砂時計の運命
さらりさらり
砂時計の砂が
溢れ落ちていく
細く括れた部分から
さらりさらり
砂が落ちていく
音もなく
細かな砂は
時を刻む
その砂時計を
じっと見つめる
私
数えきれないほどの細かな砂
その砂が
溢れ落ちていく
さらりさらりと
砂が落ちていく
小さな器の中で
たくさんの砂
その砂と出会えるのは
ほんの僅か
さらりさらり
小さな器の中の砂を
じっと見つめる
時が零れる
さらりさらりと
時間が落ちていく
さらり……
と
最後の砂が落ちた
砂時計の上部が
からになる
透明になる
時が止まる
私の世界が止まる
終わった……
ちがう
終わっていない
終わってなんていない
砂時計をひっくり返す
するとどうだ
さらりさらり
砂時計はまた
砂を溢しはじめる
時が動き出す
時が止まったら
砂時計をまた
ひっくり返したらいい
終わりなんて
本当はないのさ
自身で終わらせない限り
砂時計のように
何度もなんども
ひっくり返して繰り返して……さ