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ヲタッキーズ80 廃人のジレンマ

作者: ヘンリィ

ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!

異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!


秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。

彼女が率いる"ヲタッキーズ"がヲタクの平和を護り抜く。


ヲトナのジュブナイル第80話「廃人のジレンマ」。さて、今回は死刑囚が刑の執行直前に未解決事件の告白を始めます。


ところが、告白に基づき掘った穴からは別の死体がw虚談症に陥る死刑囚に試みるしっぺ返し戦略とは?


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 宇宙飛行士の憂鬱(ブルーノーツ)


御屋敷(ミユリさんのバー)は、駅に直結したタワービル最上階にある。

営業は夜だが正午には満員。全員が窓に張り付くw


「ミユリ姉様、早く!早く!」

「見えたぞ!」

「え。何処?テリィ様は?」


前半は寒空が続いたGWだが、今日に限ってピーカン。

蒼穹の彼方から1筋の白い飛行機雲が地上へと伸びるw


「帰って来たぞ!テリィたんのシャトルだっ!」

「羽田から百里AB(エアベース)に着陸変更だって」

「国営放送のお昼のニュースでもやってる!」


シャトルの無事着陸を告げるアナウンサーの興奮した声←

液晶TVにはパラシュートを開き着陸するシャトルの画像w


「みんなで迎えに行こう!TX(つくばエクスプレス)なら直ぐソコ!」

「ついでに、大竹海岸ハマグリ祭りもシーズンだわ!」←

「とりあえず、テリィ様の地球への御帰宅を祝して乾杯します!御屋敷のオゴリです!」


大歓声が沸き起こり、ワイングラスに入ったオレンジジュースが振る舞われる。

ヘルプのつぼみんがグラスを配りさらに沸点は高まる。ミユリさんはルイナに…


「ルイナ?リモート、繋がってる?」

「はい、姉様。車椅子の私にもお声かけ、ありがとうございます。テリィたんだけど、2〜3日はNASDAから帰れないですょ?いつもどおり、SATOの"死海1"でコッソリ帰って来れば良かったのに」

「ソレだけ、テリィ様が所長の"宇宙発電衛星(SPS)"が公の存在になった証左ね」


"死海1"は、SATOの誇る宇宙往還機(スペースプレーン)

SATOは"南秋葉原条約機構"のコトだ。


「今すぐテリィたんに電話しては如何ですか?私も時速2万7000kmで帰還した感想をナマで聞きたいです」

「テリィ様には小さな1歩でも、世界のヲタクが飛躍スル大きな1歩だモノね」

「あ、姉様!ニュースを見て!クルーが出て来るわ。ん?テリィたん、何か首に巻いてる?」


シャトルのドアが開いてクルーが姿を現す。僕の姿も…


「あら?テリィ様、マクラメ編みのマフラー?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その頃、蔵前橋重刑務所の面会窓口。


「おや?次長検事自らお出ましとは。今日は、どの囚人と会われますか?」

「ポニラ・フニェ」

「えっ!死刑場へ前倒し移送ですか?!」


看守が遠慮なく大声を出す。

ミクス次長検事は首を振る。


すると看守は小声でw


「じゃあ密告?」

「そんな感じ?他に万世橋(アキバポリス)のラギィ警部が同席スルわ」

「お久しぶり、警部。やれやれ。死刑執行を前に良心に目覚めたのかな?奴らしくもナイ…おい、2番を開けろ」


ブザーが鳴り、特別房に通じる鉄格子のドアが開く。


「ずっと非協力的だったんですょ。何で改心したのかな」

「知らないわ。でも、彼女はスーパーヒロイン専門の殺し屋ょ。情報を持ってるコトは間違いナイ」

「死刑執行まで、あと6日です。ソレまで豪遊したいとか?今さら話しても失うモノはナイし」

「とにかく、何か要求されても取引には応じないつもりょ。ね?ラギィ」

「え?うん(じゃ何で呼んだのょw)」

「ミクス検事にラギィ警部。コチラです」


ところが、看守に案内された部屋には誰もいない。


「あら?彼女は何処?」

「ココです。ポニラ・フニェは特別房の囚人なので、話は画像でお願いしてます。あ、向こうからは絵は見えませんので」

「不公平ね」


看守がスイッチを入れると死刑囚の画像。美人だw


「見えてるわょ!」

「(看守が小声で)ハッタリです。見えてません」

「ポニラ・フニェ。コチラは、検察局次長検事のミクスと万世橋警察署のラギィ警部。殺人事件の解決に協力してくれるとか?」

「最初に断っておくけど、密告じゃナイの。私がやったコトだけ話すつもり」

「そうなの?で、(こく)る人数は?」

「5人。何処に死体を遺棄したかを言うわ。遺族に伝えて埋葬してあげて」

「異次元人シンジケートの誰かを庇う気ね?」

「コレは私しか知らない殺し。私は、自分でやった殺しは、ドレもキッチリ覚えてるから」

「そりゃ結構だわ。じゃ先ず1人目から歌ってくれる?」

「慌てないで。交換条件ょ。娘と逢わせて。逢ったコトがナイの。直接、話をしたいのょ。死ぬ前に」

「OK。多分、大丈夫ょ」

「ココじゃイヤょ!娘と刑務所ナンかで逢えないわ。塀の外で逢わせて」


瞬間、答えを躊躇ったミクスに代わってラギィが即答。


「諦めて。さよなら」

「待って!5人も教えるのょ?公平な取引だと思わない?」

「フニェさん、続きはCM2の後で」


ミクスは、ラギィを部屋の外へ連れ出す。


「聞いてた話と違うわ。ミクス、自分が巨乳だと思って私をバカにしてる?」

「巨乳はウソつかない。やっと逮捕したラギィの気持ちはワカル。でも、ソレだって事件が解決したからでしょ?ねぇもしかしたら、迷宮入りした未解決のスーパーヒロイン殺しが解決出来るのょ?ソレも一挙に5件も」

