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えっ!?冒険できないんですか?  作者: 虹彩
辿った道を見返して~大きな忘れものと小さな届けもの~
34/54

第31話 出立・・・?

4/7:拠点の名前変更


 side:エトキロ


「で、君らはどうするんだい?」


ケントさんが俺ら、とくにシンに向けて言った。

えーと、何の話だったんだ? 昨日の後夜祭っての話をしていたのまでは覚えてるけど途中で朝食メシに集中しちまったからわかんねェや。


=オイ、キヨシ。何の話だ?=


=何の話って、お前らのこれからの行動だろ? 俺らは〈商業同盟〉に話を付けに王都へ行くんだけど…ケントさんが言ってんのは、お前らは付いてくるのか、ってことだろ。=


=俺は一緒に行きたいけどなぁ…=


ジェイを窺うと、俺の考えている事が分かったのか苦笑気味。ジェイの奥に座ってるシンは呆れ顔だ。


「当座がもつ程度の金はあるんですが、さすがに俺たちも仕事しないとなんですよ。」


「まあ、という訳なんで一旦 拠点のマイロに戻ります。」


ジェイが恥ずかしそうに苦笑しながら訳を話し、シンが引き継いだ。

そういや、露店なんかで結構散財しちまったんだっけ。 とくに女子が。

まあ、どうせ〈建国祭〉のときには帰るからいっか。シン達にも前々から言ってあるから、よっぽどの事がなきゃ、一緒に行く事があっても引きとめられる事はないだろーしな。


ああ、にしても昨日の後夜祭ってのは楽しかったなあ。








 side:キヨシ


後夜祭の翌々日の早朝、俺たちは〈テクノリア特別行政区〉の関門前に来ていた。


トキたち《黄李(おうり)の楯》はいろいろ(主に金銭面の問題が)あって拠点に帰るらしくココでしばしのお別れってわけだ。まあ、どうせ2か月(もないか?)あとの〈建国祭〉にも来るんだろうし、文字通り”しばし”だな。

ちなみに《黄李(おうり)の楯》というのはトキたちパーティーの名前らしく、つい昨日知った。なんで初対面のときに名乗られなかったのかは疑問だったけど、聞いたら納得。トキが教えてるもんだと思ってたんだと。まあ当然だよな。


つらつらと取り留めもなく記憶をめくっていたら柵があいた。

どうやらトキたちの荷調べが終わったみたいだ。ココは持ち出し禁止のモノがいくつかあるからしょうがない。


「じゃあ、元気でなみんな!」

「〈建国祭〉には是非いらしてください。」


「あはは、きっと行きますよケントさん。じゃあな、キヨ!」

「頑張ってな二人とも。」

「じゃあねキヨシくん。ケントさんありがとうございます。お元気で。」

「にゃはっ、またね~。ケントさんも。」

「二人にはまたいろいろ聞かせてもらいたいよ。じゃあね。」


「じゃっ、キヨシ土月とげつにな。ケントさんも。キヨシをよろしく」




六人が出ていくと柵がまた閉まる。

思い思いの言葉を交わして、明るく別れたけどやっぱ少し淋しい。


「じゃあ、僕らも準備しようか。」


ケントさんに促されて関門で荷物を渡す。

準備は何をするのかっていうと…、準備っていうか整理だな。このときなるべく見やすく整理しとくと早く出られるらしい。あとは、身分証明書代りの冒険者カードと〈学術祭〉の招待券をすぐ見せられるよう持っとくぐらいかな。


「じゃ、カードをコレにかざして…って君! 」

「おい、この子アレに載ってた…」


荷物も大丈夫だったし、後はカードを照合して、顔を確認したら終わりのはず……

だったんだけどなあ。俺の顔を見るなり門番というか係の人たちが騒ぎ出してしまって「上の者が来ますのでしばらくお待ちを」とか言われてしまった。

いや、上の者、とかどうでもいいから早く出してくれよ。


係の人は先から事務所みたいな部屋の壁が気になるようで、俺の顔とと行ったり来たり。

気になったので覗いてみたら


「え…?」


おかしなものを発見。丁度、俺が遅いのに気付いたケントさんもやって来た。


「大丈夫かい、キヨシ君! いったい何が…んん!?」


「ねぇ、ケントさん。もしかするとアレって…」


「うん。もしかしなくても手配書だね。はぁ…いったい何したんだいキヨシ君。」


勇気を出して俺は恐る恐る聞いてみる。まさかとは思ったが、指名手配書らしい。しかも、俺の。

何をやったのかって…俺が知りたいよ。




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