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【改稿版】守護者の乙女  作者: 胡暖
2章 騎士団の見習い
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23.正統なる後継者

 夜遅くにもたらされた報に、(マクシミリアン)は不機嫌を隠しもせず、豪奢(ごうしゃ)な椅子の肘掛けに頬杖(ほおづえ)をついた。

 だるそうに、ランバルドに問う。


「それで?」

「大規模な爆発は魔道具によるもののようです」


 夕暮れ時に起きた、騎士団演習場の爆発事故について、ランバルドはそう王に報告した。


 不可解な点も多いが、落ちていた魔道具の破片を、急ぎ解析したバルトサールが、()()()()()()()()()()()()物理的にあり得ない破損の仕方をしている、との見解を示したからだ。

 ならば、|三人《オリヤン、エリアス、パトリック》の魔道具がそれぞれ爆発する際の魔力の衝撃によって、各自の魔道具が破損したと考えるのが自然だと結論づけた。


 詳細な検証は後日行う予定なので、第一報として、ランバルドがマクシミリアンに伝えられたのはそれだけだった。


 ランバルドの言葉を聞いたマクシミリアンは、「そうか」と頷いただけだったが、心の奥では、あの爆発は魔道具の力などでは、あり得ないと分かっていた。


 魔石には()められる魔力に限りがある。


 爆発は城からも見える程だった。

 あの規模の爆発を、しかも一時に何度も起こすとなれば、それは最早(もはや)神の領域だ。


 |同じ騎士団の見習い《オリヤン、エリアス、パトリック》に襲われたのは共に、オールストレーム公爵家の息子達だと聞いている。

 その内のラーシュ・オールストレームは、妾腹(しょうふく)の子供だ。最初に報告を受けた時、マクシミリアンは、アンディシュも人の子だったかと思ったが……。


 ――――キルスティ。神族に嫁いだマクシミリアンの異母妹。その母親は、オールストレーム公爵家の出身だったか。


 つまりラーシュは。


 ――――正統なる次代の王


 何度かアンナリーナとの婚約を打診した際、アンディシュが(かたく)なに拒んでいたのはそのせいだったのか、とぎりりと唇を噛み締めた。


「……殺してやる」


 しかし、如何(いかん)せん義はあちらにある。

 どうやってラーシュを亡き者にするか。

 マクシミリアンはぎらついた眼で虚空(こくう)(にら)んだ。

二章完結です。

ここまで読んでくださってありがとうございます!

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