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狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子  作者: 雛仲 まひる
第二章 にゃんと! キャットな女の子
14/130

狐と猫 ♡ 4

こんにちは


雛仲 まひるです。


さてちょっと? 九尾 第二章 狐と猫♡

楽しんで頂けてますか><


美九音、未美そしてに知泰に絡む新たな登場人物? が登場します。


そして妖たちの事情も垣間見えて……。


ではどうぞf^^


 目の前に盛られたうどんにげんなりしながら、半ばヤケクソで一心不乱に昼食をやっけていると背中から、鼻に掛るオドオドした声と大人の色気ある声で話掛けられる。


「あ、あのぅ~久遠寺さん? 黒井さん? そ、それと七霧君?」


「騒がしい奴らだ。食事くらい静かに出来んのか」


 背中側から呼ばれ振り向くと、我等が二年九組担任のロリ教師、水無月みなづき 波音はのん先生、24歳独身(担当教科数学)と学年主任の南雲なぐも 姫子ひめこ女史(担当教科化学)推定34歳行き遅れが、そこにいた。


 バッコーン。


 ぎゃぁー!


 叩かれたっ! 便所スリッパで頬を叩かれたっ!!


「行き遅れとは誰の事だ?」


 彼女らは我陽麟学園の百合と薔薇と形容され、またグランドキャニオンとチョモランマとも形容せれる学年随一のロリ教師と美人教師で男性教師及び男子生徒の人気は真っ二つに割れる。ちなみに波音先生は美九音が昨年優勝した俺嫁コンテスト第二位で、一昨年はぶっちぎりの強さで優勝をかっさらったらしい。


 波音先生が百合と称されているからと言っても、決して女の子同士でキャッキャウフフする事でしか興奮出来ないと言うものではないらしい。


 そして姫子先生は、……形容そのものであるな、うん。


 これも言っておかねばなるまい。二人が人気を分断する最大の要因であるグランドキャニオンとチョモランマであるが、勘のいい諸君ならもうお判りだと思うが波音先生の胸がグランドキャ――。


 ぎゃぁー!!


 顔抑えられたっ! 便器詰まった時にショポシュポするやつでっ!!


「な、七霧君っ何故知ってるのっ!? 私が陥没チクb……!?」


 波音ちゃん!? 今なんとっ!


「違う違いますっ! 言い間違えましたっ。私の胸は陥没してませんっ! そ、そりゃ胸は大きくないですけど……」


「七霧、何時何処で水無月先生の着替えを覗いた? ああん?」


 端の切れ上がった眼鏡をツィと持ち上げ顔を近付けてくる鬼ババ……基、姫子先生、顔近いっ香水キツっっ。


「七霧、久遠寺、黒井、お前ら新学期早々、始業式とホームルームボイコットするとはいい度胸だな? 今日の放課後生徒指導室に来い。お前らに話を聞かなければならない事がある」


 そう言い残しロリ教師と鬼教師は去っていったのであった。



 放課後、俺達は生徒指導室へと向かった。


 隣には美九音と未美もいるが、なにか考え事をしているようである。


「なぁ昨日の後始末、美九音がやったのか? 壊れた校舎、陥没したグラウンドに俺達以外の記憶操作、そして俺の怪我を治したのもお前なのか?」


 昨日、鬼との一戦で壊れた校舎を俺は下校する際に横目で確認したんだ。


 あの日、俺が鬼の野郎にやられ怪我して病院に運ばれた時、病院まで付き添ってくれた学校医の先生に訊いた限りでは、学内ではなにも起っていない事になっていた。しかし登校時で沢山の生徒が居たし、俺が突き破った窓ガラスや派手に散らかった机や椅子の様子を振り返り改めて考えるとどうにも腑に落ちないことだらけだ。


 まぁあん時は深く考えなかったけどな。面倒だしどうせ美九音が人知を超える力で、元通りにしたと思ってたもん。


 だってそうだろ? 妖くらいにしかあんな事出来る奴を俺は知らねぇーもんよ。


 っつても美九音の力を今まで目の当りにした事はなかったし、なにがあいつに出来るなんてのは知らねぇーんだけども。


 美九音と未美の表情に幾分不安を感じながら指導室のドアをノックする。


「ちっーすっ。七霧 知泰以下二名出頭しましたぁー」


 ゴツン。


「ひぃぃ……、な、七霧君、大丈夫?」


 姫子先生に小突かれた俺を見て、肩を竦める波音先生の図を見ながら頭を摩る。


「いきなりなんなんすかっ」


 体罰反対だっ! いきなり人の頭小突きやがってこの暴力教師めっ。


「なんだ七霧まで来たのか? まぁいい座れ」


 おい俺の名も言ってたよな? 鬼教師。


「俺、帰ってもいいんすか?」


「久遠寺と黒井に確認しておきたい事がある」


 無視すんなやっ! 


