表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改稿版】守護者の乙女  作者: 胡暖
1章 貴族の養子
27/74

27.婚約式

 婚約式の舞台は、王城の中にある聖堂だった。

 音が綺麗(きれい)に響くように高く作られた天井にはたくさんの装飾(そうしょく)(ほどこ)され、光を採り入れ荘厳(そうごん)に輝くステンドグラス、壁にびっしり()うようなパイプオルガンは流石(さすが)、王城の中にある神殿に相応しい豪華(ごうか)さだ。

 久しく神殿を離れていたエヴァにはどこか懐かしく、しかし故郷(こきょう)の神殿とは造りが異なるらしく、どこか所在の無い心地がした。


 今からエヴァとアンナリーナは、対となる衣装を着て、神殿長の待つ祭壇(さいだん)まで手を(つな)ぎ歩く。

 祭壇に向かって二人でお祈りをし、神殿長に祝福の言葉をもらうことで、婚約が成るのだ。


 アンナリーナは、裾の長い(こん)に金糸の刺繍(ししゅう)の施されたドレスに、同じ色合いのレースで編まれた引き()るようなベールを着けている。いつもツインテールにしてある髪は下ろされ、ハーフアップの形に複雑に編み込まれている。その頭にはティアラが輝く。

 エヴァは同じ色合いの紺に金糸の刺繍が入った軍服のような衣装を着せられた。額が見えるように髪をセットされている。


 エヴァには厳かなこの空間がただただ恐ろしかった。

 けれどもう、止められない。始まってしまったから。


 エヴァは、震える手でアンナリーナの手を掴む。

 アンナリーナは言葉なく綺麗に笑ってエヴァの手をとる。

 祝福のファンファーレが高らかに鳴った。


 ◆


 その日、騎士団の入団規則(にゅうだんきそく)の文言が書き()えられた。


 ――――見習いになるものは、一定の剣術の経験があれば、その年齢を不問とす。

一章完結です。

ここまで読んでくださってありがとうございます!

もし続きが気になる、と思ってくださったら、ブックマーク又は☆で評価をいただけるとすごく嬉しいです(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