第30話 ”後夜祭”はハイレベル
遅くなりました。
でも、中身はあんまないです(-人-)
side:キヨシ
実は最後に渡されていた拡声端末が俺の魔力に当てられて壊れたりというハプニングがあったりもしたんだが、一応は発表は成功だったと思う。
その後俺たちは理事長挨拶まできっちり聞いて宿に帰ったんだけど、学院の”生徒自治会”とやらの学生さんが理事長と来て「よろしかったら後夜祭に来ませんか。」というので、〈建国祭〉の告知も兼ねていくことにしたんだ。
で、後夜祭は生徒たちが自分らを労うために開いてるらしいんだけど…
「さぁてさて、今年もやってきましたーー! 皆さんお待ちかねの後夜祭でーございまーす!!!」
イェーーーイ!!!!
「えっ、ちょ、なんで?」
「いやー、懐かしいなぁ。今でもこんなふうにやってるんだね。」
「うちは初めてや。どっきどきするわぁ」
えーと、あー、何なんだこのカオス…。
ちなみに上から順に、進行役(女生徒)、観客、俺、ケントさん、スーちゃん、なんだけど…いくらなんでもおかし過ぎるっしょ。トキ達に至ってはフリーズしちゃってるよ?
まるで元の世界のライブ会場のような盛り上がりかたなんだけど?
しかもなまじ魔術や魔道具の技術が高いから照明とかセットみたいのも凝ってるし……〈建国祭〉の演出係にほしいな。うん。
まあ、なんにしても学院都市のレベルが高いってことか。
今は、えーと【今年の何でもランキング】? …ほんと21世紀の日本みたいだな。後頭部がだいぶカラフルな事以外は。
「見る事は知る事グループの皆さんありがとうございましたぁ。でわでわ、続きまして"印象に残った発表者 best3"です!! 第3位――入場でずっこけた高等部1年 シェナ・クーリン君! 続いて第2位――おっと、これは意外です!招待客のブルネウ・I・トルナム様。帰っちゃう学生を見つめる姿に哀愁が、っという方が多かったようです。 そして栄えある第1位は―――」
ドラムロールが長めに流れる。
ウーン、こんなとこも一緒なのか。にしても焦らすなぁ。
「招待客のケント様&キヨシ様! て、何で2人いんのよ。」
コソコソ
2人いるのに驚いた司会の子が舞台袖に理由聞きに行っちゃったようだ。段取りしっかりね。
ん…とゆうか
「えっ、俺達!?」
「うーん、なんで2人なんだろうねえ。同率かなあ…」
パタパタパタ
「あーお待たせいたしました。契約者同士という事でセットで書いてしまった方があまりに多くこういう形になりました。では、4人の方いらっしゃいましたらステージへどうぞ。」
ステージへって…そんな急な
「いこうか。キヨシ君」
「ず、随分落ち着いてるんスねケントさん。」
「まあ、行事自体は知ってるしねぇ。」
・
・
・
「…えっとー、ケント様とキヨシ様でよろしいんで、すよ、ね?」
なぜだろう。司会の子に怪訝な顔で聞かれてしまった。しかも観客の生徒たちも心なしかざわついてるような…
あ、トキが手ぇ振ってる。なんだ…体触って、くるっと一回転。何やってんだ?
「キヨシ、キーヨシ! 体、チェンジ! 他のみんなわかんないから」
あ、結局しゃべった。
なるほど、戸惑いの原因はそこか。
「あ、そうですよ。今低魔力設定なのでちょっと待って下さい――――コレでダイジョブですね?」
オオオォォォ・・・
「はい。ありがとうございます
ブルネウ・I・トルナム様は宿に帰られたそうなので、後ほど賞状と景品をお送りします。
では、賞状&景品授与! なお今回の景品は学院謹製〈魔力増加ポーション〉ですっ!」
パチパチパチ
なんか、スタッフぽい青年が手わたしてくれた。〈魔力増加ポーション〉か…そんなのまであるんだ。
青年が帰り際に司会の子に耳打ちする。
「…え。 では、トップのお2人から告知があるそうなので、どうぞ。」
えーっ、ここでなの。ぶっこみすぎでしょ、頼みますよ理事長。
「あ、はい。スロキアでは今年建国2000年を祝しまして特別に〈建国祭〉を首都で行います。コレに伴いまして、新しく露店や出店とくに飲食系を集めた”縁日街”を開催いたします。この”縁日街”には各国の団体を招致する予定です。学園都市にも10の枠で打診しましたところ許可が下りましたので、学生、住人のみなさま奮ってご参加くださいませ。」
よし、言いきった!
「護衛も着くことになっておりますが詳しくは学院の方へお問い合わせください。」
っと思ったら、護衛のコト忘れてた。
=ありがと。ケントさん=
=いや、キヨシ君だけに任せてたんじゃ僕の立つ瀬がないからね=
「だそうです。 皆さん気張りましょう!
ではお3方ありがとうございました。」
おお。煽ってんな。
まあ、ともかくあとは観て聞いて楽しもう!!