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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
第三章 なんっと? ワンダフルガールズ 
17/130

夏のビーチは肉球でいっぱい! 1

こんばんは

雛仲 まひるです。


さてちょっと九尾新章に突入します。


第三章 なんっと? ワンダフルガールズ 夏のビーチは肉球でいっぱい! をお楽しみください^^


ではどうぞ><b

 俺達が2年生になってから早くも4ヵ月近く時が流れ夏休みを迎えた。ほんと嫌になっちゃうわねぇー? 人はこうして歳をとって往くのかね? 気付けば……なーんて事に。


 余りにも近くに居過ぎて気付かなかったけども……、そりゃ美九音も大人っぽくなてるはずだっつーの。


「見て見てっ知泰っ? これ可愛い?」


「か、可愛い……んじゃね?」


「これも可愛いね? ……知泰?」


 美九音が陳列棚から手に取ったのは、フランス語で“シュシュ”とか言うドーナツ状にした薄手の布にゴムを通して縮こませた物で、髪留めや手首に嵌めるとブレスレットにも使える装飾品らしい。


 流行ってんのこれ? 最近良く小、中学生や高校生もしてるけどさ。


「これ買って♡」


 自分で買えよっ! そんなもんっ。


 新学期初日に起きた鬼の一件以来、これといってあやかし絡みの厄介ごとは起こってないし、姫子先生が言っていた妖の襲撃にも遭ってないし、美九音や未美がいる騒がしい日常以外、日々平和なもんだ。


 しかしそんな日常が更に騒がしくなる予感がする夏休みの初日に今俺は、ショッピングモールに来ているんだが、なにを隠そう婦人用水着売り場に来ているのである。


 事の始まりは、っつーとだな……。




 以下、回想。


「知泰っ! 海いこ♡ 海っ」


「知くんプールだよね? プール♡」


 夏休み初日の朝っぱらから、なんで七霧家はこんなのも賑やかなんだ? 休みくらい寝坊させてくれよ。健全な高校生の朝を台無しにするんじゃないっ! 朝っぱらから枕元でギャーギャー騒ぎやがってお前らは小学生かっつーの。


「ねぇねぇ知泰ー知泰ー。やっぱ知泰も夏は海だと思うよね? 思うでしょ? 思いなさいっ」


 その強引な三段活用はなんですかっ? 美九音ちゃん。


「知くんはプール派だよね? なんたってウォータースライダーに流れるプール、波の出るプールなんかもあるし、知くんの目の保養に最適だよ?」


 おい? 猫、なにを言っているんだお前は。読者に要らぬ誤解を招く様な発言は止してくれたまえ。


 猫のくせにどうしてお前と言う奴っぁー俺に災いの種を招こうとしやがんだよ? 猫なら猫らしく銭と幸福を招きなさい。それに俺はそんだけの目的でプールや海に行くわけじゃないからなっ! 


「目の保養なら海だっていいじゃん? 猫ってバカじゃん?」


「甘いわね狐。プールは危険がいっぱいよ? ウォータースライダーの後なんて水着はお尻に食い込むはブラはズレるはハプニングの宝庫なんだから」


「そんなの海だって同じじゃん! サーフィンとかボディボとか波とかでポロリするもんっ!!」


「それはあんたの胸に抵抗が無さ過ぎて引っ掛からないだけっ! サーフィンとかボデボする時は普通ラッシュやウェットスーツ着るし、俄かでも水着の上にTシャツくらいは着るでしょ? まぁあたしは普通にしていても零れちゃうんだけどね大きいから、おっぱいが。あんたはいいわね? 零れる心配しなくて済むもんね」


「ぐぅぬぬぬぅ、言わせておけばっ! ウチだって零れるもんっ! 主に水着のサイズを見栄張ってるからズレるんだけど……、でもウチは水着買うときは何時も将来を見越して買ってるんだかんねっ! ちょ、ちょっとセーチョウしてる、はずだもん!」


