西あおい台住人たちの井戸端会議
「それでね?ウチの愛美ったら、みきこちゃんにお願い事しに行くって駄々こねるのよ。夜八時過ぎに」
「みきこちゃんのおまじないなんて、まだ流行ってんの?私が小学生の頃からある怪談じゃない」
「ずいぶん前からあるのね。うさぎ小屋のみきこちゃんの話」
「古すぎて何の意味もないおまじないよ。だってもう、うさぎ小屋自体が取り壊されて別の場所に建て直されてるもの」
「確かに綺麗だと思った〜。あんな立派な建物、小屋とは呼べないわよねぇ」
「みきこちゃんって、お願い事何でも叶えてくれるんですって。大きくなったら、カッコいい男の人と結婚したいです!とか、お金持ちになりたいです!ってお願いして叶った子がいるって噂もあるし」
「あー、子どもが好きそう」
「たまに大人もお願い事しに来るみたいよ。いい歳して何考えてるんだか」
「うさぎ小屋のみきこちゃんって、怪談話じゃないの?みきこちゃんにお願い事を叶えてもらったら、同じぐらいのお礼を返さないと呪われるんじゃなかったっけ?」
「みきこちゃん、結構シビアな子なのねぇ。カッコいい旦那の見返りなんて、何を返せばいいのかしら」
「それで愛美ちゃんは、みきこちゃんに失くしたヘアゴム見つけてもらう為だけに夜の学校へ行きたがったの?」
「かわいらしいお願いだけど、母親としては複雑」
「それがね、聞いてくれる?何でも今はうさぎ小屋にみきこちゃんはいないらしいの。みきこちゃんは、ちゃんとお家にいるらしくて」
「家?どこの?」
「知らないわよ。東あおい台の方らしいんだけど」
「東あおい台って、隣の学区じゃない」
「学校の怪談もついに自宅を持つようになったのね」
「うさぎ小屋が取り壊された時に、引っ越したのかしら。いいわね〜、ウチも立派な家に引っ越したいものだわ」