「お前はモテなさそうだし放課後予定もないだろ? 暇なら居てもいいぞ」


 酷でぇー! 確かにモテないけども……。


「単刀直入に訊くが、お前ら――」


「ちょっとその前に姫子先生いいですか?」


「なんだ黒井」


「ウチも」


「久遠寺もか?」


 二人がスタスタ姫子先生に近付く。


「なにをっ! やめろっくすぐったい」


「あたしより大きい」ORZ


「ウ、ウチより括れてる」ORZ


 美九音? お前ちょっと違うぞそれ、お前のは出るところが出てないだけだ。


 ぎゃぁー!?


「うっさいっ! 黙れ知泰」

 

「おいおいお前ら、いきなりなにをするかと思えば……。まぁなんだ大人になればお前らもこうなるだろう」


 姫子先生がちらりと波音ちゃんに目を遣って……。


「……すまん。確証はないし保障もないがな」


 姫子先生の視線を感じた波音先生の瞳が潤み出した。


「姫子先生、酷いですぅー」


 大丈夫です波音ちゃん。先生のそれはもうステイタスです、一種のアビリティーですって、マニアには。


「七霧君まで!? って……それ本当、ですか?」


 ええ間違いなく。


「いやぁぁぁーっ! マニアってなにっ? ねぇねぇ七霧君?」


 波音先生……。そんな潤んだ目でおどおどした顔して俺に縋りつくなんて……、萌えるじゃないですか。


「ああもう久遠寺、黒井もういいだろ。水無月先生まで、これでは話が進まん」


「す、すいません……。七霧君が変な事言うものですから……マニア、とか」


 姫子先生がコホンと一度咳を払い最早暴の匂いまでする凶悪極まりない大人の色香漂うスタイルを目の当たりにして、現実に打ちひしがれ項垂れる美九音と未美に尋ねた。


「お前らあやかしだな? 妖狐……九尾の狐と二尾の妖猫。黒井が擬人化した猫又という事は陽麟学園に転校して来た際に気付いてはいたが、久遠寺がまさかあの白面金毛九尾の狐だとは気付かなかった。流石は九尾の狐、妖気を完全に断っていたとはな、昨日の一件が無ければ気付かなかったかも知れないぞ? まぁお陰で探していた九尾の存在を掴めたのだがな」


 美九音と未美の正体を知り何者かに隠蔽されたはずの昨日の出来事を知っていて、それでいて驚いた風もない姫子先生と隣で話を聞いている波音先生は何者なんだ? そんな疑念が浮かび次いで美九音と未美の様子を窺がった。


 二人は渋い顔をしているが「バレたか」くらいの調子で、取り分け取り乱したり焦ったりはしていない様子だ。


「先生達は何者です? 昨日の件を知っていて美九音達が妖だと知っても驚いたりしていないじゃねぇーか。退魔師か陰陽師かなんかですか? こいつらを退治に来たんすか?」


「違うよ知泰。姫子先生も波音先生もあやかしなのよ」


 美九音の奴、当然の様に言いやがった。こいつは知ってたのかよ?


「姫子先生は女郎蜘蛛、波音先生は濡れ女、蛇ね。二人ともあたし達と同じむかしむかし、妖や人を喰らい嘆きや恐怖を喰らって力を増して来た妖なんだよね。やっぱり驚かないんだね知くんは」


 驚いてるっつーの! ……でも未美がそう感じる程、俺は驚いていないのかも知れねぇな。美九音と過ごして来た時間が長い所為かも知れん。


 いや違うか……。


 美九音が九尾の狐だと知った時もそうだったっけ、俺は気付いていて気付かない振りをしていたのかもな。


「先生も驚かないんですね? ウチが復活している事に」


「驚いてはいる。だがまだ完全ではないだろ? 今の九尾は恐るるに足りん。私が驚いているのはな九尾であるお前が人間といる事にだ。人間どもの討伐に遭い、その身を殺生石に変えて逃れた後、人間どもに砕かれ封じられたお前が人間に恨みを持つお前が人間とじゃれ合い共にいる事に、それも自身を封じた七霧の末裔と共にいる事に私は驚いている」


「そう? ウチはそんな昔の事忘れちゃったかな?」


「嘘を言うな九尾。それに妖猫、お前も人間には恨みがあるだろうに。黒井お前は自分を捨てた主の愛情欲しさに彷徨い永らえて妖になった化け猫なのだからな」


「知くんは別。あたし他の人間はどうでもいいけどね」


「先生達はウチらの敵になるつもりなの? 言っとくけど知泰に昔の七霧とウチのことを話したら殺すから」


 美九音? お前なに言ってんだ? 昔、七霧と美九音(九尾の狐)の間になにがあったんだ? 


