第5話 対面
side:キヨシ
今日、噂の他種族が来たんだ。
しかもその種族は―――見た目 人間とそう変わらなくて耳だけが人間より長くてとがってる―――そう、エルフだったのだ!
最初の異種族交流の相手がエルフってなんか感動しねぇ?
いや、もちろん動植物、うさぎ(角付き)とか花とか狼(赤紫)の意識も念話で読み取れたけど……なんか違うだろ?
まあ、そんなことは置いといて今日来たエルフの話をしよう。
今日来たのは〈大地の氏族〉という祭事や神事を司る氏族の人々で、この氏族の長でもありエルフの長でもあるトールズさんと〈大地の巫女〉のリーンさん、巫女見習い兼巫女の従者のサリサさんとミュラさん、あとは荷物持ちの男性衆で計10人だ。
全員 超美形。男どももむかつくぐらいイケメンだった。
リーンさんは見た目70歳ぐらいだったけど、まさに「綺麗に年をとった」って感じで若い頃はさぞかし美女だったんだろう。
ちなみにほかの人たちの見た目は、トールズさんが40代半ば、サリサさんが13,4歳、ミュラさんが16、7歳、男性衆が20才前後かなって感じだな。
ただし、成人の儀式後エルフは人間の8~10倍かけて成長するから実年齢はわからない。
皆さんしばらくここで泊まるらしく、テント張り始めた。モンゴルのゲルみたいなやつが4つ並んでる。1つは大きい儀式用?で、明日そこで男性衆のうちの4人が成人の儀式をするらしい。
エルフの成人は16歳で他の氏族は森の入口で簡易的なのをやるんだけど、この氏族は役職の関係で正式なのをやるらしい。
役職の関係ってのは、エルフの国で5年ごとに建国祭があって霊樹も参加っていうか協力するんでそのうち合わせで奥まで来るというので、なんで関係するのかってぇと、その5年に1度の周期が新成人がでる年とだいたいかぶるからだそうだ。まあ、エルフは長命種だからそう多く子が生まれるってわけでなく 10年に一人生まれるかどうからしいんで居ない年もあるらしいし、ずれる人も居るらしいんだが、いなければ居ないで良いし、ずれてもせいぜい2,3年だから合わせるらしい。
難儀なことだ。
あ~、エルフの皆さん寝ちゃったし俺も寝よ。ホントは睡眠もいらないらしいけど。