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これからも宜しくね

その後、鞠保さんがミニケーキとフルーツをあしらったデザートの盛り合わせを持ってテーブルに挨拶に来た。



「この度はご婚約おめでとうございます。こちらサービスです。」


わあ!素敵な盛り合わせ!美味しそう!じゃなくて!

やっぱりあの会場ではまだ婚約中なんかじゃ無かったよね!?

なら今したのか?指輪がもうはめられてるし。

何か色々嵌められてる気もする。

あの時も今も…


「マリボのマリはフランス語で夫、ボーは素晴らしいって意味もあるんですよ。私のお店で江藤さんは素敵な方に出会えたのもやはり運命ですかね?」


とサラッと小粋なフレンチネタを挟んできた。


「因みにカダログ語でマリボは変態って意味で使うみたいなんで、三ツ矢さんがそうで無い事を祈ってますね!」


とサラッと恐ろしいカダログネタを挟んできた。


「三ツ矢さんと江藤さんがあの日出会ったおかげで私はこのお店が予定より早くオープン出来たので、お二人には感謝しています。」


「どう言う事でしょう?」


「元々私が働いていたホテルのレストランは三ツ矢グループの傘下のホテルでして、あの日、三ツ矢さんはレストラン事業の勉強に私の経歴を知ってキッチンカーに試食にいらしたらしいです。」


「ほー。」


「まあ、私は当時そこそこ名前も知られていましたが、以前お話しした様な経緯で退職しましたので、三ツ矢さんが興味を持たれた様です。」


「はい。僕も父から課題みたいな物を出されていて、何か新形態の事業立案のプレゼン提出を言われていまして。色々調べていて、普通のレストランで無くて何かこだわりとかコンセプトみたいな個性のある物を作ろうとテーマを決めて、とりあえず鞠保さんに興味を持ったのでお料理を試食しようと素性を明かさず訪問しました。」


「成る程」


「で、僕少食なんで…どれを試したら良いのか本当に困ってしまって…信念のために退職してまで作っている料理を残すのは作り手に失礼に当たるので絶対したくなくて」


「目が潰れますもんねえ。」


「そこでランゼが声をかけてくれて本当に助かったんだよ。色々試せて。しかも毎週違うメニューになるって聞いて暫くはちょっとランゼに助けて貰おうかなって。」


「なら、あの時そう説明してくれれば良かったのに…」


「だって素性を明かしたらランゼは僕と気楽に話してくれなかったでしょ?」


「まあ、確かに…」


「僕の周りにいた女性は僕の前であんな美味しそうに幸せそうに綺麗に料理に愛情持って沢山食べる人なんて居なかったから。ずっと見てたいなあ、この人どんな人なんだろうなぁもっと知りたいなぁって思って。」


「ほう」


「それで、研究医になりたい経緯を聞いた時に、これだなって思って、父にプレゼンして案が通ったから鞠保さんに資金提供の提案したの。ランゼと鞠保さんの理想と同じだなって思って。」