「あんな女、信じられナイわ」

「どっちにせょ火曜日には死刑。今を逃したら、もう永遠に解決出来ない。死体の無いお葬式をあげた御遺族の気持ちにもなってあげて」

「娘を使って脱獄するつもりカモ」

「…じゃ先ず1人聞いて判断しましょう」

「1人ょ!でも、彼女は乗るかしら」

「とにかく1歩踏み出さないと。私が説得してみるわ…」


ココでラギィのスマホが鳴る。


「あ、ラギィ?私、ルイナ。さっき、テリィたんが御帰宅したの!え?御屋敷じゃナイわ。地球にょ!」

「え。今日だっけ?そうか、良かったねプンプン」

「あら、怒ってるの?…でね!連絡は未だナイけど"潜り酒場(スピークイージー)"の常連で今宵、歓迎お食事会を開こうと思ってるワケ。ラギィの都合は?」

「どうかな…問題が起きたの。異次元人絡みだから、そのうち、ソッチ(SATO)との合同捜査になると思うけど」


異次元人が絡む事件は南秋葉原条約機構(SATO)との合同捜査が基本だ。


「え。どんな事件?」

「死刑囚が塀の外に出せと言い出したンだけど…罠かもしれナイ」

「うーん蔵前橋重刑務所の警備システム、脆弱性とか調べとこうか?」

「未だ良いわ。また、かけ直す」


ラギィがスマホを切り、入ろうとスルとミクスが出て来る。


「1人目を聞き出したわ」

「え。誰?」

「チャナ・ウォン。中華系のスーパーヒロイン」


第2章 "しっぺ返し"戦略


「頭蓋骨です!頭を撃たれてる」

「恐らくチャナ・ウォンですね。フニェの自供どおりだ」

「赤と黒のレオタードを着用。胸にも1発」


東秋葉原の和泉パークの茂み。警官隊が慎重に掘り進めると先ず穴の開いた頭蓋骨、そして、骨格全体が現れる。

鑑識が穴に飛び込み、骨格がまとうボロ布の胸に開いた、螺旋状の穴に、自分のボールペンを突っ込んで見せる。


「警部。指定場所で成人女子の骨格を発見。blood type "BLUE"。スーパーヒロインです。頭部および胸部に音波銃痕。赤と黒のレオタード着用の痕跡アリ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「奴は、黒と赤の革のレオタードを着てたわ。ヤタラとタフだったけど、スーパーヒロインとしちゃコスチュームの趣味が最悪だった。残る4件の中には、もっとデカいヤマがアルけど」

「ソレは何?」

「ちょっと昔、国会議員の娘が行方不明になったでしょ?」

「え。宇宙戦艦トマト総指揮プロデューサーから永田町に転じたザーキ議員の?」

「YES。居場所を知ってるわ」

「生きてるの?!」

「そのQに応えるか否かは、アンタ達次第」


画像の向こうから挑発するポニラ・フニェ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「10年前の事件ょ。異次元人マフィアがザーキ議員を買収しようとしたが、拒絶されて息子を誘拐した」

「覚えてるわ」

「当時は殺人を立証出来ズ"東秋葉原の悪の女幹部"フィリ・ペレリをみすみす取り逃した」


下唇を噛むミクス次長検事。

ラギィ警部は疑問を呈する。


「しかし、あの"悪の女幹部"が自らヤル?」

「やっと"リアルの裂け目"が裂け始めた10年前の話ょ。当時はペレリもスーパーパワーに覚醒したての下っ端ヒロインで、議員をユスッたりしてた」

「で、フニェの役割は?」

「ソレは…未だワカラナイ」


ラギィは、ミクスの顔を覗き込む。


「やっぱり、この事件は嫌な予感がスル」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「アキバのヲタクのみなさん。私は、現在地球を周回しています。メッセージを残すか、衛星軌道に向かって狼煙で合図をお願いします…」


今どき珍しい留守録メッセージ。

僕の公式電話は今でも黒電話だ←


「え。留守録?昭和レトロ?何かのシャレ?…テリィたん!百里ABにいるンでしょ?NASDAから脱出したければ連絡してょ。他の用でもOKだから電話をちょーだい!」


SATO司令部に併設されたラボで、ルイナが留守録相手に1人芝居を演じていると、アキバ最強ツートップが御来客だ。


「ルイナ、調子良さそうね?検察局の次長検事ミクスょ。巨乳でゴメンね」

「あら、ミクス。久しぶりじゃない(去年より胸が膨らんでる?)。あ、ラギィも?ねぇねぇ。アレから私、蔵前橋重刑務所の脆弱性を分析してみたの。警備システムは、思ってたより強固だったわ」

「絶対に脱獄出来ないレベル?」


車椅子にメイド服のルイナは、説明を始める。


「確率論ょ。戦争をイメージして。敵にスパイを送るとスルわね。敵の防衛網の弱点と、配置された兵力を変数化すれば、成功する確率は計算出来る。じゃ特別房の場合を考えるね。外と連絡出来る囚人は2%未満。他の重刑務所の3分の1ょ」

「じゃフニェを信じでも良いのかな?」

「うーん今回のモデルに入らない変数が1つアルの」

「看守ね?」

「YES。そして、弁護士。つまり人的要因ね」


ラギィが口を挟む。


「看守は心配ないわ。特別房の看守は特にね。弁護士はどうかしら?ミクス」

「ソレが…彼女は自分で自分を弁護してる。お陰で死刑に真っしぐらってワケ」

「ナルホド。そーなると、彼女が外部と連絡出来てない確率は90%以上だわ」

「…ところで、娘とは何処で会わせるつもり?」


全員が一斉にミクスを見るが、彼女は首を傾げる←


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「ソレでも私のママなの!」

「貴女のママは私!彼女は人殺しなのょ?」

「まぁまぁ落ち着いて…」


神田宮本町の安アパートだ。血のつながらない母娘の喧嘩に巻き込まれる、ヲタッキーズ魔法担当でメイド服のエアリ。


「だって…今度の火曜日に死んじゃうのょ!」

「あの人が、今まで何人のスーパーヒロインを殺したと思ってるの?ルシル、待って!」


ポニーテールを翻し部屋を飛び出す娘。

溜め息をつきながら継母は、天を仰ぐ。


「まったく。ヲタッキーズのメイドさんにお見苦しいトコロをお見せして…ところで"地下鉄戦隊メトロん5"原作者の国民的ヲタク作家テリィたんは来ないの?ヲタッキーズの顧問ナンでしょ?」

