第13話 挑戦と師事
少々長めです。
文才のなさが前面に出た読みづらさになってしまいました。
(前からだろbyキヨシ)
side:リーン
魔法も教えられないことを伝えるとキヨシくんはひどく落ち込んでしまって…。
そんな様子を見て、トールズの話が終わるまでのもうしばしの間はそっとしておいてあげようかと考えていたのだけど、キヨシくんは「こんせんと」やら「かんでんち」などのよくわからない言葉を呟いて、俄然やる気を取り戻してきているわねぇ。
「どうs「――――と、言う訳なんです!分かっていただけましたか?」の(どうしたの)です?キヨシくん。」
トールズの話もある意味丁度すぎるタイミングで終わった様。
さて、当のキヨシくんに視線を向けると、決意を固めたように
「理論だけで構いません。魔術も魔法もできるだけ詳しく教えてください。」
と頭を下げました。
どういうことかは分からないけど滞在が長くなっちゃうわねぇ。それに…
長の問いかけは完全に無視しちゃうなんて、あんなに熱弁を奮っていた長が眼中にないのね…
side:キヨシ
「理論だけで構いません。魔術も魔法もできるだけ詳しく教えてください。」
思い切って言ってみたけど、やっぱだめなんだろうか…
トールズさんとリーンさんどころか星見まで呆気にとられてn=何言ってんの=的な目線を、……アイツ念話まで送ってきやがった。
=うるせー、俺なり思うトコがあってだな=
「できない可能性が高い事はわかりました。でも、いろんな分野に諦めないで独学で高みに登った人がいる。だから、俺は可能性があるなら諦めたくない。ぁ…。というわけなんです。幸い俺には何千年っていう時間がありますし、ね?」
しまった、星見にも向けてたから敬語が途中はずれちまった…。
でも、伝わったかな? 少なくとも長やトールズさん、リーンさんをはじめ年長者の目には理解の色がある。…若干、夢を追う子供を見守るような雰囲気だけど
「そういうことなら、僕が教えましょう。」
返答がなく、そわそわしてきたところに意外なとこから声がかかる。
「「「え?ケント(さん)?」」」
俺はもとより、ちょっとのり気になってるっぽかったトールズさん、ケントさんの隣にいたシュワルさんから疑問の声があがる。ケントさんは見た目、20代で10人の中では1番さえない…目立たない風貌のエルフだ。彼が目立つ行動をとるなんて意外すぎる。
「キヨシさm「せめて“君”で頼みます、尊敬語も無しで」はぁ…本人がそう言うなら。
とりあえず、キヨシ君はともかく2人は何驚いてるんですか。人族の魔術学院で講師やってたの知ってるでしょう。それにシュワ、隣にいるんだから雰囲気で気付こうよ。それから氏族長、仕事があるんだから乗り気にならないでください。」
敬語はノーサンキューだけど、本物の先生だったとはありがたい。
でも何でやめたんだろ?わざわざ聞くのも失礼か…
「あ、やめたのは講義しつつ研究にも全力投球して倒れたからです。講義の方は定評がありましたから、手腕の方は心配しなくても大丈夫ですよ。」
と、思ったら自分から言ってくれちゃったよ。
というかやめた理由が過労って、平気なのか?でも、教え方にも自信がありそうだし、400年ぐらいは生きてくれるだろうし…
「じゃあ、気長によろしくお願いします。」
「うん、準備もあるし、しばらく後からになると思いますが、よろしく。」
=頑張るんじゃぞ、キヨシ=
=よかったな。できるようになったら、オレにも教えろよな。=
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そんなこんなで、長とか星見、リーンさんにも励まされ、みんなの杯のペースが戻った頃。
長とトールズさんと今後の話をしてたと思われるケントさんが、ふと疑問に思ったふうで
「そういえば、キヨシ君。魔法はともかく魔術は要らないんじゃないんですか?」
と、聞いてきた。長なんかも、そういえば…、みたいな顔だ。
「ああ、説明してなかったですね。
まあ、1番の理由は疑似的に魔法を得るためのモンならある程度、魔法の使用工程とか踏まえて理論ができてるだろうから、起きる原理だけじゃない部分を知れるかな、と思ったからですね。それに奇跡的に使えるかも知んないじゃないですか。」
「ああ、後者はともかく、『魔法の使用工程を踏まえた理論』ってのは正しいかもね。ほかには?」
あ、なんか先生モード?敬語じゃなくなった。気が楽でいいけど
「はい。あとは…そうそう、魔法が本当に分霊しか使えなかったときに疑似的に魔術使えないか実験しようかと思って。」
≡「「「はっ?!」」」≡
あれ?俺、そんなおかしなこと言った?
…なんという文才のなさ
主人公のキャラブレよりリーンさんの方が激しかったという、まさかの事態。
さらにモブだったはずのキャラが中心に出てきてしまうという、無秩序感。
どう収拾付けようか?