「そうですね。江藤さんの目指す事と、私の理想は自分のためで無く誰かのためって事で共通してましたね。」


「成る程。多少私もお力になれたかと思うとマリボの一ファンとしては嬉しいです。」


「多少どころか。とてもお力になって下さいましたよ。披露宴のお料理は是非作らせて下さいね。一応ホテルでスーシェフまでしてましたから、心得はありますよ!」


「是非お願い致しますね!いやあ、楽しみだねランゼ!」


披露宴…もう何か色々走り出してる…私を置いて…






色々もう思考を放棄した帰り道


「まあ、今日は色々ツヨシさんの事が知れて有意義でした…」


「あはは。それは良かった。」


「最初の印象は、なんてスマートで紳士な方だって思ってましたが。多少…いや、かなり強かで策略家だって気付きましたよ。」


「まあ、これくらいしないと経営者としてはやって行けないからね。欲しいものを手に入れる為には綺麗事だけでは手に入らないんでね。」


「成る程…社会人経験のまだ無い私には色々勉強になります。」


「やっぱりランゼも知らない事や知識を勉強して体験して身につけて行く事は好きなんだね!」


「そうですね。その事には今もツヨシさんと全く同意見です。」



「普通はね、ブウって言ってってお願いしても言ってくれる女の子なんて居ないんだよ。」


「そりゃそうでしょう。私も最初は断腸の思いでしたよ。アレ結構屈辱的ですよ?他の女性にはお願いしない方が良いと思います。」


「あはは。しないよ。いくら僕でも」


何だそりゃ…やっぱりペット扱いかいな。



「だからランゼが言ってくれた時には、ああ、この子押しに弱いな、強引に行けば行けるなって思っちゃった。あはは」


ひでぶ



「普段は僕もランゼが言ったみたいにスマートで紳士にやってるつもりだったんだけどね。なり振り構わせ無くさせたランゼが悪いね」


何故そうなる…



「それだけ本気にさせたって事だね。」


「オチがズルいなあ。」


「今は僕に気持ちが無くても良いよ。とりあえずランゼを確保したから。徐々に振り向かせて行くよ。僕持久戦は自信あるからね」


「やっぱりツヨシさんはせっかちな人ですよねえ。普通は婚約とかの前に自分の思いを伝えると思うんですが。何か色々逆な気もします。」


「僕、失敗のリスクは出来る限り回避して最小限に抑えるタイプだからね。先に結果出したからこれから戦略練るよ。」


「成る程、経営者らしい考えです。」


「分かって貰えて良かった!それじゃあ、まあ、これからも宜しくね!」





私はツヨシさんの言葉を聞き終えて、今ツヨシさんの事をどう思ってるんだろう…

三田さんの言葉を思い出していた。


『この人にまた会いたいとか、一緒に居たいって思ったら好きってなるんじゃないでしょうか?』


うん、それは思ってるなあ。



『だったら接吻したいって思ったら好きなんではないでしょうか?』


成る程…



そう気付いて、別れ際にツヨシさんにキスをした。


うん、好きになってるんだなあ

と自覚した。






「わあい!可愛い!ありがとう!嬉しい!」



と言ってツヨシさんは抱き寄せて私にキスをした。


今回は小百合の兄の剛の馴れ初めを書きました。


あの話を書いた後にあの剛がなり振り構わず綾に説明してる婚約者ってどんな人だろうと自分で設定しといて気になってました。


書いた時は正直適当に設定してしまい、後になって次期跡継ぎ息子の婚約者が研究者!?と自分を呪いましたが…

「地石」を書き終えて、三田さんが爆誕して、年齢や経歴設定やらこれは上手く絡めるかもと思い話が出来ました。


三田さんをもっと書きたかったのもありますが、やはり前作が余りにヘビーだったので、王道少女マンガみたいな話が書いてみたくなったのも理由に有ります。

三田さんに関してはまだまだ時代劇ネタが書き足りないのでまたどこかで登場させたいです。

今回家庭環境も謎でしたし…


しかし私が書くと変なキャラになってしまいますね。

前作でサイコパスは経営者なども多いと書きましたが剛もその毛は充分あるかと思いますね。

小百合×綾の話でヤンデレ執着物を書きたかったので、こちらで少し叶えさせて貰えたかもです。


冴えない主人公がイケメン王子に執着されるという夢展開は王道っちゃ王道ですが、余り現実離れした話にはしたく無いかなあと言う思いもありました。


なので、まず剛の性格を堅めてもし自分が剛ならどんな子が好きになるかなって思ってランゼを作ったので、ある意味私が惚れそうな理想の子がランゼだと思ってます。

頭も良くて現実的な考えがあるようで隙があって押しに弱い、ぬいぐるみみたいな丸くて素直で大食いで、夢中になる事があって人の為になる様な夢があって…


剛も小百合と同じく人の美醜にそれ程思い入れが無い設定なのでドンピシャだったとしておきます。


あと私のキャラで多い設定が美男美女は性格が良いとかサッパリしてる人が多いんですが、実際出会って来た人がそう言う人が多かったんで反映されてます。

性格悪い人って丁度良いブスの人が多いとか少ないとか…

まあ色んなキャラも書きたいんで余り縛られないように今後は気をつけたいです。



それではここまでお読み下さりありがとうございました!

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