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えっ!?冒険できないんですか?  作者: 虹彩
冒険者になって~〈学術祭〉と〈碧風式〉~
23/54

第20話 食卓を囲んでのはなし

遅くなりました。

ちょっとグロイかな? 表現が不愉快だと思われる方もおられると思います。読まんでもまぁ平気なので飛ばしてもOKです。


 side:シン


説明を一通りしてもらったが、イマイチよくわからないな。まぁトキの説明下手ってのもあるんだろうが…。一応確認しておこうか、しばらく行動をともにするんだし。


「つまり、キヨシ君は本来森から出れない霊樹だけど一人で世界を見て回るために魔術を習得していろいろ研究している。そして現段階では契約の〈魔力の糸(パス)〉を利用して森の外にも半物質化状態の分霊を出せるようにできた。―――ということで良いのか?」


「そんなトコですかね。」


「加えて言えば、今回発表する魔術も元々はキヨシ君専用の予定だったんですがね。」


はあぁ、とことん規格外だなこのキヨシって子は……ん?"子"でいいのか?

霊樹で分霊ってことはエルフ以上に実年齢と見た目が噛み合わないんだろうし、ホントはいくつなんだ?

ま、いいか。聞くのも怖ぇし。


「そういや、その魔術さ、おれも使えるってのどういう事なんだ?」


「んん~ 「お客さんら食べないんならそろそろ空けてもらえるかい?」 あ、スミマセン。それは、明日からの道々話すわ。実践も兼ねて、ってことなんで皆さんまた明日でいいですか?」


「ははっ、以外にマイペースなんだな、キヨシ君は。構わないけど、明日は何時(いつ)頃出ましょうか?」


「そうだな、昼前には出たいから…朝食から1ハン後にはここに居てください。」

「はい、わかりました。」


「1ハン後だぞっ」

「はーい」「はい」「了解」「了解です」「っかりましたぁ」









 side:キヨシ


「なぁなぁキヨシー。何時んなったら教えてくれんだー?」

「そうだよ。もったいぶらないで見せろよ!」


町を出て数ハン、地球時間にして15時ごろ。順調に進んでいたんだが如何せんトキの我慢に限界が来た。

ついでにカインくんも…。キミは使えんのだがな


「んー、魔物()がいるといいんだけどなぁ……お、アレがいっか。」


お誂え向きに前方から魔物(バカでかい兎)が三体ばかりやって来る。

何属性がいいかな。派手に火系か、あ、でも食えたら勿体ないな。


=ケントさん、アレ食える?=


=アレは…〈ジャイアント・ステップラビット〉ですね。おいしいですよ。=


「んじゃ、風系。…トキ、こぼしがあったら頼むわ。」


「お、おう。」


「じゃ見とけよ。―――範囲・対象指定(ロック)。 出力(パワー)3/1000。 コード[000F00-edg] ×3(かけさん)発動。」


"発動"の言葉を合図に魔力文字(コード)が3つの刃となりバカでかい兎ジャイアント・ステップラビットの首を狩る。

定型文を改編したのは時間短縮のためだ。ホントは言わなくてもいいんだけどな。


「こんなんだから〈碧風式魔術〉。」


「「って、わかるかッ」」


「えぇー。じゃあ説明は食べながらで」


「え。ソレ食べるのか?」


「どうかしました? シンさん。

あ、もしかして早すぎます? でも、解体して持ってくの大変ですy「キヨシ君、火の準備しちゃうよ」はいはーい」


さて、シンさんたちは乗り気じゃないが飯だ。兎ならスロキアでも捌いたことあるし平気だろ。

ただ、首なし(血みどろ)兎はちょっとエグイ…罪悪感が無いでもないが、こっちじゃ慣れなきゃならないことだし、即死だと思うので勘弁してほしい。






 ジュワーージュッジュ


ウサギ肉がいい具合にやけてきた。岩塩と香草(たぶん)だけだけどかなりうまそうだ。リズさんが作っている穀物入りのスープ(粥ではないと思う)もそろそろできるようだ。

今は結局夕方だ。捌いてる間に日もだいぶ傾いてしまって、野営準備も整っている。


トキに説明しなきゃだなぁ、と思っていると


「で、結局あの魔術はなんなんだい?」


なぜか、ジェイさんから話を振られた


「あれは俺がケントさんと共同で開発した魔術で、〈碧風式魔術〉といいます。俺と何らかの〈魔力の糸(パス)〉を繋いだ者が『範囲・対象指定、使用魔力量の指定、属性と形状の決定』を宣言することで発動します。――(詳しくは14話参照)――とまぁこんな感じ。」


お、そろそろ焼けたか?


「なんか難しそうだな」


「コードを覚えるのはちょっとホネかな。トキは俺が変換してやってもいいよ。…はいどうぞ、熱いから気を付けて。」


「サンキュ、キヨシ君。 トキ、お前反則っぽいな。霊樹の一部(媒体)も要らないし」


「はははっ、開発者の親友様だからな!」


「あ、おいし。…でもさ、この魔術パッとしないわよね。攻撃力は申し分ないケド。」


「そうだよ、キヨシ。カッコイイ詠唱(えいしょー)つけろよ! ついでにオレにも使わせろ!!」


「ミコラもカインも何言ってんだ。30年でここまで作ったんだから、それだけでも相当だぞ。」


うーむ。そもそも慣れれば魔力でコード書く以外は"想う"だけで済むから言ってるのはホント最低限だし、傍目で見たらちょっとカッコ悪いってか不気味だよな。やっぱ、ミコラさんの言うような見栄え的なものとか、形式美的な詠唱とか必要かなぁ。

ま、シュベリエに着くまでに考えりゃいいか。




※補足

・1ハン=約2時間 です。

・魔力文字はまんま魔力で書いた文字記号です。

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