「今、地球に帰還中です」

「あぁ!毎日メディアが死刑のコトばかり報道して参っちゃうわ。薬物注射なのか、恩赦はあるのか、音波銃殺が要求されたとか」

「異次元人に銃殺はあり得ません」

「早く死んだ方が良いのょ…あ、許して。本心じゃナイの。でも、娘を見ていると、つい」


その時、バタンとドアを開け、娘のルシルが入って来る。


「ヲタッキーズのメイドさん。コレをリアルママに渡して」

「ヤメなさい!こら、ルシル!」

「メイドさん、お願い」


エアリは、優しく返す。


「ルシル。お母さん次第なの」

「ママ、お願い!」

「…写真は渡して。でも、面会は認めないわ」


娘は、自分の写真をエアリに押しつける。

写真の中で彼女は無邪気に微笑んでいる。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


蔵前橋重刑務所。


「フニェ、あばよ。元気でね」

「音波銃殺の順番が来たのかい?」

「まさか。アンタは注射ょ」


特別房からゲートまで女囚達の容赦ない罵詈雑言を浴びる。


「次長検事サマとお出掛けナンて、密告でもスル気?」

「私は…私は警察の雌犬じゃナイわ!」

「構うな。黙ってろ」


看守を無視して振り向きザマに叫ぶ。


「私は雌犬じゃナイ!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


重警備の車列だ。白バイの先導。後ろに3台の黒いSUV。

実は後ろ2台は囮で、先頭車のフニェは街の風景に驚く。


「何もかも変わっちまったのね。年月を感じるわ」

「黙って。さもないと頭から袋をかぶせる」

「あ。停まった?」


いきなりドアがスライド、防弾チョッキにヘルメットの完全武装の警官に引きずり降ろされるフニェ。

見覚えのナイ建物の前庭で、自分の周囲はもちろん、建物の要所には重装備の警官が配置されている。


「OKOK。みんな頑張って」


警官に声をかけるフニェだが、誰も答えない。

狙撃を警戒してか厳重に守られながら建物へ。


ところが…


「息子は!息子は何処だ?生きてるのか?」


絶叫しつつ詰め寄るのはザーキ議員だw

たちまち武装警官に取り押さえられる←


「議員、何か分かり次第お知らせしますから」

「息子を返せ!未だ5才だったんだ!」

「ラギィ警部、娘との面会は母親に断られました」


ドサクサ紛れにラギィ警部に耳打ちするエアリ。


「マジ?やれやれ。先が思いやられるわ」

「娘がコレを」

「写真?…エアリ、議員を頼むわ」


ソコヘラギィ宛にルイナからアプリ経由で通話。


「何?ルイナ。テリィたんの歓迎パーティなら何とか都合つけるけど」

「ラギィ!相手の心が読めない時に、最も適した戦略があるの」

「あら。何?教えて」

「"しっぺ返し"ょ。囚人のジレンマで使うゲーム理論なの。どんな複雑な戦略よりも有利に働くわ」

「マジ?」

「YES。2人の登山者が競争したとスルわね。協力しないと頂上には到達できない。で、最初に協力したら、後は相手を徹底的に模倣スルの。攻撃されたら攻撃スル。協力されたら協力で返す」

「うーん攻撃された後で協力された時も協力で返すの?」

「YES。この戦略には"許容"の概念が欠かせない」

「"許容"って?」

「何度裏切られても、協力されたら必ず協力で返す。協力すると得だと相手が腹落ちスルまで」

「だけど、相手はサイコパスょ?とても、信じられナイわ」

「信じる必要は無いの。真似をスルだけ」

「私は彼女を塀の外に連れ出した。次は彼女の番だわ」

「とにかく!攻撃するか協力するか。相手の出方を見て」

「うーん」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


取調室。粗末な机を挟んでラギィ&ミクスがフニェと対峙。


「どっちが悪い警官役?2人とも適役だけど」

「ザーキ議員の息子の件を歌って」

「あらあら。チャナ・ウォンは見つけたの?」

「だから、私はアンタを塀の外に出した」

「ナルホド。議員の息子の件を歌えば、娘に逢わせてくれるってワケね?」

「歌う歌詞にもよるわね。さぁ議員の息子の件を歌うの」


フニェは、ラギィを見つめ…やがて首を傾げる。


「ダメ。怪しいわ。やっぱり信じられナイ。保証が欲しい」

「じゃフニェ。こうしましょう」


ラギィは、椅子を引き寄せてフニェの横に座る。


「貴女が協力すれば、私も必ず協力スルわ」

「…OK。私もガキは殺したくなかった。でも、ペレリがビビってガキを怯えさせて…とても見てられなかった」

「ソレで?」

「ガキと斜面を降りて、月を見るように言った。見上げた瞬間、首を折ったの。苦しまずに死んだハズ」

「場所は?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


現場は神田台所町の丘だ。

警官隊が必死に掘り返す。


「この10年、妻と私は常に最悪の事態を想像して来た。とにかく、遺体でも良い、息子を抱き締めたいのだ」

「わかります、議員…ん?コレは人骨?おい、頭蓋骨が出たぞ!鑑識!」

「…確かに人骨ですが、コレは子供ではありません!」


ザーキ議員は、天を仰ぐ。


第3章 鉄塔アキバ線の対決


SATOの地下司令部に緊急事態発生w


「司令部内に火災発生!隔壁閉鎖!放射線防護壁、注水!」

「火元はギャレーだ!ダメコンチーム、出動!」

「あ。しまった!テリィたんの焼肉…」


5分後、超天才のルイナはしょげ返っている←

彼女の車椅子を防護服着用の隊員が取り囲むw


「今宵のテリィたん歓迎会に、国産黒毛和牛の焼肉を焼きながら今回の分析を再検証してたら(カルビがw)焦げちゃって…」

「ルイナ!SATOのギャレーで、焼肉を遠赤外線で焼くのはヤメてください!」

「ゴメンナサイ!輻射熱効果が有効だと考えて…」


ココでSATO司令官代理のマデラが現れる。


「ちょっとゴメンナサイ。私にパーコレーターのコーヒーを飲ませて…あら。どうしたの?」

「マデラ。今宵の焼肉が焦げたの」

「じゃUper eatsを取りましょう。ところで、今回の"しっぺ返しセオリー"だけど、双方にとって最善の結果が得られる、最良の選択みたいね。こういう学説もアルわ"しっぺ返しが人や動物の社会性を発達させた"」


ソレを捜査本部で聞いていたラギィが話に割り込む。


「でもね、マデラ。フニェは、ザーキ議員の息子の件で嘘をついたの。掘ったら別の遺体が出て来たのょ。ねぇルイナ。コレは攻撃ょね?まさか、協力?」

「ウソは攻撃ょ。次はラギィの番だわ」

「OK。攻撃は得意なの。恋愛でなければ」←

「あちょ。で、ラギィ。他に御用は?」

「いいえ…ってか今宵の主役のテリィたんは見つかっの?」

「いいえ。未だミユリ姉様も連絡取れてナイみたい。もしかして、あの2人、実はとっくに破局…」

「してないから。諦めなさいテリィたんはミユリのTO(トップヲタク)

「絶対に諦めません。いつか、必ず私はテリィたんの…メラメラ」

「勝手にやってて。オンラインの会議アプリを落とすわょ。コレから荒療治だから」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「この嘘つき女!火曜まで待たずに注射を打たれたいの?」


深夜の取調室。簡易ベットで寝ていたポニラ・フニェをいきなりステーキ、じゃなかった、イキナリ叩き起こすラギィ。


「な、何?ウソなんかついてナイわ!」

「娘のコトは忘れて!貴女は逢えないママ死刑ょ!」

「誰かが死体を動かしたのょ!ペレリの仕業だわ!」

「あのね。遺体は大人だったの」

「もっと掘って!ガキの上に別の死体を埋めたのょ!もっと掘って!」


ラギィはソレに応えず、1度外した手錠を床の金具に繋ぐ←


「ベッドから出なさい」


フニェは、床に手錠をかけられ、恐ろしい唸り声を上げるw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


捜査本部の夜が明ける。


「身元はわかったの?」

「はい、ラギィ警部。DNAが一致しました」

「誰だった?」


ファイル片手にミクス次長検事が話を引き継ぐ。


「ロレソ・セラス。ペレリ以前の異次元人ギャングで"東秋葉原の悪の女幹部"だった。ペレリが殺して東秋葉原を乗っ取ったとの噂」

「フニェの役割は?」

「フニェは、金さえもらえばガールスカウトにだって雇われるスーパーヒロイン専門の殺し屋ょ。ザーキ議員の息子を誘拐させたのもペレリだと思う」

「ロレソ・セラスの件は?」

「実は、ペレリが犯行を自白している。少なくとも録音テープの中では、そう言ってるわ。でも、コレまでは証拠となる死体が出ズ、反企業組織法違反の資料とか漁ったけど、結局立件出来なかった…でも、コレでやっと彼女を捕まえられるわ」


