝え」


 美九音と未美に手を引っ張られて引きずられるように、可愛らしい波音ちゃんの下から強制撤去されていく俺。


「ちょっ、待てって! 波音ちゃん助けて下さ~い」


「一番最初に知泰にスイカ食べさせたげるね」


 そして穴に埋められた俺の顔の横にはスイカが置かれた。


「ほらっ。あ~んして、あ~んって」


 お前ら棒っ切れ持ってなにしてんの?

 

「スイカ割りに決まってんじゃん。飛び散る破片が知泰の口に入る算段なのよ」


 律儀に目隠しまでしやがってっ! 食わせてくれるなら普通に頼みたいんだがっ。


「知泰? ウチが目隠ししてるからって悪戯しちゃダメだよ?」


「しねぇーよ! っつーか出来ないだろ? 首まで埋もれてるんだからなっ! ところでお前? そんなこと、何処で覚えてきやがったんだよ」


「えっ? 知泰。ウ、ウチにヤキモチ? ウチが他の雄のところで覚えて来たと思ったの?」


「ち、ちげぇーよ……バカ」


「誤解とかされると嫌だし? 知泰が妬くと可哀想だから教えたげるね。えと……ね? 知泰が分厚い事典を刳り貫いてぇー本棚に並べてカモフラージュして厳重に隠してたぁ確かタイトルが「目隠しされて苛められちゃう。おさななj――」


「ごめんなさいっ! 皆まで言ってくれるなっ」


 くっそっこいつ変更しておいた秘蔵コレクションの隠し場所を既に発掘してやがったのかっ。もう誰か助けてください、お願いします。


 To Be Continued

御拝読ありがとうございました


次回もお楽しみにっ!


本作品へのご意見、ご感想、評価などお待ちしております。

また御拝読くださる皆様、お気に入り登録ありがとうございました^^

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