第18話 招待状
2/28 ケントの年齢修正しました。
ちょっと長いです
side:キヨシ
「ケントくーん、キヨシくーん、お手紙ですよ。」
「はいはーい、今行きまーす。」
「エリシアさん、くんはやめてください。僕も もう300近いんですから…」
会議からしばらくたってこある日、ケントさんの勤めていた魔術学院から手紙と大きめのドッグタグみたいのが届いた。
なんでも、〈碧風式魔術〉を実際に見たいから”火月の五十日”つまり今月末にある〈学術祭〉(正式名称:我が学院の学問及び技術の成果発表祭)に参加してほしいらしい。
「〈学術祭〉か、そういえばそんな時期だな。どうします?キヨシ君」
「んー、どちらにしろ屋台のコトで〈シュベリエ王国〉にも行かないとなんで受けましょう。…というかこの正式名称どうなんですか?」
「あはは…、当時の理事長の意向で『何をするのかはっきりわかる名前』らしいです。でも、内部の研究・発表自体が高レベルですから外部から招かれるのは非常に名誉なことなんですよ。」
「へぇー。じゃ、適当はできませんね。…あ、そういや〈シュベリエ王国〉までどれくらい掛かるんですか?」
「直行だと10日ぐらいだけど、森を突っ切ったり川を渡ったりするから大変なんですよ。だから〈ターヒル〉を経由して―――15日ぐらいかな。」
「〈ターヒル〉ってトキのパーティが拠点にしてる町のある国ですよね。会えっかなぁ」
「うーん、どうかなぁ。冒険者は仕事が不定期ですから、拠点でも長く帰らないこともままありますし……そうだ、念話で聞いてみたらいいんじゃないかな。」
「ああ!このまえも会議の結果とか仕事のコト念話したばっかなのに忘れてた。ありがとございます。」
じゃ、早速…
「昼間は戦闘中の可能性もあるからこっちから送ったらダメだよ。」
「あ、はい…」
…夕飯の後にしよう。
side:エトキロ
「だあぁ、疲れた~~。ハラ減った~。」
「俺も。あんな手こずるとはなぁ。」
「大変だったわよね。10匹程度って話だったのに30以上出てくるんだもの…あああ、思い出したら腹立ってきた。」
「協会に言っとかないとな。依頼料ごまかしたかったんだろ、きっと。…なぁ、リズ 飯まだ?」
「やっと野営準備 終わったトコなんだからもう少し待ちなさいよ、シン。」
マジで今日は大変だった。
今日の依頼は犬型の魔物の討伐依頼でちょっと拠点から遠かったんだけど規模が小さいし受けたんだよな。…コレが間違いだったよなぁ、おかげで野宿だし。
あ、鍋g=―――しもし、もっしもーし、トキ。今だいじょぶか?=
「リズ、鍋吹いてんぞ。「えっ!やだホントだ。」あと、おれ、念話来たから。」
=大丈夫だけど、どしたんだよキヨシ。この前念話したばっかだろ。=
=俺、5日後ぐらいに〈ターヒル〉行くと思うから、会えっかなぁ?って=
=おっ、ついに単独行動か?おめでと、キヨシ!=
=あーいや、それはまだ。今回は〈学術祭〉に行くついでで、この前言った店の募集もする。=
=〈学術祭〉? 観光に行くのか?=
=ケントさんと発表。魔法完成したって言ったよな?ソレ=
=…聞いてねぇよ。でもすごいな、おめでとう。=
=ん、ありがとう。そういや、俺と念話しながらだったらお前も〈碧風式〉使えるぞ。
じゃ、そういう事だから5日後な。=
「はあっ?―――あ、切れた。」
「「「「!!……。」」」
「…どうしたんだよ、エトキロ。」
突然おれが叫んだんで驚いたらしいみんなを代弁するようにジェイが言う。…聞かれても、おれもよくわかってないんだよなぁ。
「…とりあえず、5日後って空いてたよな?」
「? おう。なんかあんのか?」
「〈ターヒル〉に知り合いが2人ばかりくるらしくて―――エルフと霊樹なんだけど。
……あと、おれたまに?魔法使えるようになったらしい。」
みんなしばらく呆けてたけど冗談だと思ったらしく笑いだし、おれが本気だとわかると愕然とし、おれは質問攻めにあった。
いや、おれもわかんないし。…早く来い、キヨシ。(とケントさん)
トキ視点の最初のやり取りについて補足
上から
カイン・ストランデ 人族15才 お調子者の前衛くん。シンの弟で皆 、弟のように思っている
ジェイ・トルティア 人族20才 話のわかる魔法剣士。シンをサポートしている。
ミコラ 猫系獣人族17才 ミーハーな短剣使い。魔法以外なら何でもこなす。
シン・ストランデ 人族18才 いちおうリーダー。突っ走りがちだがやるときはやる。
リゼッタ・ソリューズ 人族18才 面倒見のいい中位魔術師。シンとは幼馴染。
おまけ<念話開始直後の仲間たち>
シン:彼女か?
リズ:えー。(でも、ありえなくはないかも)
ジェイ:いつものだろ
シン:じゃあ。彼か。
ミコラ:え?!トキくんそっち系だったの?(それもアリかも///)
カイン:マジで?!
ジェイ:いや、そうじゃなくて。変な言い方すんなよ、シン。
シン:あぁ。でも、ありえそうじゃね?花街誘っても来ないし。
リズ:2人とも定休いないと思ったらそんなトコ行ってたわけ。
シン・ジェイ:……。(藪蛇だった;)
ミコラ:…最低。
リズ:だいたいn「はあっ?(トキ)」―――な、何?
シン・ジェイ:たすかったぁ…〈小声〉