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仁義なき魚

「わあ!凄い開放的です!普段建物の中ばっかりだったんで!」



今日はキャンプ場に来ていた。

手配はツヨシさんがしてくれた。


私はまだ運転免許は持って無かった。ツヨシさんは持っていたらしいが、帰り疲れて運転も大変だろうと電車で行ける所にした。


「そうですねー!」


と、ツヨシさんは伸びをしていた。

普段メガネを掛けているが、今日はしていない。


「今日はコンタクトですか?」


「はい。落としたりぶつけたりして割ったりしたら大変なんで。」


因みに私もメガネ歴は長いがまだそんな目にあった事はない。

まあ、元気に暴れ回る性格でも無かったからかも知れないが。

しかしキャンプってそんなに危険なんだろうか…

イノシシとか熊とか遭遇するんだろうか…

ちょっと恐ろしくなった。


しかし、メガネのないツヨシさんは顔の造形がハッキリ分かって綺麗さが際立っていた。

少しドキッとしてしまった。


「とりあえずテントに荷物置きますか。」


「そうですね。」


今回は非力な2人なんで、用意されてる物にした。

まあ組み立てとか楽しそうだけど…

この2人だと絶対張れない自信はある。


今回は色々揃ってる所にした。

何分キャンプのキの字も分からない。

楽しい所だけ出来ると言う訳だ。

まあ、気晴らしに来たんだし、キャンパーになる気もない。

ヒロシにはならない。



「凄く星が綺麗に見えるらしいですよ。」


と言われて一泊する事となってしまった。


まあ、私の事はペット位にしか思って無いだろうし、もし何かの間違いがあったとしても高校の頃の事もあって、私の身体を見た所で恐らく一級の女性を相手にして来たであろうあのモテツヨシさんが手を出す事もあるまい。


そう思って


「いいですね、折角なんで見ましょう」


と答えた。



とりあえず荷物を置いて何しようかなって思っていたら


「釣り出来るみたいですよ。やってみます?」


「へー!キャンプっぽい!やりましょう!」


と、釣具を借りて近くの川に行った。



「どうですか?」


「うーん、私は全然駄目です…まあ今まで触った事も無かったし、想定内ですね。」


「そうですか…」


そう答えてツヨシさんの方を見ると…


「マジですか…凄い…実はプロだったりしました?」


「うーん、たまたまですね」


既にデッカいのを3匹釣っていた。

こんな見た目なのに…マジでこの人謎だ。

実はもうカジキマグロとか釣ってたりするんだろか…


「あっ!今かかったっぽいです。握ってみます?」


「はい!私には経験出来なそうなんで、せめて釣ってる気分味わっときます!」


そう言ってツヨシさんが握ってる釣竿を一緒に握らせて貰った。


「凄いですね!引いてるのダイレクトに伝わります!」


「ですねえ」


そう言ってまたでかいのを釣り上げた。


この人は豚以外にも釣り上げ名人なんだなあ。


「これどうします?その内私は人体を捌く事は有るかもですがまだ人も魚も捌いた事ないんですよ」


「うーん、まあ、これらは川に戻しましょう。僕も捌けません。キャッチ&リリースです。」


そう言って川に帰した。


「中々貴重な体験でした!学校では出来ないです!」


「そうですか!楽しそうで良かった!」


私は凄く楽しんでるけど…

一応ツヨシさんも元気付けるのもこのキャンプの意義だからなあ。

何か楽しい事が有れば良いなあと思っていた。


その後は足元を捲って川に入った。


「うわっ何か足元ヌルって触った!」


「多分何かの魚ですかね!ツヨシさんが逃したからお礼参りしてるんじゃないですか?」


「それ、何か魚が報復しに来たみたいで怖いんですけど…」


「あはは!仁義なき魚!」


「夢に見そう…枕元に釣り上げた魚がピチピチ跳ねてる…」


「魚の兄弟、お礼参り!あはは!」


「魚をヤクザ物にしないでよ…」


「ワイらの仁義は魚じゃい!」


「もう…それどう言う状況…あはは」






暫く2人で笑い転げていた。


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