ミクスとラギィは、拳と拳をぶつけ合う。


「彼女は大物ょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ギャレー。火が出たSATOではなく万世橋(アキバポリス)の。 


「あ、ラギィ警部。どうも」

「何か進展はあった?マリレ」

「ありません」


ヲタッキーズのマリレは、ロケット兵装備の時間(タイム)ナヂスだ。

1945年の陥落寸前のベルリンからの脱出組。国防軍だが…


「現場を1晩中掘りましたが、何も出ませんでした。子供を掘り返した形跡もありません」

「あの遺体は、10年前の"悪の女幹部"ロレソ・セラスだった」

「どうして、フニェはウソなんかついたのでしょう?実は、議員の息子は未だ生きてるのかな。殺しを金で請け負ったが殺せズ、何処かに逃して今も匿ってるとか」

「GWでサブスク映画の見過ぎwフニェは、マフィアに雇われスーパーヒロインを殺す、プロの殺し屋ょ」

「だ・か・ら。常に標的は悪人でしょ?子供は殺せないのでは?」

「うーんどうかな」


ココでミクス次長検事が飛び込んで来る。


「フニェのウソ発見器の令状を取ったわ!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


神田リバーをまたぐ和泉橋の北詰は親水エリアになってて、川面まで階段状に段差がついている。

僕は、光る川面に目を細めながら、その段差をスケボーで器用に昇り降りする連中を眺めている。


「テリィたん、お帰り」


振り向くとストリート系のハッカーのスピア。

ジャージ姿だけど…恐らく下は趣味のスク水←


「地球に帰って来てから何してたの?みんな、待ってルンだぞ?さぁハグょ」

「ま、待て!あわわ…骨密度が低下してルンだ。ソフトにハグしてくれ」

「あ、ゴメーン!瀕死の重傷?」


トランジスタグラマーのスピアは、ふんわり柔らかい。


「いつ秋葉原に戻ったの?ミユリ姉様には連絡した?」

「バス旅行を楽しんだ。さっき八重洲口に着いたトコロ」

「バスで?」


驚くスピア。


「オープンカーの凱旋パレードで帰って来ると思ってた」

「長距離バスって最高だ。誰にも気兼ねせズ、食べ物も睡眠も好きな時に好きなだけ…言葉って、実に余計なモノだと気づいたょ」

「で!どうだったの?テリィたんは、宇宙に行ったンだょ!窓からは、何が見えた?流れ星って大きかった?シッポまで萌えてるの?天体や物理現象は、見た目と違った?ソレとも取るに足らない?感動した?しなかった?それとも…」

「畏敬の念…かな」

「イケイ?何ソレ?美味しいの?…コレ何?」


スピアは、バスケットボールみたいに膨らんでる胸をグリグリと押しつけつつ、僕が首からかけている布切れにタッチ。


「三内丸山遺跡の結縄(けつじょう)だ」

「欠場?お相撲さん?」

「三内丸山の全盛期、縄文人達は交易を結び目で記録したんだ。黒曜石、翡翠、琥珀を南洋から遠くアラスカまで交易していたが、その時の記録媒体が結縄」

「翡翠、私の誕生石だから。ヨロシク」


スピアは、僕の肩をポンポン叩き胸をグリグリ押しつけるw


「そして、アイヌや弥生人から秘密を隠す暗号にも使われた。1つ1つの網目と結び目に物語がアル」

「え。…ソレ、もしかして、誰かからもらったの?」

「エリゼ」

「ええええええええええっ?!」

「♩⁂〓w」

「出たな、テリィたんの元カノ!」


エリゼは…ミユリさんの前の僕の推しだ。


「で、その結縄には、どんな意味があるの?」

「その質問は、人に日記を読ませろと逝われるに等しい」

「テリィたんのブログなら、10年前から愛読してるぞ」

「アレは単なる食べログだ」←

「とにかく!みんなスゴく逢いたがってるの!ルイナなんか焼肉焦がしたし、マデラはSATOを上げて祝賀会を計画中。ミユリ姉様だって…」

「俺もだ!俺とテリィたんは"神田リバーの川面に映る流れ星の2人組…」

「うるさい。黙っててょミサル・ミサラ」


スケボーを片手に割り込んで来たミサルを一括するスピア。

2人は神田金澤町の幼稚園に通っていた頃からの幼馴染だ←


ミサルは、今でこそスケボーギャングのリーダーなんだが…

当時からオマセだったスピアに全く歯が立たズ今日に至る←


「今は、みんなには逢えない。実は、アキバにはエリゼに会いに来たんだ。今はソレ以上の複雑な人との付き合いは出来そうにないんだ」

「…そうなの?わかったわ」

「ありがと、スピア」

「ヤメて。私は、テリィたんの元カノ会の会長だぞ?今宵は何処に泊まるつもり?良かったら…」

「リバーサイド」

「リバーサイド?ま、良いわ。私もエリゼに会いたかったな。テリィたん、その旧型スマホ、貸して」


スピアは、何やら悪態をつきながら、僕の旧型スマホに何かを打ち込んでくれる。

その背後で、ミサラが盛んにスケボーギャングのハンドサインを飛ばして来るが…


何を逝ってるのかワカラナイw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


翌朝、ポニラ・フニェは嘘発見器にかけられる。


「奴の自供まで、未だ時間がかかるのか?」

「議員、手順がありますので別室でお待ちください」

「警部、フニェが別の殺人の自供を始めました」

「至急、内容を確認して」


ラギィの傍らで、ザーキ議員は苛立ちの声を上げる。


「早く息子のコトを聞いてくれ!」

「今、聴いてます。お静かに」

「スピーカーにしろ」


別室待機中の議員のためにBluetoothをon。


「…斜面を降りて月を見るように言った。見上げた瞬間、首を折った…」


逆上したザーキ議員が部屋を飛び出し取調室に怒鳴り込む!


