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何だコイツ

「江藤さん、今日はキッチンカーですか?」


「はい!三田さんは相変わらず忍者飯ですか?」


「はい。水曜日は江藤さんが居ないので修行の日と決めました。今日は飢渇丸です。」


「何か喉乾きそうな名前ですね…では行ってきます!」


「では勝鬨を。エイエイオー!」






今日は早めに来れたぞ。



ってあれ?



「エトランゼさん!お待ちしておりました!」


「えっ!?ツヨシさん!?」


「さあ、食べましょう!」


と、マリボのメニュー全種類が公園のテーブルに置いてあった。


「これ買ったんですか!?」


「はい、ちゃんとお金払いましたよ?」


いや、盗んだとは言っては無いが…


「僕、少ししか食べられないんで。また江藤さんに食べて貰おうかなって。残して目が潰れたらこの先大変ですし。」


「そ…そうですか…では私お腹ペコペコなんで遠慮なく…」


目の前のご馳走に目が眩んで図々しかったかなって思ったけど、冷めたら勿体無いし…

と、食い意地に負けてペロッと頂いてしまった…


ツヨシさんは殆ど食べずに私が食べてる所を嬉しそうにニコニコ見ていた。


「これどうぞ。前にここのコーヒーも美味しいって言ってたんでさっき買って来ました。」


「わあ、ありがとうございます!」


見た目だけでなく、なんて紳士でスマートな…こんな私にもちゃんと女性の扱いが出来て凄いなあと感動していた。


「このままでも美味しいんですけどね、トッピングしても美味しいんですよ!」


と、キッチンカーにサービスで置いてある色々なフレーバーシュガーを借りて来た。


「オススメは何ですか?」


「うーん、私はこのカプチーノシュガーですね!シナモンとココアが入ってます。これはシナモンが強めかな?」


「へえ!」


と言ってツヨシさんが容器の蓋を開けてどっさり入れていた…


「うわっ!それは塩みたいに蓋は開けずに蓋の穴からパラパラ入れるんですよ!」


「あっ!そうだったんですか?」


そう言いながら飲んでいる…

色々せっかちな人なのかな


「大丈夫ですか…?」


「はい。普通に飲めますよ?」


マジか…

試しに一口貰った。


「…」


すぐに自分のコーヒーで口直しした。

この人味覚大丈夫なんか?


てか、そんな人がなぜここの美味しいご飯食べに来たんだろう…


「ツヨシさんは何故ここに食べに来たんですか?」


「あー、僕、今飲食店でバイトしてるんで勉強に。人が美味しいって思う物のリサーチかな?ここ元有名シェフだから」


「へー!将来料理人になるんですか?」


「いえ、作らない方です。」


「ほー!」


ホールとかの接客かな?でもそれならリサーチとかいるかな?まあこの人色々変わってるし、凝り性なのかな。


「エトランゼさんは本当に美味しそうに食べますね!見ていて気持ちいいです!僕沢山食べられないから羨ましい。見惚れちゃった!」


「はあ…ありがとうございます…」


多分褒められてる…って事にしとこう。

何か変な呼び名されてるし…

変わってるけど多分悪い人じゃないよな…


「僕ね、ブーフーウーって凄く好きでさ!」


「ブーフーウー?」


「3匹の子ブタの話のね、後日談みたいなストーリーでさ!」


「へー、子豚…」


「エトランゼさんがその子ブタみたいでさ!すっごく可愛い!」


それ…悪口ですよね…


「プリプリでまるまるでクリクリで!」


意味が分からん…まあ要するにこの雌豚がって事かな?


「一応申告しておきますが、私丸顔ですがBMIと腹囲はギリ標準値ですよ…あと血糖値とLDL値も正常です…」


「さすがお医者様のタマゴだね!」


「そりゃどーも。」


「お願い…ブウって言って!」


こいつ…

紳士だのスマートだの思った言葉を返しやがれ…


「嫌です。」


「美味しかったよね!ご飯!」


こいつ…脅しにかかってる…


「コーヒーも美味しかったね!」





「…ブウ…」





「わあい!可愛い!ありがとう!嬉しい!」


まあ、こんな一言で満足するなら安い物だ。

私の屁みたいな自尊心などくれてやるわ。



「では…ご馳走様でした…」


「授業頑張ってね!」



そう言ってツヨシさんはこの間と同じ様に笑顔で手を振っていた。


なんだったんだコイツ…


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