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一期一会?

「いやあ、全種類食べられて嬉しいです。ありがとうございました。」


公園のベンチとテーブルが有る場所で買った物を広げて食べた。


結局この人が全部支払ってくれた。

そして私が8割食べていた…

何かお礼を言われて罪悪感が…


「すみません…結局払って貰った上に殆ど私が平らげて…」


「いえいえ、僕あんまり食べられないんで助かりました。美味しそうに食べていて見ていて気持ちよかったです。沢山食べられて羨ましい。」


「そうですか…」


美味しくてつい夢中に食べちゃった…恥ずかしい。


この男の子は細くて顔も女の子みたいに綺麗でメガネをかけていた。


「結局ご馳走になってしまって…自己紹介がまだでしたので…私は江藤ランゼと申します。」


「えぇ!?あの伝説の少女マンガの主人公と同じ名前!?」


「えぇ…良く分かりましたね…よく言われます…親が世代でして…」


「成る程!やっぱりハーフなんですか!?」


「いえ…それもよく言われますが吸血鬼と狼女のハーフではなく至って普通の日本人です…」


「それは残念…」


「あそこに見えてる○○大の医学部の3年生です。」


「ええ!?めちゃくちゃ頭いい人だったんですね!?」


「はあ…恐れ入ります…あなたは何とお呼びすればよろしいでしょうか?」


「僕はツヨシです。」


「ツヨシさん?」


「はい。」


「差し支え無ければ…御苗字は?」


「…ツヨシです…」


「ツヨシです…ツヨシです…ツヨシツヨシ…何か漫才コンビみたいなお名前ですね」


「まあそんな所です」


「では芸人さんなんですか?」


「いえいえ、□□大の経済学部4年生です。」


まさかの年上だった…

男の子とか思ってすみません…


「ツヨシです…ツヨシです…ってキャンプとか好きそうなお名前ですね」


「それはヒロシですね。やった事ないんで興味は有りますが…」


「そうですか…私も無いです…すみません」


「よくここに食べに来るんですか?」


「はい。毎週水曜日にこの『マリボ』は来るんですよ!早く来ないと売り切れちゃって…今日は私遅れちゃったんで焦ってましたがツヨシさんが足止めしてくれたお陰で助かりました!」


「あはは。そうだったんですね!何か後ろの人が怖かったからそう言って貰えると助かります」


一応気付いてたんだ…

マイペースな人だな。


「ここは毎回メニューが変わるんで次同じの食べられないんです。まさに一期一会。今回逃さなくて良かったです。コーヒーも美味しいんですよ!」


「へー!そうなんですね!」


「あっもうこんな時間に…私はこの後授業がありますので失礼致します!今日はご馳走様でした!では!」


「いってらっしゃい。授業頑張って下さいね!」



そう言ってツヨシさんは笑顔で手を振っていた。



今回はご飯も美味しかったし、全種類食べられたし、結局奢って貰ったし、多分私の人生で関わる事もない綺麗な男の人と話せたし…

ツイてる日だったな。


ツヨシさんは少し変わってたけど、あんな見た目なのに礼儀正しく私みたいな人間にも気さくに話してくれて、三田さんみたいだなあって思った。



もう二度と会う事は無いだろうけど…

まさに一期一会だなって思った。


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