「この野郎!5歳だぞ。まだ5歳だったんだ!」


果敢に殴りかかるが、警官隊に取り押さえられる。


「センセに言ってやって。私は女ょ野郎じゃナイ!」

「ヤメろ、フニェ!」

「ソレに…アンタの息子は苦しまずに死んだの!私でなくても、どのみち誰かに殺されていたわ!」

「議員も困ります!別室にお引き取りを!」

「息子を返せ!死んでても良いから、ひとめ逢いたい。遺体を抱かせてくれ!」


警官隊を倍増し死に物狂いの議員を取調室から退場させる。


「検査を再開スル。さぁ座って(sit-down)。ポニラ・フニェ。貴女は今、我々に嘘の死体遺棄場所を教えたか?」

「いいえ。私は確かにガキを埋めたわ」

「ウソ発見機の反応は?」


肯定(ポジティブ)


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


神田佐久間河岸町のハズレ。廃ビル1Fのトランプ賭場。


「もっとデカく賭けな。ソレでもスーパーヒロインかょ?」


ソコへ柄付きの手榴弾がコロコロと転がり蒸気を噴く←


万世橋警察署(アキバP.D.)万世橋警察署(アキバP.D.)!全員動くな!」

「サイキック抑制蒸気?ちくしょう、万世橋(アキバポリス)の手入れだっ!」

「フィリ・ペレリ!ロレス・セラソの殺害容疑で逮捕スル!両手を頭の上に!膝をつけ!」


サイレンを鳴らし赤色灯を回転させたパトカーが突っ込む。

制服警官が一斉に飛び出し銃口がラッパ型の音波銃を抜く。


「またミクス検事さんかょ懲りないな」

「ペレリ。無駄口は叩かズにお縄になりな」

「心配ナイ。3時間で戻るから」


ペレリは、余裕で手下のヒロイン達に告げる。


「今回は無理ょ。セラスの骨が出た。金歯までしっかり付いてる。ザーキ議員の息子サンのコトもゆっくり語れ」


連行されるペレリの肩をポンポン叩くミクス次長検事。


「フニェだな?次の火曜まで黙ってられねぇとはな」

「その分、お前の復讐を恐れる必要もないワケさ」

「ふん。何が起こるかわからナイょ検事サン」


フト振り返ると、残された手下達がミクスを指差しているw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「おはよう、ラッツ」


懐かしい声に懐かしい呼び名だ。僕は、リバーサイドの駐車場で目を覚ます。

頭の辺りを探ると、僕の旧型スマホの画面でメイド服のエリゼが微笑んでる。


「ラッツ。1晩中、ソコにいたの?」

宇宙発電衛星(SPS)では、90分ごとに陽が昇ルンだ。昨夜、初めて思い出したょ。夜は、人の心を癒してくれるモノだってね」

「起こしてあげても良かったけれど。昔みたいに」

「未だ覚悟が出来てない。何に対しても」

「雨が降らなくて良かった」

「濡れれば良いんだ。閉ざされた空間で寝るのはもう御免だょ」


フト会話が途切れる。その間に視野一杯の空が暁に染まる。


「ラッツにあげた結縄には、ラッツの人生を編み込んだ。最初の結目は、貴方が初めて天体望遠鏡を買った3才の時。次の結目は低脳未熟頭痛部でロケット部の部長をやった中学時代。次は…そして、最後は宇宙発電衛星での4ヶ月と12日。私は、いつもラッツの夢の中にいた。ラッツが"超越"を経験スル時は、いつも貴方といたの」

「僕は"超越"したのか?」

「ラッツという実在が、ラッツの肉体よりも大きく、ラッツの人生よりも大きくなってしまったの。ラッツは、2度と再び小さな存在には戻れない。ラッツは…"神"になったのょ」


僕は、駐車場で大の字になったママ、気が遠くナル。


「エリゼは、アキバがちっぽけだと逝ってるの?」

「YES。ヲタクが描く妄想の儚さには息を飲むけれど」

「何が問題なのだろう?」

「ラッツがアキバに慣れ切って存在意義を失うコト。ソレは即ち…」


微かな羽音は急速に近づき、やがてヘリの爆音だと気づく。

ビルの谷間に登る赤錆びた色の太陽を背に誰かが敬礼スル。


「テリィたん、お迎えに上がりました。SATO司令部まで御同行を願います」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


SATO司令部ではなくて、併設されてるルイナのラボだw


「テリィたん、おかえり。ミユリ姉様と破局したんだって?」

「何ソレ?とにかく、大騒ぎしないでくれ。何か急ぎの話があるんだろ?」

「実は今、報復の手順を踏んでるトコロ」


相変わらずルイナのテンションはトンチンカンだw

首相官邸最年少アドバイザーの超天才ナンだけど←


「しっぺ返し戦略?確か"御主人様とメイド戦略"に惨敗して優勝を逃した奴だょね?」

「…ウソ発見機をパスしたPSYCHO-PASSに試してるの」

アレ(ウソ発見機)は騙せるからなー」


この時、ラボのモニターのどれかに取調室から出て来るミクス次長検事が映ってたらしいが、僕もルイナも気づかない。


「ミクス、どーしたの?」

「あ、ラギィ。ヤバいわ。フニェが娘に会わせろと言い出したの」

「ダメダメ。議員の息子のコトを歌うまではダメょ。情報と交換だから」

「わかってる。でも、とりあえず面会にダメ出ししてる継母のモレナのトコロに行ってみるわ。娘が役に立つかもしれないし」


ラギィは、しばらく考えてから迷惑?な条件を出す。


「じゃテリィたんも連れてって。モレナを説得する時に使えそうょ。"地下鉄戦隊メトロん5"のファンなんだって」

「でも、宇宙から帰還したテリィたんは、萌えつき症候群ナンでしょ?」

「復帰したみたい。さっき、SATO司令部でルイナが絡んでたわ」

「でも、私ナンかと現場に出てくれるかしら」

「大丈夫。実はミユリから作戦を授かってるわ。ちょっと失礼…」

「え?メガネ?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ミクスを送り出したラギィは、取調室でフニェと対峙スル。


「娘のルシルちゃんに逢いたいんだって?」

「当たり前でしょ?警察が欲しがる情報は全てあげたハズ」

「アンタはウソ発見器をダマスルPSYCHO-PASS」

「だから何?約束したでしょ?何が欲しいの?」

「真実」

「もう話したけど」

「でも、遺体は出なかった。この嘘つき女!」


ココでラギィのスマホが鳴る。


「取調べ中ぐらい電源は切りな。死刑囚に対して失礼ょ」

「え。いや、ヘンね。切ってるのに…強制着信?」

「何ブツブツ言ってるの?」


リアルでブツブツ逝いながら取調室の外へ出るラギィ。


「スピア!何ょこの強制着信って!」

「ごめんね。ルイナに代わるわ」

「ルイナ?奴はペテン師ょ!しかもイカレてるわ」

「…感情的ね。今ラギィはデススパイラルに陥ってる。このママじゃ警部は行き詰まるわ」

「御託宣thank you」

「あのね。今やってるのはグリム・トリガー戦略。だから、ココで裏切りを"許容"しないとゲームオーバーょ」

「上等だわっ!」

「…ねぇ落ち着いて。この悪循環から抜け出す最善の方法を教えるわ。"逆しっぺ返し"戦略ょ」

「逆さまキター。パラレルワールドなの?」

「聞いて!相手が裏切っても、コッチは"許容"して協力するの。次はどうなると思う?試してみたら?どっちみち行き止まりの路地裏ナンでしょ?」


ラギィはポケットから娘のルシルが微笑む写真を取り出す。


「…OK。やってみるわ」


再び取調室にとって返すラギィ。フニェに写真を見せる。


「ルシル!」


思い切って切り札の写真を手離すとフニェはひったくるようにして手にとり全く表情を変えズ食い入るように凝視スル。


「裏を見て」


そうラギィに逝われ、初めて気がついたとばかりに写真を裏がえすフニェ。その彼女の瞳に飛び込んで来た拙い文字は…


"ママへ ルシル"


