第28話 〈学術祭〉と個性的な助手?
!注意!
1)この話には関西弁もどきが出てきますがあくまで"もどき"です。作者の勝手な感覚で書いておりますので、ご容赦を。
2)物語の舞台である〈エターナル〉、〈リスフィア大陸〉の言語は日本語ではりません。関西弁は主人公の脳内訳によるものです。
side:キヨシ
〈学術祭〉当日の朝、おれたちの泊っている宿に学院の職員さんが水色の髪の女の子を連れてやってきた。あんまりにも小さいんで、その子が迷子で親がココに泊ってるのかと思ったんだけど、彼女が俺らの助手らしい。魔術知識が薄い人とは言ったけど…初等部だよな?この子…
「あの、条件つけたのはこっちですがこんなに小さい子はチョット…。親御さんも心配なさるでしょうし。」
「心配せんでも、ええですよ。うちは翼人ですよって、こう見えても17なんですわ。」
俺の言葉に応えたのは女の子のほうだった。…っていうか、関西弁!?
そして、17って歳だよな? ヨクジンってのは長命種なのか?
「ああ、そうだったのですか。髪と瞳の色からもしかすると…とは、思っていたのですが翼がみえなかったので。」
「あっ、外套も脱がんと失礼しました。―――お2人の助手をやらせてもろう事になりました スー・エイリア いいます。どうぞ、よろしゅうに。」
悩んでる間に会話が進み、あわてて外套脱ぐ女の子改めスーちゃん。
そして、ぴょこりと頭を下げたその背中には一対の白い翼、例えて言うならその姿は天使のようで…
不覚にもトキメイテしまった。
って、俺ロリコンじゃねぇし。…でも、17だから問題ないか? そいう問題でも…
「ええ、よろしくお願いします。じゃ、お仕事の説明しますね。」
「はい。」
「では、私はココで…」
「ご苦労さまです。ありがとうございました。」
「ありがとうジーク先生、さいなら。」
立ち去ってゆく、学院の職員もといジークさん。
俺の葛藤をよそにケントさんは説明を始め、時間はいつもどうり進んでいく。
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「―――以上でボクたちの発表を終わります。 礼。」
パチパチパチ・・・
『次が学生の部ラストです。テーマは【魔道具の性能と使用場所の関係】、高等部三年 見る事は知る事グループの4人です。どうぞ。』
只今、昼過ぎ。場所は学院前の特設メインステージだ。
俺たち7人とスーちゃんは少々長引いているらしい学生の部の発表を聞いている。学生の、といっても高等部だとなかなかレベルが高い研究をしているようで、発表の仕方もうまいところが多い。
俺たちも頑張らないと、っとそろそろ移動しなきゃだな。
「ケントさん、スーちゃん行こうか。」
「そうだね。」「はい」
ああ、そういえばスーちゃんに対するトキメキは気のせいだったというか、保護者的な気分に変わった。練習した後、一緒に商店街を回っていたらなんとなく娘とか年の離れた妹のように思えてしまったのだ。
理由は多分分霊。俺自身、トキに念話で=なんだか、久しぶりの地元を姪に案内される叔父、みたいだな=なんていわれるまで忘れてたんだが、俺の今の外見は30代半ばで一昨日からかわってない。精神は体に宿ってるんだなーと実感した。
こっちは余談になるけど、一昨日この格好で宿に帰った時はトキ以外の全員に(宿の女将まにで)「どちらさまでしょう?」と聞かれた。まあ当然なんだが…俺だと明かして顔だけ戻したりしたら驚かれた。〈魔力の糸〉が繋がってるトキは俺だとわかってた分、最初っから驚いてた。
とまあ、発表のための容姿で色々 弊害(?)もあったわけだけど、いよいよ本番だ気合い入れてこう!
『これより学術発表大会 教員・招待客の部 を始めます。』
新しい子が出てきてしまった・・・。
しかも、エトキロPTのメンバーが空気になってるよ。どないしよ;