発作
結婚して二十年。
未だに枕元にペンとメモ帳。
不安定な精神を安定させるためのモノ。
恋愛結婚したはずなの、でもイキナリ血だらけになるのを防ぐためなんて。
笑えるよね。
私も想定しなかった状況。
落ち着いたと思ったの。
自分自身が旦那と子供を置いて死のうとするなんて思わなかった。
夢見が悪かったで済まないのはわかった。
理解してるけど、身体の反応までは判らなかった。
幸せだと思ってるからこそ、そうなるなんて思わなかったの。
知ってたはず。
いつだって死にたいと思いながら、死んではいけないと思ってたのは。
自分の吐いた汚物に塗れて気づいた時から。
楽になりたい。
だけど死にたくないって。
そのために。
何時でもその手段をそばにと。
例えば吸殻。
例えば樹木。
そして綺麗に咲く花。
それをそばに置くだけで、何時でも逝けると。
あれから三十年。
今ではメモ帳だけで生きていけている。