もし涙腺崩壊が音がスルなら、その日その時、アキバ中に響き渡る音がしたコトだろう。フニェは滝のように涙を流す。


「ありがとう。ありがとう、警部さん」

「フニェ。ザーキ議員の息子サンは何処なの?」

「…ソレは、もう話したわ」


次の瞬間、ラギィは拳を振り上げ、大きな音を立てて机を叩き、写真を取り上げる。

死刑囚ポニラ・フニェは、絶望に両目を大きく見開き、人目も気にせズに慟哭する。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


神田宮本町の安アパートへと向かう検察局の黒いセダン。


「テリィたん、今日は一緒に来てくれてありがとう。継母のモレナは、娘のルシルをフニェに絶対に会わせないと言ってるの」

「そのモレナが"地下鉄戦隊メトロん5"のファンだっけ?ところで、ミクス。前からメガネかけてた?」

「え。いや、車を運転スル時だけ…で、ムーンライトセレナーダー、じゃなかった、ミユリさんと破局したってホント?」


ナゼみんなソンなコトを聞くのだろうw


「ミクス。さっきから赤いSUVに尾行されてる」

「えっ!ウソでしょ?」

「リアルだ」

「激マズ。"東秋葉原の悪の女幹部フィリ・ペレリ"の手下のヒロイン2人組に違いないわ。狙いは、フニェの泣きドコロである娘のルシル。私達を尾行して、ルシルの居所を突き止めるつもりね?いいえ。もしかしたら、狙いは継母のモレナかもしれない!」

「いや、狙いは君だろ?」←

「え。バレた?…とにかく!神田宮本町のアパートには、

護衛はつけてアル。だから、コッチはミユリさん、じゃなかった、ムーンライトセレナーダーに守ってもらお?ねぇ何でこんな時にミユリさん、じゃなかった、ムーンライトセレナーダーと破局したの?私達、殺されちゃう!テリィたんのバカ!」


その瞬間、赤いSUVは僕達のセダンに激しく追突!


「助けて!もうダメ!」


熾烈なハンドルの切り合いに負けて蛇行を繰り返すセダン。

再度激しく追突され、道路からハミ出、街灯に激突し停車w


「あぁエンジンがお釈迦だわ!」

「手下は僕達、ってか、恐らく君を殺す気だ」

「つべこべ言わズに一緒に逃げて!」


手下のヒロイン2人もSUVから降り、何やらラジオ体操みたいなアクション…次の瞬間、盾にしてたセダンが吹っ飛ぶw


「念動力線?くそ、敵はスーパーヒロインだ!」


第4章 蕩児の御帰宅


同時刻。ラボにSATOのマデラ司令官代理が顔を出す。


「この10年で、神経科学は心理学にかなりの差をつけたわ」

「だから?」

「fMRIょ。その死刑囚の脳をスキャンしてみない?」


アプリを通じて会話を耳にしたラギィが興味を示す。


「何?どーゆーコト?fMRIって美味しいの?」

「あ、ラギィ。ゴマカシって、真実を語るより意外とエネルギーを食うワケ。つまり、その分だけ脳の血流が増えるってコトなの」

「え。じゃその血流の変化でウソを見抜けたりスルの?」

「 YES。fMRIは、微細な血流変化からウソを探知出来る。ついでに、脳のどの部分の血流が変化するかを追えば、ウソの中の真実も見つけられる」


ラギィは即決w


「素晴らしい。採用」

「ソレが厄介なの。重さが2tもあって運べない。実は先月、AMCの実験ラボから…」

「AMC?」

「秋葉原ミリタリークラスター。産軍複合体の1種ナンだけど、異次元人捕虜の尋問用にって、先月、SATO司令部に納入したばかり…」


その時、画面に突然ザーキ議員がカットインw


「ラギィ君。君に話がアル!」

「伺いましょう、議員」


引きずられるように姿を消す間際にラギィの絶叫←


「マデラ!fMRI、standby!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「頭を下げて走れ!」


その頃、僕とミクスは夕暮れの東秋葉原を念動力線を放つ下っ端ヒロインに追われて逃げ回ってる←

下っ端ヒロインは、黒レオタードと赤ユニタード。ラジオ体操の体側みたいなポーズで力線を放つw


「走れ。こっちだ」

「止まれ、ヲタク野郎!ふん、挟み撃ちょ!」

「テリィたん、護身用だけど」


ミクスが小型の音波銃で応射!


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


一方、捜査本部でラギィはセンセと戦ってるw


「ザーキ議員!失礼だが、センセは事態を無駄に複雑にしておられます」

「私と妻は、毎日苦しんで来た。私は、妻を楽にするためなら、どんなコトでもスル。物ゴトをどんなに複雑にしようが恥をかこうが構わナイ」

「コレが最後のチャンスです。逃したら次はありません。センセが首を突っ込むなら、尋問は中止、捜査を終結します。そうしたら、息子さんは永遠に見つからナイ。永遠にです。ソレで良いですか?」


押し黙るザーキ議員。


「何か展開があれば必ず御連絡します…何?マリレ」

「フニェのSATO司令部への護送車列、いつでも発車出来ます…あら?テリィたんは?」

「継母モレナのトコロょ。ミクス次長検事と一緒」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


何処で負傷したか足を引き摺るミクスに肩を貸し逃げ惑う。


「テリィたんも血が出てる」


シャツの左腕に血がにじんでる。どーやら、念動力線がかすったみたいだ。試しに腕を回してみる。よし、回る。OK!


「でも、血を止めなきゃ!」


ミクスは、ブラウスの胸元に手を突っ込むと…何とブラを取り出し僕の左腕に巻き止血wウルトラカッコ悪い。変態だ←


「ありがと。逆に血の巡りが良くなって出血が止まらない気もスルけどwところで、何でミクスは狙われるの?」

「私は、フィリ・ペレリの犯罪ファイルを持ってる。私が死ねば、ペレリの裁判は次の次長検事が決まるまで、数ヶ月は延期になるわ。ペレリは、その間に保釈を勝ち取って、国外に逃亡スルつもり…だと思う」

「ナルホド。やっぱり狙いはミクスだ。じゃ僕だけ逃げるね!さよなら!」←


唖然としてる次長検事の肩をポンと叩く僕。


「洒落だょ洒落…あ、あれ?何でメガネ外すの?」


背後に黒と赤のコスプレヒロインが迫る。

遠く夕暮れに沈む鉄塔アキバ線が見える。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

SATO司令部の地下にあるfMRIルームへ、ストレッチャーに載せられたフニェを緊急搬入!