 美九音。それ盛大に自爆ってんぞ。それにお前の見越しは取らぬ狸の皮算用みたいなもんだって。


 狐のくせに。


「あらごめんなさいね狐。どれどれ確かめて上げる」


 美九音のちっぱいを背中側から鷲掴みにして揉みしだく猫こと未美ちゃん。


「きゃぁー!?」


「うん、何時もながら残念。もう成長しないわ、あんた」


「うっさい。あんたはどうなのよっ? 夏痩せして小さくなったんじゃない?」


 スルリと身を捻り今度は猫の背中側に回った美九音が猫と攻守交替をする。


「にゃー!!」


 猫こと未美のでっぱいにお返しをする美九音ちゃん。なんて無謀な奴なんだよお前は、返り討ちになるぞ。


「……っ、ま、まだまだねっ」


 おい美九音、明らかにキョどってんぞ。


「ふん。あたし2cm大きくなったから88cmね。ちなみにウエストは1cm夏痩せしちゃっかな?」


「ふ、ふんなにさっ! ウチよりたかが0.08m大きいだけじゃないっ! ウエストはウチの方が細いもんね」


 おいおい美九音よ。しれっと単位を変えて言ってんじゃない。単位を変える事でなんだか差がない様に感じさせる数字のマジックを用いるとは流石は狡猾な狐だな。


「負け惜しみ? 狐あんたは痩せ過ぎてるだけじゃないの? 胸も……ぷぷぷっ」


ちっぱい( ゜∀゜)o彡°ちっぱい( ゜∀゜)o彡°と美九音を苛める未美ちゃん。


「うっさい猫っ、ちっぱいちっぱい連呼すんなっ! ウチは世界一美乳だからいいのっ!」


「あんたのは微乳でしょ?」


「ああもうああもう。いちいち頭にくるなぁー」


 はいはい。どうでもいいけど痴話喧嘩なら他でやってくれ、何時だと思ってんだよ今? 朝5:30だぜ? 小学生のラジオ体操に参加する気かよっ! 俺はまだ惰眠を貪りたいんだっ。


 二人の痴話喧嘩を他所に布団に潜り込むと今度はけたたましいほどに呼び出しチャイムが鳴った。


 ピ~ンポ~ン、ピ~ンポ~ン、ピンポ~ン、ピンポ~ン、ピンポ、ピンポ、ピンポ、ピィピィピィピィピィ、ピィンポン。


 っつーかなに連打してくれてんのっ!! 俺ん家に来る奴らは皆なんで呼び出し連打すんだよっ。


『波音先生、これ面白いぞ』


『姫子先生っ悪戯しちゃ駄目ですっ』


 なんで先生達の声がインターホンから? っつーか夏休み初日になにしに家に来てんのさ妖怪教師どもは。


「おいお前ら、元気にしているか?」


「七霧君おはようございます」


 返事を返す暇も無く玄関を潜り、階段を昇って来る足音が止まったと思ったら部屋のドアが開かれた。


 そこには泳ぎに行く気満々、準備万端の先生達の姿があった。 っつーか……。


「まだ行くって決まってねぇーのに情報早ぇーな、おいっ」


「当たり前だ私が張り巡らせている蜘蛛の糸に掛れば、このくらいの情報を探知するなど造作もない」


「そうですよ。姫子先生の蜘蛛の糸に掛れば直ぐに分かっちゃうんですからねっ。生徒達の悪巧みなんて筒抜けなんですよ、知泰さん」


 いや悪巧みしてるわけじゃねぇし、そもそもこいつらが勝手に騒いでいるだけで、まだ行くとは決まってねぇーよ。


「しかし七霧。7月中には久遠寺の御家族と避暑地に行くんだろ? 確か月末辺りだったか?」


 NOっ! そんな事まで知ってんの? 俺には最早プライベートは存在しない。


 キャッキャと未美とじゃれ合っている美九音の様子を窺がった。こいつかこいつが元凶なのかっ、絶対そうだよ? こいつ以外に喋る奴なんていないっ。


 美九音は俺の視線に気付くと、既に人間の耳を獣のそれに変化した狐耳とフサフサ尻尾をそばだて目をパチクリしながら、きょとんと首を傾げた。


 そんな可愛い仕草をしてもダメですっ!


「ウチ、知ーらない言ってないもん。ウチが言うわけないじゃん? だって家族旅行だよ? 場所は知泰ん家の避暑地にある別荘だし他の人誘っちゃ迷惑じゃん」


 そうかお前にもその辺の良識ってもんは一応あるみてぇーだな。


「ウチが」


 お前の事だけかよっ!


「ちょっと狐? なにその話、あたし聞いてないんだけど」


「当たり前じゃん言ってないもん。家族旅行なんだしなんであんたに言わなきゃなんないわけ?」


「あんたっそれでも友達?」


「はぁ? あんたとウチが友達? っつーか便乗しようとしてたわけ?」


「酷っ信じらんないっ。ねぇ知くん?」


 いやいや俺に同意を求められても……、っつーか友達かどうかは別として今回に限り美九音が正しいと思うんだがな。だいたい猫もなにしれっと便乗しようとか思っちゃってんの? てかそれが当たり前みたいな様子だよな、お前は。


「知くんは久遠寺の家族じゃないでしょ?」


「バカ猫っ知泰は幼馴染だし、むかしはね両家のパパとママも含めた家族同然の付き合いがあったのよ。だからそんなの普通だしそれに知泰だけ置いていけないっしょ? あんたの残念な脳は忘れてるかもだけど、ウチらは他の妖に狙われてるかも知んないのよ? それに一匹は確実に隙あらば知泰食べちゃおうって考えている妖がいるし……、一人になんて出来るわけないじゃん」


