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第1話 はじめ
彼女とはじめて会ったとき、その面影にどこか懐かしいものを感じた。
容姿や声が似ていたわけじゃない。だけどなにか強く惹きつけられる。そんなところが彼女たちは非常によく似ていた。
しばらくたって気が付いた。
似ているけれど、彼女たちは別人だと。
過去には戻れないし、過去の自分には今を掴めない。
不安定だった自分と決して叶えることのできなかった想い。
踏み出し始めた自分と初めてかたちにした想い。
私が本気で惹かれたはなし。
同じ巣で育ったカッコウのこと。