直ちにfMRIのガントリーに入れ、強力なコイルや磁石が作動して高周波磁場が形成されるw


「核磁気共鳴画像、来ました。イケます、マデラ司令官代理」

「OK。2時間立ち入り禁止にしたわ。その間にPSYCHO-PASSのニューロンを徹底的に調べちゃって!」

「ラギィ警部、尋問どうぞ」


ラギィは、fMRIを見下ろすオペレーションルームにいる。


「OK。フニェ、先ず議員の息子を埋めた場所から教えて」

「首都高上野線の高架下にホド近い…」

「ポジティブ」


オペレーターが見詰める49枚の脳の断面画像に一斉に緑色の明滅が現れる。


「その調子ょフニェ。そして、貴女は何をしたの?」

「…丘の斜面を降りて月を見上げた。その夜は月が良く見えて、私は…」

「ポジティブ」


再びフニェの脳の断面画像は、緑色に明滅スル。


「で、フニェ。ソレは何年何月何日の出来事なの?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ミクスが追い上げて来る下っ端ヒロインを狙い撃つ!


「ミクス、良く狙って撃て。音波カートリッジは?」

「あと数発しか撃てない。何とかしないと…待って。テリィたん、何をスルつもり?」

「…あんな2人でも、かつてはTO(トップヲタク)に愛された秋葉原メイドだったんだな。その音波銃、安全装置は?」

「ナイわ」

「最高。ヲタクの僕でも撃てそうだ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「待って!その日は新月ょ?!ソレに…気象庁のアーカイブだと、秋葉原は夜から雨ナンだけど!」


マデラがPCをチェックして爆弾発言をスルw


「しかし、マデラ司令官代理。脳活動にゴマカシの兆候は、見られません。皆無です。被験者は"真実"を語っています」

「…虚談症ね。脳内でニセの記憶を構築して、ソレが真実だと信じ込んでる。ラスボス級の確証バイアスだわ」

「まるでヲタクじゃナイ!そもそも自分を騙してルンだから、ウソ発見機ナンか騙すのは造作もナイってか?ラギィ、尋問を続けて!」


ラギィは、率直な疑問をぶつける。


「フニェ。ザーキ議員の息子さんが殺された夜は雨だった。月は出てなかったわ」

「え。何の話?」

「ネガティヴ」


フニェの脳断面の一部に赤い明滅が現れる。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


いつの間にか、僕達は鉄塔アキバ線の"No.12"鉄塔の下に追い詰められる。

鉄塔の支柱に身を隠し、下っ端ヒロインの念動力線をかわすが、最後は近いw


何処かの製鉄所みたいだw


「ごめん、テリィたん。弾切れょ。ゲームセット」

「映画なら自分用に1発残すトコロだ。よし、もう走るのも飽きたし、作戦を変えよう。ちょっち電話して来る」←

「え。その黒電話は何?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「聞いてる?フニェ、あの夜は雨じゃなかったの」

「雨じゃなかった?あり得ないわ!」

「ポジティブ」


オペレーターはポジティブと断じるが、脳の断面画像は緑と赤が交互に明滅してるw


「待って。確か同じ場所でロレソ・セラスが殺されてるわ!」

「ラギィ、ホント?ねぇ虚談症は、部分的な真実を下敷きにして、自分に都合の良い記憶を作り上げる症状なの。その、ロレソ・セラス(誰ょ?)のコト、も少し聞いてみて!」

「OK。フニェ、貴女がセラスを殺ったの?もしかして、月夜の晩に」

「え。セラス?…違う。違うわ。セラスを殺したのはペレリょ」

「ポジティブ」


画像から赤色が一掃されてる。


「セラスを殺ったのはペレリ。私とペレリでセラスをハメたの。私は、前の週にセラスのNo.2を殺った。その私を捕まえたので処刑スルと言って、ペレリはセラスを誘き出した。満月の夜だった。ペレリが"月を見ろ"と言って、私とセラスは恐らく同時に上を向き、ペレリがセラスを音波銃で撃った。完全な騙し討ちだった」

「ポジティブ」


画像は、安定した緑の明滅。


「フニェ。ザーキ議員の息子さんはどうしたの?雨だったンでしょ?月は出てなかった!」

「やめて!もうムリ!ココから私を出して!」

「落ち着いて、フニェ。あと少しょ!」

「早く出して!この機械、ぶっ壊すわょ!うぉー!」


マデラとルイナは地団駄を踏む。


「作った記憶の中から真実の記憶が戻って来てる。もう一息なのに!」

「わかった。とりあえず、ココはフニェをfMRIから出しましょう」

「出せ!ぶっ壊す!」

「落ち着いて。フニェ、大丈夫だから!」


fMRIガントリーから引き出されたフニェは、ムックリと起き上がる。両目が、病的なまでに真っ赤に血走っている。


「警部、信じて。ガキは、怯えて震え上がってたの。失禁してた。私には殺せなかった。ガキなんか殺れナイ。でも、ペレリは、ヘラヘラ笑いながら、躊躇いなくガキを撃った…」

「遺体は何処?フニェ、息子さんの遺体は何処なの?」

「だから、わからない!覚えてないのょ!」


必死に、しかし、粘り強く問いかけるラギィ。


「大丈夫。貴女は知ってるハズょ。遺体を何処に捨てたの?貴女、ソレでもシングルマザーなの?しっかりして!」

「…そうょ泥だわ。そこら中、泥だらけで雨が降っていたの…ペレリがガキを射殺した後で、私が死体を下水管に押し込んだ。そうょ私が死体を下水管に押し込んだンだわ!あぁ何てコトを!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


鉄塔アキバ線"No.12"鉄塔。ソレが僕達の墓碑銘だ←


「テリィたん!しっかりして、これ以上動くのは無理ょ。休んで。じっとしてて。あぁ出血がヒドい。じっとしてて!私が貴方を病院に連れて行く。ナースが手当てしてくれるわ。テリィたんの大好きなナースょ…夏服の」←


鉄塔の下で、僕を必死に介抱するミクスを左右から挟み撃ちにする下っ端ヒロイン。

ミクスの背中に向け、ピタリと念動力線の狙いを定め、ラジオ体操みたいなポーズ…


「じっとしてるの。助けが来るわ。私達、必ず助かるからね。そしたら、ミユリ姉様と破局したホントの理由を教えてね。私にだけ、コッソリね。ねぇホントは何があったの?小声でお願い…」


聞くに堪えないw


僕は物陰から飛び出して、驚く下っ端ヒロインに反撃の機会を与えズに、ミクスの音波銃で先ず赤いユニタードを撃つ。

嫌いナンだょユニタード…両手でバンザイの格好で倒れたユニタードの横で黒いレオタードはポカンと口を開けている。


「手を上げろ!コッチは、散々撃ち込まれてイライラしてたンだ。容赦なく撃つぞ」

「ソンな…銃声は数えてたわ。もうテリィたんは弾切れのハズなのに」

「アンタ、甘いのょ。テリィたんは、第3新東京電力の宇宙発電所長なの。鉄塔の非常電話で本社に電話して、超高圧で私の音波銃をチャージして1芝居打ったのょ」


ミクス次長検事は、立ち上がって赤いユニタードが持ってた音波銃を拾い黒いレオタードに向ける。まるで女房気取り←

 