 美九音、お前俺を食おうとしている妖をお前は知って心配してくれてんか? ちょっと見直したぜ美九音さん。 


「誰っそれ? 知くんを食べちゃおうなんて不届きな妖はっ」


「バカ猫、あんたよあんたっ」


「あ、あたしっ!? あたし知くんを食べちゃおうなんて思って――な、い? 食べちゃおうかな? なんて……。頂かれちゃおっかな? なんて思って……、きゃっ♡」


 猫っ!? なんでそこで顔を赤らめる。


「皆さんっ大変ですっ! 今し方、海開き情報とお天気を調べていたのですが、今日から海上にある台風の影響で海が時化るってなってますよ。残念ですけど海が落ち着くまでの数日は無理ですね。海や川をなめてはいけません水は怖いですよ」


 何時の間にか人様のパソコンを勝手に立ち上げ、波音ちゃんが検索していたらしく天気情報を口にした。流石は波音ちゃん水妖怪だけの事はある。何時もおどおどしていて生徒の殆どから波音ちゃん呼ばわりされたりと、頼りない感じもあるけど見直しました。


「あら? Dドライブの領域が一杯になってますね知泰さん? 開いちゃってもいいですか?」


 前言撤回っ。


「駄目ですっ!」


 絶対駄目ですっ! 男のパソコンには、パソコンのDドライブには、その禁断の領域には現実には踏み込むことがゆるされない欲望と言う名の語るに恥ずかしいロマンが、いっぱい詰まってるんですからねっ! 


「そうですか? 残念です。……ところでこのフィルダー開いてもいいですか?」


 とって残念そうな目で訴えても駄目なものは駄目なんですっ。っつーか既にクリックしてるしっ!


「波音ちゃんなになにっ? Dドライブって面白いの?」


 美九音っお前はなんでもかんでも興味を示すんじゃない。そこはきっとお前にとってパンドラの箱だ波音ちゃんにとってもだけど。


 俺は動物愛護協会から批判を浴びたくはないから事前に忠告してるんだぞ。


「開いてもいいよね? 知泰」


「駄目ったろ、お前人のプライバ――シィィ、ぎゃぁっ!?」


 美九音が先生からマウスを奪い取った。


「えいっクリッククリック♪ ……なっ!?」


フィルダーを開いた途端「ひぃっ」と飛び上がるナイスリアクションを取る美九音と波音ちゃん。


「あ、……あああ、あんた……こ、ここ、これっ」


「ひやぁー!? こ、これはっ……と、知泰さんっ」


 それ見ろ言わんこっちゃない。美九音と波音ちゃんが息を止めてモニタを凝視したまま固まった。


「と、知泰っ水着買に行くわよ。寄せて上げるやつっ! おっぱい寄せて上げてパットも多めに買うのっ」


「ひゃん!? く、久遠寺さん? な、なにをっ!?」


 モニタの前で固まっていた美九音は、突然ガバッと身を起こし波音ちゃんの後ろに回ると、ロリ教師の平原を上下左右に寄せては上げ、比べる様に今度は自らの緩やかな丘を捏ねくり出した。


「ほら見なさい波音ちゃんはパットなんてなんの意味も成さない程に手遅れだけど、ウチは大丈夫、まだ大丈夫だからっっ! きっと大丈夫だもんっ」


「久遠寺さん酷いです。先生にも触らせなさい」


「きゃっー」


 そして反撃に転じる波音ちゃん。


「こ、これは!? な、無い者同士だと思っていた先生が馬鹿でした……。久遠寺さんとは分かり合えると思っていたのに手痛い裏切りですっ」


 波音ちゃん? そんなに悲しまないで下さい。波音ちゃんのお友達なら、ほら窓の外から見える公園でラジオ体操に励んでますよ?


「知泰さんっ! あの子達は小学生ですっ」


「まぁまぁ落ち着いて波音ちゃん。ほら、こんな大人びた水着、波音ちゃんには似合いませんって」


「知泰さん酷いですっ! 際どい水着を着た先生を見たいとは思わないのですかっ? それはそれで女として複雑な気持ちになっちゃいますっ。ま、まぁ? 先生はこんなに大きくありませんから? 同じ土俵で勝負する事がそもそもの間違いでした。それにこんな水着を着たら隙間が空いて一般とは違うケースの零れ方で先生の可愛らしいおっぱいが見えちゃいます。……はっ!? まさか知泰さんは先生にこっちの……旧タイプスク水を着て欲しいの、ですかっ?」


 いや波音ちゃんは脳内補填し過ぎですってば。


 以上、回想終わりっ。




 その後天気の都合もあって本日の海行きは正式に海行は中止になり「それならばマジで水着を新調する」と言い出した美九音と波音ちゃんに釣られた未美と姫子先生も新調すると言い出し、水着売り場に来ることと相成ったわけで現在に至る事となったんだよ。


 To Be Continued

御拝読くださいました皆様、ダウモアリガタウ(`・ω・´)


また本作品に対してご意見、ご感想、評価頂いた読者様、誠にありがとうございます。

なによりの励みと喜びを頂けて、禿げ散らかるくらいY(>_<、)Yに嬉しかったです。

そしてお気に入り登録下さった皆様、ありがとうございます。

ご期待に沿える様、今後も頑張って更新していきます。(*´д`*)


引き続き本作品を楽しんでいただければ幸いです。


では、次回もお楽しみにっ! ><b

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