「あたしも先生達が知くんに手を出したら、同胞あやかしでも許さないから」


「ふっ……。色ボケしおって小娘共が……まぁいい。敵か? っと訊いたな。答えは七霧次第だとだけ言っておく」


「なにそれ? 意味分かんない。知泰次第ってどういうわけ?」


「そうだな……。話しておかねばならんかお前達には。先日の鬼の件だが、ここ数年前から鬼の一族が妙に動き回り出している。目的は分からないが なかまを襲い喰らった事件が何件か報告されていてな。私達、同族の少ない妖は単独で居る事を恐れ、我身を守るために組織を成している。互いの利害は一時預けて鬼一族から身を守るためにな」


「それが? 妖の事情が知泰になんか関係があんの? ウチら(あやかし)の事情に知泰を巻き込んだら承知しないかんねっ」


 美九音は威嚇する様に、苛立たしげに自慢の尻尾を揺らし犬歯を剥き出した。


「あたしも狐に同意かな? 知くんを妖の戦いごとに巻き込むことは許さない」


「お前らも承知の事と思うが、七霧はその昔から退魔術に秀でた家柄、その末裔七霧知泰を組織に取り込み鬼の脅威に対抗する、という方向に我等の妖グループの意見は固まっている。鬼の一族に対抗するために必要な力になるからな、七霧は」


「えっ!? 俺? なんでまた俺なの? 昨日、鬼の野郎にボッコボコにされたんだけど……」


「知泰は黙ってなさいっ」


 怖えぇーよっ! 美九音に怒鳴られ鋭い視線で睨み付けられると毎度背筋が寒くなるぜ。


「返事は?」


「はい」


 美九音さんマジおっかねぇ。


「違うでしょ? ほらワンと言いなさい」


 えっ?


「ほら早くする」


「ワ、ワン」


 犬プレイ? 美九音ちゃんってばドSなんだから。チクショウっ恐怖のあまり「ワン」って返事しちゃったよ俺。ORZ


「先生達が欲しいのは知泰の力じゃなく七霧の力なんでしょ? もし知泰が協力を拒めば喰らって自分達の妖力を上げようと考えている、違う? 本当に取り込みたいのは正統な血筋の七霧だよね? でも他の七霧は強過ぎて手に負えず、知泰は出来損ないで七霧の退魔術を心得ておらず、三下鬼にも負ける無能だった。本音は今、知泰をどうしたものかと試案しているってところかしらね?」


「まぁそうだ。七霧の子を取り込んでおけば、こいつが出来損ないでも本家が動くだろ? 鬼の一族を退治てくれれば御の字と言うわけだ」


「はぁ? ざっけんなっ! 自分達が弱いからって知泰を巻き込むなっつーの! だから三下妖は嫌いなのよねっ。他力本願? 笑わせんなっ! そんなことに知恵を使う時間があんなら、自分の身くらい守れるように努力しろっつーの」


「人や仲間を喰らって、でも?」


「あんたねっ? 今あたし達妖は人間との棲み分けをして共存しているはず。遠野のむかしに人間と妖、互いが定めた不可侵の約を破るつもりなの?」


「そうね。事態はまだ切迫しているわけじゃない。けど……時が来たら、ね。あたし達妖は別に人間に感じる恩義などない。そもそも約定を持ち出した人間どもを無視した酒呑童子、そして玉藻前(白面金毛九尾の狐)今の狐ね? が、二大妖が後に人間どもに討ち取られ焦った腰抜け大天狗が勝手に交わしたものだもんね。でも多くの妖は従った。大天狗率いる一族に逆らって抗ったところで勝てるはずもないと考えたからね? 天狗一族とタメ張れる鬼一族と妖狐一族は共にかしらを失ったしね。まぁ低能妖は理解出来ず人間に干渉して、退魔師や陰陽師に討ち取られもしているけど、その裏で大天狗は人間に協力してる。人間に仇名す妖を売って、仲間を裏切ってね。あたしは別に約定なんてどーでもいいけど。このことには頭にきてるんだよね」


「妖様々思うところがありますけど、現時点ではまだ鬼の一族に大きな動きはないですし、昨日のあれはイレギラーだとは思いますけど、妖を狙ってここに来た事には間違いないですよ? あなた達も精々気を付けてくださいね。久遠寺さんも存在を明らかにしちゃった事ですし狙われますよ」


「ふんっ。返り討ちにしたげるわよ。あんた達も含めてね」


「久遠寺さん? ここでは先生と呼んでくださいね。人間社会のルールです。それともう一つ、この学園には多くの妖達が集まって来ています。気付いているかも知れないですけど一応忠告しておきますね? 私達穏健派と違って、七霧君やあなた達を直接狙ってくる妖グループもいるでしょう。勿論、九尾の久遠寺さんかもしくは七霧の力を狙ってね? 私達もここにいる限り情報は提供します。その方が現状では互いのためになると思いますしね」


「……勝手にすれば」


「ありがと、そうさせて貰いますね。久遠寺さん」


 To Be Continued

御拝読アリガタウ。


次回をお楽しみにっ><

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