「はい。両手は頭に載せて。ヘンなポーズはナシょ。テリィたん?」

「ウチの本社から万世橋(アキバポリス)に連絡が逝ってる。もうすぐ、サイレン鳴らしてラギィが来るょ」

「そ。でも、テリィたん。やっぱりレオタードの方を残したのねクスクス」


コレがアキバのリアルだ。やれやれ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


1時間後。僕は"宿題"をやっている。


「テリィたん!リアル?うわぁ"地下鉄戦隊メトロん5"の大ファンなのぉ!抱いて!」

「はい、サイン色紙にサイン本。ソレから来週の"メトロん5 恐怖!脱線ハエ男エレジー"のチョイ役出演権もどうぞ。ところで…」

「彼女は、もう移送になったの?」


僕は、モレナを真正面から見据える。意外に綺麗な瞳だ。


「実は、僕からお話があります。ポニラ・フニェは、数時間後に移送されます。しかし、彼女は、ある人のために素晴らしい行動をしました。過去の罪はともかく、立派な行いでした。そして、ソレはきっと娘のルシルさんのためであったと僕は思います」


その時、モレナの背後からルシルの声がスル。


「ママ。ママに逢わせて」


モレナは、涙を溜めた目でルシルを振り返る。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


久しぶりに万世橋(アキバポリス)の捜査本部へ顔を出す。


「今度、僕が行方不明になったら、直ぐSATOの"チーム6"を呼んでょ。彼等にはたくさん貸しがある」

「良いの?ミユリ姉様とアフターしてたら?」

「あ、そりゃマズいな」


爆笑が起きたトコロで"マチガイダ・サンドウィッチズ"のUper eatsがジャストなタイミングで到着。またまた喝采。


「テリィたん。ミクスとの愛の逃避行の御感想は?何でも、ミクスがブラウスの胸のボタンを開けて、胸の谷間も露わに眼鏡のツルをかじりながら頼むと、何ゴトも絶対に断らなかったそうじゃないの?」

「そうょ。ミユリ姉様の入れ知恵で効果的メンだったわ。鉄塔の下でテリィたんは、こう言ったのょ"君こそ僕の陪審員だ"」

「ソレもミクスの目じゃなく、谷間を見ながら?」


またまた大爆笑ナンだけど、ココでエレベーターのドアが開いて、ラギィがモレナとルシルの母娘に寄り添って現れる。

防弾チョッキに短機関銃の武装警官が立哨する会議室の中には、死刑囚ポニラ・フニェがいる。彼女の処刑は数時間後。


ルシルがラギィを見上げる。


「私のママ、このお部屋の中?」

「時間は30分。自分で入れる?」

「…行くのょ」


モレナに背中を押されて、会議室へと入るルシル。

僕達は手にしたホットドッグを食べもせズ見守る。


「ルシルょ」

「フニェ」

「知ってる」


うなずくルシル。


「美人だわ」

「ありがとう…ママ」

「…ごめんなさい」


詫びて…泣き崩れるフニェ。


「OK。OKなの、ママ」


ルシルは、テーブル上でフニェへ、スルスルと手を伸ばす。

手錠で後ろ手のフニェは、その手を愛おしげに頬でこする。


みんなが泣いている。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


もう1組、泣き崩れる人がいる。地下の死体安置室で、小さな遺体に手をやるザーキ議員とその妻だ。

泣き崩れる妻を、気丈に抱き締めていたザーキ議員だったが、やがて嗚咽を漏らすと…男泣きに泣く。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「やたらハグされる日でさ。骨が弱くなってるのに、6%分だけど。宇宙は微小重力だからミネラルが減るンだ」

「まぁ。ヒトのシナプスなら1000兆個もアルのに」

「ニューロンは1000億個だょ?」

「脳葉なら4つです」

「でも、脳は1つ…あれ?何の話だっけ?」


その夜の"潜り酒場"。僕とミユリさんの2人ぼっち。


「エリゼと…逢ったの?」

「逢ってない。夜明けにチャットしただけだ。ほら、エリゼは、元カノ会員だからね。ミユリさんは非会員。元カノじゃなくて推しだからさ。現役の」

「何か怪しい」←

「とにかく!今回の騒ぎで、僕がエリゼのためにしたコトは何1つナイ。全部ミユリさんのためにやった」

「では、同じ元カノ非会員のミクスとは、どうだったの?」

「ソレについては、僕も逝いたいコトがアル。余り軽々しく"巨乳眼鏡セオリー"を普遍化して欲しくないな」

「でも、テリィ様は御立派でした。鉄塔の下で"アキバのTOをナメるな"と啖呵を切られたとか」

「ソレこそ、僕がミクスの(巨乳のw)イイナリになってないコトの証左だ」

「クスクス…しかし、フニェは殺してないのに、なぜ自分が殺したと言い出したのでしょう?」

「真実に耐えられズ、ニセの記憶を作ったんだね」

「悪い記憶を作ったの?」

「そうとも逝えない。少なくとも、苦しまずに死なせてやれたという妄想で自分を慰めていたワケさ。スーパーヒロインと逝えども、良心の呵責からは逃げられない。彼女の心の中では、息子は苦しまずに死んだ。妄想は偉大だょ」

「…そして、ソレは私達のヒロインパワーが決して"闇の力"では無いコトの証左です。私達メイドは、心清らかなTO(トップヲタク)に推されてスーパーヒロインに覚醒したのですから。おかえりなさいませ、テリィ様。コレからもどうぞ…え。何?」

「ソコだょミユリさん。僕が、いつまで経ってもスーパーヒーローに覚醒せズ、ヲタクのママでいるのは、ミユリさんが僕をホンキで推してナイからだ」

「ナンてコトを!誤解です!心外だわ!」

「では、今度ゼヒfMRIに…ま、今回もまたアキバに帰って来れてウレしいょ。今宵はグッスリ眠れそうだ」

「…ミクスの豊満な谷間の中でなくても?」


逝ってろょ、ミユリさん←



おしまい

今回は、海外ドラマによく登場する"囚人のジレンマ"をテーマに、刑執行直前に告白を始める異次元人の死刑囚、暗殺される中華ヒロイン、東秋葉原を仕切る悪の女幹部、その先代、息子が失踪した国会議員、死刑囚の娘、その継母、主人公の元カノ、死刑囚にしっぺ返し戦略で臨む超天才や敏腕警部などが登場しました。


さらに、主人公の地球帰還後の心象変化や死刑囚母娘の葛藤などもサイドストーリー的に描いてみました。


海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、コロナ制約のないGWを迎えた秋葉原に当てはめて展開してみました。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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